洋介
理性という装飾が理不尽な状況によりどんどん剥ぎ取られることによって露わになる主人公の感情。その状態に至るまでの変化の表現が巧妙で、ありえない状況なのにリアリティを感じさせた。特に砂に対しての描写は背筋が凍るような描写もありとても説得力があった。比喩表現も独特で飽きない。ページ数が多いわけではないのに読み応えのある作品だと思います。

砂の女 (新潮文庫)
ナイス! ★★★★★★★★★ -
コメント(0)
- 07/26
Tweet
share
ナイスした読書家さんと感想
社会生活から逃避するように昆虫採集に出かけた主人公は部落の女の家に囚われてしまう。日常生活に戻るために脱出を何度も試みるが、最終的には自らの境遇に安堵を抱いてしまうようになり、外に出ても忙しい生活に追われるだけだと思い出したのか、民家での生活を受け入れるまでになる。このラストで、映画のCUBEを思い出した。この砂の女のいる家は男にとっての子宮のようなものであり、この物語は子宮回帰願望を取り扱ったものなのではないかと個人的に思う。
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
コメント(1)
- 09/28
生活とは何か。砂の穴の中に閉じこめられた男から通じてそんなことを考える。理不尽な状況に置かれ、男は自由を求めるが、その自由とはなんだろう。何が異質で何が正常か。女や《希望》など、あちこちにキーワードがあり、読了後に人間の存在について深く考えさせられた。また深く考えさせられながらも、小説はすらすらと読めた。
昆虫採集の為に立寄った集落にて砂に埋れたあばら屋に監禁されてしまった男が脱出すべく奮闘する話。矢継ぎ早に策を繰出すのではなく監視者の目を意識しながらじっくり対策を取る形式なのでスピーディさはない。だがそこにリアリティを感じた。日常剥離→恐怖→怒り→対策(割りとショボい)→失敗→閃き→諦念→目的と手段の逆転。日常や交流から弾かれた結果生きる意味を懐疑、過去と現状の明確な違いさえ見失い恐怖の概念は砂に濁される。脱出算段は昆虫採集に替わる趣味となったのか。適応と狂気に然程の違いは無いのかも知れないなどと思った。
この不条理さ・・好きだ。いいかも。一気でした。息苦しく重苦しい理不尽さに圧倒される。何様なんだ・・とムカツキつつも、最後の方になると、しょうがないよね的思考に陥った自分が怖い。それにしても、この比喩の表現力ときたら。。砂が恐ろしいものに思えてくる、が、逆に今行きたい所は鳥取砂丘。
これは傑作。何で今まで読まなかったんだろう…。突然不条理な境遇に陥った男の葛藤。カフカの「変身」とも通じるか?文章も素晴らしい。砂の感触、喉の渇き、怒り、恐怖、欲情すべてが生々しく感じられた。
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
コメント(4)
- 08/04
初・安部公房。面白かった~(笑)虫を捕りに来た男が砂の街に囚われ・・・不条理な世界に閉じ込められ必死に脱出しようとする気持ちと徐々に変わっていく気持ちが面白かった(笑)そして女が妙にエロチックな感じだった(笑)安部公房読みやすいし面白い他の作品も読んでみよう(笑)












