onaka
体内にインストールされた医療分子に接続された監視サーバによって、病いや苦痛から解放された未来社会が舞台。個人は社会を構成するリソースとして大切にされ、幸福に生き続けることを保証されるが、真綿で首を絞めつけられるような窮屈さがある。幸福に生かされるよりも個人として生きることを証明するために自死を選択するのか、それとも妥協か。葛藤の源泉は人類進化の過程で獲得した意識の存在にあった。その消滅によってハーモニーは実現されるが、同時に世界も終わる。嗚呼。

ハーモニー (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)
ナイス! ★★★★★★★★★★★★ -
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- 07/06
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ナイスした読書家さんと感想
よく足を運ぶブログに書いてあったため手を出してみました。著者様のご冥福をお祈りします。
表現方法が違うけど、攻殻機動隊みたいなイメージの小説(それともSFってみんなこんな感じなのかな)。少女時代の終わりまでは時間がかかったが、それ以降は一気に読み上げた。ハッピーなのか、アンハッピーなのかよくわからない終わり方。少なくともエピローグは「自明な選択」により記述されたものなわけだが、あの世界でどういう意味を持つものなのだろうか?考えさせられる作品。|図
読み終わっても、しばらくの間は感想を書くことができなかった。死に向かう病床で執筆されたものだという事実が、読者としての私をより感傷的にさせている。気迫が違う。緊張感が違う。だがそれを抑えて、「わたし」と「個」の「意識」の寓話的な物語に仕上げている気がする。無駄を削ぎ落とした文章の中での、ほんの小さな遊び心が、うれしくも哀しい。この人の描き出す世界の物語をもっと読みたかった。残念でならない。











