本おや店主
文章がキレイだった。『つむじ風食堂の夜』に通じるものがある。池澤夏樹さんは、失礼な話、星野道夫さんと仲良しだった人、エッセイ書く人、みたいな印象しかなかったけれど、この本を読んで、今更ながらに、作家・池澤夏樹、の素晴らしさを認識させてもらった感じ。好きな作家さんのひとりになりそうです。

南の島のティオ (文春文庫)
ナイス! ★★★ -
コメント(0)
- 07/05
Tweet
share
ナイスした読書家さんと感想
清潔な文章。いかにもな美文ではなくて、ただ書くべき言葉だけを書き連ねたという感じがする。世間話のようでもあり、おとぎ話のようでもあり。「空いっぱいの大きな絵」が好きです。これといった教訓もないんですよ(たぶん)。それどころか意味も良くわからない。でも民話とか神話ってこんなものじゃないかとも思う。素朴さがそのまま洗練であるような、ふしぎな味わいの短篇集です。
気分転換に日帰りの小旅行に出かけてきたみたいな読後感。ティオの目を通してみた島での出来事が10篇にまとめられて、その1つ1つが共鳴し合い、心地よいハーモニーを創り出しています。ちょっと不思議な出来事もありのままに受け止められるのは、人と自然の距離が都会でくらす私よりもずっと近いせいでしょうか。池澤夏樹さんの文章と世界観はほんとに素敵です。手元において何度も読み返したい一冊。






