祐樹一依さんの感想・レビュー一覧(444)
祐樹一依 >> 深泥丘奇談・続 (幽ブックス)
【○】京都のようで京都ではないらしい、何処かの京都を舞台にした現代怪談・奇談。とある「奇怪」が生じるたびに、そに対して女々しく恐れ戦くのが語り部である主人公のみであって、まるで道化のような立ち回りになっているのが面白いやら呆れるやら。その周囲の人々は何ら怪異に作用、或いは介入していることがないのではないだろうか、と考えてしまいたくなる。もしや全ては彼の妄想か? とまで読者が疑い深くなってしまっては怪異譚として成立しないので、絶妙な頃合でもって物語の幕が毎度、下りているのは事実である。――ような気もする。
02/05 コメント(0)
【○】京都のようで京都ではないらしい、何処かの京都を舞台にした現代怪談・奇談。とある「奇怪」が生じるたびに、そに対して女々しく恐れ戦くのが語り部である主人公のみであって、まるで道化のような立ち回りになっているのが面白いやら呆れるやら。その周囲の人々は何ら怪異に作用、或いは介入していることがないのではないだろうか、と考えてしまいたくなる。もしや全ては彼の妄想か? とまで読者が疑い深くなってしまっては怪異譚として成立しないので、絶妙な頃合でもって物語の幕が毎度、下りているのは事実である。――ような気もする。02/05 コメント(0)
祐樹一依 >> 深泥丘奇談 (幽BOOKS)
【◎】綾辻版、現代の怪談物。ということになるのでしょうか。ホラー、と呼ぶには奇妙過ぎてストレートに恐怖をもたらすには首を傾げてしまいたくなるような話もあって、しかしその奇妙さには物凄く味がある、というか…。そもそもが、綺麗にオチがついている怪談話が全てだと思うのが誤りであって、作中で語られる「ナニモノか」がなんなのかがひたすら渾然として図りかねるところにこそ、本作の面白さを見出だす一番のポイントだと思います。語り手である主人公の如何にも判然としない人格形成にも、それは如実に現れている…、ような気がする。
02/02 コメント(0)
【◎】綾辻版、現代の怪談物。ということになるのでしょうか。ホラー、と呼ぶには奇妙過ぎてストレートに恐怖をもたらすには首を傾げてしまいたくなるような話もあって、しかしその奇妙さには物凄く味がある、というか…。そもそもが、綺麗にオチがついている怪談話が全てだと思うのが誤りであって、作中で語られる「ナニモノか」がなんなのかがひたすら渾然として図りかねるところにこそ、本作の面白さを見出だす一番のポイントだと思います。語り手である主人公の如何にも判然としない人格形成にも、それは如実に現れている…、ような気がする。02/02 コメント(0)
祐樹一依 >> 殺人鬼 ‐‐覚醒篇 (角川文庫)
【◎】15年ぶりに読み返す形となった「殺人鬼」、いやあ、やはり傑作だわ…。残忍、残酷、凄惨、残虐、非道。幾ら酷い言葉を尽くしても彼奴には足りないのだろうなあ、恐ろしい生き物だ、奴は。しかしまあ、後書きで綾辻氏が述べているように、きょうび、単純に読者が眉をひそめるような残酷描写など溢れるほどあるわけで、それこそ、単純にグロいだけのオハナシに価値は見出せないものです。全編に張り巡らされた作者の企みの真意を目の当たりにしたとき、読者への驚きは倍になって襲い掛かってくる。こんな表現が偽りなく真実なのも本書の強み。
01/31 コメント(0)
【◎】15年ぶりに読み返す形となった「殺人鬼」、いやあ、やはり傑作だわ…。残忍、残酷、凄惨、残虐、非道。幾ら酷い言葉を尽くしても彼奴には足りないのだろうなあ、恐ろしい生き物だ、奴は。しかしまあ、後書きで綾辻氏が述べているように、きょうび、単純に読者が眉をひそめるような残酷描写など溢れるほどあるわけで、それこそ、単純にグロいだけのオハナシに価値は見出せないものです。全編に張り巡らされた作者の企みの真意を目の当たりにしたとき、読者への驚きは倍になって襲い掛かってくる。こんな表現が偽りなく真実なのも本書の強み。01/31 コメント(0)
祐樹一依 >> 奇面館の殺人 (講談社ノベルス)
【◎】待望の新たな「館」は「吹雪の山荘」! 真夜中に起きた殺人事件と、前代未聞の状況下で開陳される推理談義。絵を想像するだけで、怖いというか何処か滑稽というか…、惨劇が始まった途端、苦笑いしてしまうとは。とにかく異様な環境が格別の目晦ましとなって本書の全編を覆っている。事件の規模に対して物語の分量が割と多いのですが、読んでいる最中は全く気にならず、終盤の推理劇はたっぷりのボリュームで、とある「衝撃」に向けてじわじわと地を固めてくるスタンスはたまりませんね。「仮面の住人」たち、登場人物の取り違えにご用心!
01/21 コメント(1)
[01/28 18:11] ut_ken
感想は中~中の上ぐらいの満足度。少なくともびっくり館や暗黒館のようながっかり感はなかった。本題は、「関係者全員が仮面で顔を隠されている」という状況で、真っ先に入れ替わりを疑うところですけど、作中でも聞き込みや検証がされて様々な入れ替わりパターンを想定するが、どれも次々否定される。仮面の本当の意味は…真相は驚愕というほどでもないんですけど、ああなるほどと頷けた。
【◎】待望の新たな「館」は「吹雪の山荘」! 真夜中に起きた殺人事件と、前代未聞の状況下で開陳される推理談義。絵を想像するだけで、怖いというか何処か滑稽というか…、惨劇が始まった途端、苦笑いしてしまうとは。とにかく異様な環境が格別の目晦ましとなって本書の全編を覆っている。事件の規模に対して物語の分量が割と多いのですが、読んでいる最中は全く気にならず、終盤の推理劇はたっぷりのボリュームで、とある「衝撃」に向けてじわじわと地を固めてくるスタンスはたまりませんね。「仮面の住人」たち、登場人物の取り違えにご用心!01/21 コメント(1)
[01/28 18:11] ut_ken感想は中~中の上ぐらいの満足度。少なくともびっくり館や暗黒館のようながっかり感はなかった。本題は、「関係者全員が仮面で顔を隠されている」という状況で、真っ先に入れ替わりを疑うところですけど、作中でも聞き込みや検証がされて様々な入れ替わりパターンを想定するが、どれも次々否定される。仮面の本当の意味は…真相は驚愕というほどでもないんですけど、ああなるほどと頷けた。
祐樹一依 >> マスカレード・ホテル
【◎】面白かった。犯人不明、標的不明。しかしそのホテルの中で、恐らく殺人が行われようとしている、なんて凄い導入から始まる本作。一般市民の知らないところで、刑事が潜入捜査官としてホテルマンに扮している、なんてことがないとも言えない、と考えると不謹慎にも面白いですね。一体、どうやって犯人に迫るのかが読みどころなのですが、ホテル内で起こる小さな事件の積み重ねの中に、大事件の伏線がキッチリ仕込まれていて、ああ、それがここに繋がってくるのか、と最後には半分興奮で震えてしまいました。東野ミステリの真骨頂ですね。
01/21 コメント(0)
【◎】面白かった。犯人不明、標的不明。しかしそのホテルの中で、恐らく殺人が行われようとしている、なんて凄い導入から始まる本作。一般市民の知らないところで、刑事が潜入捜査官としてホテルマンに扮している、なんてことがないとも言えない、と考えると不謹慎にも面白いですね。一体、どうやって犯人に迫るのかが読みどころなのですが、ホテル内で起こる小さな事件の積み重ねの中に、大事件の伏線がキッチリ仕込まれていて、ああ、それがここに繋がってくるのか、と最後には半分興奮で震えてしまいました。東野ミステリの真骨頂ですね。01/21 コメント(0)
祐樹一依 >> キノの旅〈15〉 (電撃文庫)
【◎】いつもながらの安定した軽い読み口に、淡々と世界を巡り歩く人々、唐突に描写される暗い情景。それをものともしない、というよりも、大きな世界の中には小さな世界が無数に転がっている。小さな世界の住人は、その外側にある無数の異世界を知ることもなく、知る必要を感じることもなく生き続ける。物語の世界の外側にいる我々は、常識の秤を一度忘れてこの物語に取り組まねばならない。多くの世界を知る旅人の視点は、この物語の中では、神に近いとも言えるから。なんてことを、読了後、表紙を見て思うのでした。
01/17 コメント(0)
【◎】いつもながらの安定した軽い読み口に、淡々と世界を巡り歩く人々、唐突に描写される暗い情景。それをものともしない、というよりも、大きな世界の中には小さな世界が無数に転がっている。小さな世界の住人は、その外側にある無数の異世界を知ることもなく、知る必要を感じることもなく生き続ける。物語の世界の外側にいる我々は、常識の秤を一度忘れてこの物語に取り組まねばならない。多くの世界を知る旅人の視点は、この物語の中では、神に近いとも言えるから。なんてことを、読了後、表紙を見て思うのでした。01/17 コメント(0)
祐樹一依 >> 私たちの幸せな時間 (Bunch Comics Extra)
【○】外国の著作を日本を舞台に移して描写している物語であるため、どうしても拭えない違和感が始終付きまとうのが気になって仕方なかった。受刑者のことをずっと「囚人」と呼んでいるところとか…、上から目線、というか、一般人にとってはどうしても「外から目線」になってしまうのですよね、こういう話は。それだけに、少しでも何かを考える切っ掛けになる良い話だと思います。死にたい考えと生きたい願いは背反することもある。そしてその気持ちは他者へと向かう。願わくは、それに気づくのがもっと早ければ、と悔やむことがない世界を。
01/11 コメント(0)
【○】外国の著作を日本を舞台に移して描写している物語であるため、どうしても拭えない違和感が始終付きまとうのが気になって仕方なかった。受刑者のことをずっと「囚人」と呼んでいるところとか…、上から目線、というか、一般人にとってはどうしても「外から目線」になってしまうのですよね、こういう話は。それだけに、少しでも何かを考える切っ掛けになる良い話だと思います。死にたい考えと生きたい願いは背反することもある。そしてその気持ちは他者へと向かう。願わくは、それに気づくのがもっと早ければ、と悔やむことがない世界を。01/11 コメント(0)
祐樹一依 >> カッパの飼い方 6 (ヤングジャンプコミックス)
【○】夢のある話だなあ、と最初は単純に考えながら読んでいたら、どこまでも続く続く。どうしてこう、架空の生き物(なのだろうなあ、そうなのかなあ、と最近なんだか心配になってくるのですが)をどんどん身近な存在に錯覚させられつつあるんだろう。或いは逆で、架空の生き物だと現代人が諦めの心境でいる生き物にこそ、憧れというか、ロマンというか…、ああ、そうだ、憧憬なんですよね、こういうのって。現実しか見られない現代人の、忘れかけた憧憬。ところで、カータンは東京に辿り着けるのか、そればかりが心配でたまりません。本当に。
01/09 コメント(0)
【○】夢のある話だなあ、と最初は単純に考えながら読んでいたら、どこまでも続く続く。どうしてこう、架空の生き物(なのだろうなあ、そうなのかなあ、と最近なんだか心配になってくるのですが)をどんどん身近な存在に錯覚させられつつあるんだろう。或いは逆で、架空の生き物だと現代人が諦めの心境でいる生き物にこそ、憧れというか、ロマンというか…、ああ、そうだ、憧憬なんですよね、こういうのって。現実しか見られない現代人の、忘れかけた憧憬。ところで、カータンは東京に辿り着けるのか、そればかりが心配でたまりません。本当に。01/09 コメント(0)
祐樹一依 >> バス走る。 (BUNCH COMICS)
【○】そこいらの素人では真似しようにも出来ない水彩画のようなカラーたっぷりの(絵本入り!)豪華な短編集。佐原氏、どちらかというと顔全体の表情よりも瞳、眼差しで感情を物語る描写の仕方をする作家だと個人的には思っているので、本書みたく短編というより掌編のような作品集でも言葉少ない中にも色々な思い込みやら葛藤やらが込められているんだろうなあ、と実際のページ数よりもじっくり眺めて読み込んでしまいたくなります。「3年間、毎日好きでした」とか歯の浮くような台詞、さらっと描いちゃうんだものなあ。素敵。
01/09 コメント(0)
【○】そこいらの素人では真似しようにも出来ない水彩画のようなカラーたっぷりの(絵本入り!)豪華な短編集。佐原氏、どちらかというと顔全体の表情よりも瞳、眼差しで感情を物語る描写の仕方をする作家だと個人的には思っているので、本書みたく短編というより掌編のような作品集でも言葉少ない中にも色々な思い込みやら葛藤やらが込められているんだろうなあ、と実際のページ数よりもじっくり眺めて読み込んでしまいたくなります。「3年間、毎日好きでした」とか歯の浮くような台詞、さらっと描いちゃうんだものなあ。素敵。01/09 コメント(0)




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