onaka
他人がロボットに見える異能の少女ゆかりを死から救うため、並行世界を超え時間を行き来しながら、生きるシナリオを見出そうとシミュレーションを繰り返すマナブ。が、どう足掻いても死に至る運命を変えることはできず、結局、一回きりのかけがえのない生を、他人に助けを求めながら生きることの大切さを知る。運命を超越した地平に救済はないというテーマへの接続はややとってつけた感あり。人間をロボットに見立てる描写や並行世界と通信できる左手など、ラノべ的な表現は楽しめる。

紫色のクオリア (電撃文庫)
ナイス! ★★★★★★★★ -
コメント(0)
- 08/12
Tweet
share
ナイスした読書家さんと感想
評価:★★★★☆ 自分以外の人間がロボットに見えるという不思議な少女を描くSFチックなライトノベル。単巻完結の作品としては最高の出来と言っても過言ではない。量子論や哲学論を衒学的に持ち出すのではなく、無限の並行世界での凄まじい試行錯誤を経て何とも百合っぽい結論を導き出している。それ自体は単純なものだけど、印象は強い。自分以外の全ての人がロボットに見えることを他人が実証できないように、他人の人生を自分が生きることはできない(逆も然り)。
いささか極端な基本設定は置いておいて、大変面白かった。書き方を変えれば普通のSF者にも幅広く読まれそうなのが惜しいところだが、実際のところはライトノベルのレーベルで出すことで取っ付き易くなっているのかもしれないな。
生物がロボットに見える中学生「鞠井ゆかり」と、友人「学」の時をかける少女の様なタイムループ物。前半は人物紹介や量子論など小難しい事を中学生が語ったりの前座だが、「警告しよう-ここから物語りは急転する」以降、確かに評判通りなかなか読み応えのあるストーリーで、しかも先が見えない。運命に逆らいゆかりを助けようとトライ&エラーを繰り返す学の執念にも似た姿は痛々しくもあるが哲学的。「我思う、故に我あり」自分と同じ物を見る事は絶対誰にもできない。チョット感動した。
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
コメント(5)
- 06/14











