onaka
4作品からなる中編集。最後の「漂った男」が良い。海しかない惑星に不時着した偵察機のパイロット。幸い生命を維持する環境はあるし通信手段もある。が、位置を知る手段がないため救援は絶望的という設定。何の努力もなくとりあえず生き続けられる、平坦で終わりのない世界を生きる現代人に重なる。漂いながら生きる意味を喪失しそうになるが、通信手段があれば悩み問い続けることはできる。ささやかな発見。だから通信が途絶えた時に本当の絶望と諦念はやってきた。脱出の可能生に向かって泳ぐラストシーンに勇気づけられる。

老ヴォールの惑星 (次世代型作家のリアル・フィクション ハヤカワ文庫 JA (809))
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★ -
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- 09/08
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ナイスした読書家さんと感想
ガチガチのSFは苦手だがこれは面白かった!反社会行為の咎で地下迷宮に投じられた囚人らが、困難を乗り越えコミュニティを構築していく「ギャルナフカの迷宮」は、人間や社会の本質に迫っていて考えさせられる。「漂った男」は遭難から救出までの途方も無い時間の中、環境に適用するため心身を変質させた男が希望と絶望の波間に漂う。目的も使命も無くただ生きるだけというのは残酷なんだが苦悩を超えるとそこに待っているのは超然と解脱。彼を引き戻したのは親友への信頼。人と人とは繋がって無くてはいけない。中々深いSFだった。面白かった!
表題作は地球外知的生命体による自惑星外知的生命探査のお話。有川浩『空の中』に出てくる巨大空中浮遊生物みたいなのが出てくる。お勧めは最終作『漂った男』。全球を海に覆われた未踏の惑星に不時着した男。惑星には呼吸可能な大気と栄養充分の海水があり、人間の長期生存が可能。捜索隊との通信は確保されているが大海原の中、場所を特定できず男は波間をひたすら漂い続ける。捜索隊隊長と漂う男との10年余にも渡る通信内容が淡々と描かれている。異国にて深夜にツイタ―をしていると、自分が『漂った男』であるかのような錯覚に陥る時がある。
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
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- 06/05
解説にもあるように、ある環境の中で人または生物がどのように生き、協力し、打開し、そして乗り越えていくかを描いている。そこに非常に熱い展開を盛り込んでくるところが憎いところ。とくに『漂った男』では主人公を応援せざるを得ない。やられた!
4つのSF短編。がっつりとSFを読んだなあという印象。まったく違った物語だったが、どの物語もコミュニケーションをベースとしていた感じ?「漂った男」の孤独感と絶望感が恐ろしいほどに秀逸だったなあ。
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
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- 01/10
⑥短編4つ 漂った男は傑作だ。よくある、漂流して一人ぼっちになってどうするって話なんだけど、終盤へむけてのもってき方や星やら物語の設定が面白かった。これだけなら⑨ギャルナフカは中盤まではよかったけど、終盤はふーんって展開だけど悪くない。幸せになる箱庭は設定がメンドク25ページほどで断念。表題作はなんかわからん。SFでも現世からイチランクぐらいならのれるんだけど、2ランクぐらい世界が飛んじゃうとどうでもよくなるw
短編?中編集?です。表題作以外のモノが気に入った。一番気に入ったのは「幸せになる箱庭」です。「漂った男」も「ギャルフナカの迷宮」も良かった。それにしても、仮想世界と現実との関係、今の自分が知らないだけで仮想現実の中にいるかどうかというのは、この世界から離れられない私達には永久にわからないですからねぇ。逆に仮想世界なら、ファンタジーの様な魔法も超能力も使える世界に生きてみたい気もします。実は覚えてないだけだったりして…
実に濃厚で、本を読んでて楽しいという、当たり前の衝動に気づかしてくれた。面白かったのはギャルナフカの迷宮と漂った男だが、はたしてこれはSFなのか? 映像で見たい表題作ののフライマ達がかわいい。彼らもそうだが、環境に挑む人々のカッコよさを、これでもかとカッコよく見せてくれる。その姿勢がたまらなく楽しいの。
面白い。この作家がおそらくこれからの日本SFを牽引していくことになるだろう。収録作で一番好きなのは「漂った男」その他の三篇も水準以上。これが初作品集だというから驚く。この作家は既刊はもとより、新刊もすべて食いつこうと思った。
















