onaka
人工筋肉をまとった兵器やコンタクトレンズ型の拡張現実デバイス、感情制御による人間の殺人機械化など近未来テクノロジーのギミックにワクワクしながらも、虐殺の描写のリアリティに震える。米軍の特殊部隊に所属している主人公は、殺すべき標的を追いながら自らの罪を自覚し始め、標的ではなく贖罪の対象を追い求めるようになる。言葉は虐殺の器官であるという発想に加え、生死の自由・罪と罰というテーマが積層され深い。地獄の黙示録を少し思い起こさせる。あっぱれな一品。

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
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- 06/18
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ナイスした読書家さんと感想
著者がブレイクしたのは私が日本を離れた後のこと故、名前は知っていたが夭折したゲーム世代の神ぐらいに思っていた。一読驚嘆!これは単なるエンターテイメントとは一線を画した今そこにある地獄を綴った散文詩でありミリタリーSFの衣を被った21世紀の『罪と罰』。国家公認の暗殺者シェパードがラスコーリニコフなら虐殺の魔王ジョン・ポールは『大審問官』のイワンか?そしてソーニャはいない。虐殺の文法の種明かしがなされる前に唐突に終わっていれば世紀の傑作になったと思う。何故ならば語られなかった言葉には無限の可能性があるからだ。
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
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- 12/24
これはすごい! 各地で起きる虐殺。謎の黒幕を暗殺すべく暗躍する特殊部隊の主人公。散りばめられた近未来の装備の数々、生々しい殺戮の場面、それらの現実を見た人たちの苦悩などが、圧倒的な臨場感をもって描かれる。生と死、罪と許し、自由と管理、自国と他国の平和などの対立するものの境界を叩き壊しながら、読者を一気に引き込む筆力。作者の夭逝がほんとうに惜しまれる。
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
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- 09/23
この本は、私にとっての高級フランス料理と同じだ。美味しいとは思うが料理自体を詳細に解釈できないように、大作を読んだ気はするのだが内容に関しては理解が遠く及ばない。言葉を介して共通の世界を構築し得るという幻想が、幻想に過ぎない事を突きつけられる痛さよ。生と死のボーダーライン、暗殺とそれに伴う罪の意識の出処、生物の進化と適応の差異、言葉が予め内包する哲学性etc……。諸々メモを取りながら読んでも、さっぱりな自分にがっかり。ゆえに、SFの体裁を取った哲学書だったのだと開き直り。
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
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- 07/07
SFと言うより壮大な叙情詩を読んだ感。虐殺へ誘うハーメルンの笛吹きジョン・ポール。追う特殊兵士シェパード。共に罪を背負い自問するレゾン・デートル。考えさせるテロへの対し方、平和への向き合い方。思索の海。作品に感じたのはメランコックでドライ、矛盾する感触。トリビアの泉的笑いと皮肉の効いたユーモア。《幼年兵遭遇交戦》《百万単位の死》虐殺の描写は酷いのにTVニュースより、匂いも熱も感じさせない超ドライ。なんだろう、この重量感は。とても一読だけで消化しきれない。著者の早逝を悼む。
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
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- 05/12
文庫フリーク@灯れ松明の火
ペトロトキシンさん☆レミング同じく!です。SFは苦手ではありますが、題名から予想していた物とは全く違う感触。私も読み進まず、手こずりました。
ナイス!
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05/13 17:16
ペトロトキシンさん☆レミング同じく!です。SFは苦手ではありますが、題名から予想していた物とは全く違う感触。私も読み進まず、手こずりました。
ナイス!
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05/13 17:16
近未来、厳格な個人認証によって先進諸国はテロを一掃したが、後進諸国では内戦や民族虐殺が激増していた。その虐殺を引き起こしている謎の男、ジョン・ポールの目的とは……?/最新のテクノロジーによって感覚や感情の制御が可能になり、“痛み”から解放された主体が引き受けるべき“罪と罰”とは一体何なのか? ――について、ナイーブな思索を重ね、贖罪を渇望する主人公の姿が印象的。人間性を規定する条件がテクノロジーの進歩によって問い直された時、私たちはどんな答えを出すのか? ――考えさせられました。
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
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- 03/28
はじめて本屋さんで見かけたときはなんともキャッチな装丁と帯、禍々しいタイトルに惹かれたものの購入にいたらなかったが図書館で「ハーモニー」があったのでそれをかりて読む前に読んでみようとおもい手に取った。近未来を舞台とした設定と世界はよく練られていて重厚で起こりえる雰囲気を醸しだしているのだが主人公の語り口があまりに淡々としているせいなのか恐ろしい世界なのに恐ろしさを感じない感情抑制されたように不思議な感覚で最後まで迎えたために不思議な読み応えになってしまったし、読み終わるまでに時間がかかった。
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
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- 02/14
伊藤氏は9・11のあとの近未来社会でテロの驚異を根絶するために徹底的な管理社会を出現させ、絶大な力もつ国家を描くことで「正当化された殺人があるかどうか」という命題(この命題はドストエフスキーが『罪と罰』で問うた命題でもあるが)を読者に突きつける。そして「生まれたばかりの赤ん坊の心は真っ白な石版であって、その後の心や行動はすべて環境によって書き込まれる。従って人はみな平等だ」などという浅薄な”そうあるべきだ”理論に疑問符を投げかけているところがすごい。
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
コメント(2)
- 02/11
近未来版の罪と罰だと思いました。リアルすぎて、SFであることを忘れて没頭してしまうんですが、暗くて切ないので読むのに体力がいります。こんなにも凄い作品を書いた作者が34歳という若さで病死されてしまったのが、残念でなりません。本編の後の解説に作者の闘病の様子や、お母様の言葉があるのですが、涙なしではとても読めませんでした。
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
コメント(8)
- 09/09
ガンダムの世界の一歩前にプラネテスの世界があるような気がするんだよね。それと同じで、この作品世界の一歩後に攻殻の世界があるんじゃなかろうか、と思った。作者が今まで漫画や小説、映画とか、今まで見てきたものの中から選りすぐりのカッコいいものを丹念につなぎ合わせた感が堪らなく好きだ。何より凄いのが読んだあとは、青臭くて叫ぶような感想しか出てこないこと。それについてここでダラダラ書いてもよかったんだけど、ネタばれになると思ってやめた。それでは、夜空のどこぞで輝いていることであろう非モテの星に向い敬礼。
傑作!誰が何と言おうと秀逸である!この作品に出合えた事に感謝。近未来の戦争のお話…なんて軽いもんじゃなく、著者の幅広く奥行き深い知識と思想が、読みやすい表現で贅沢な程ちりばめられている。手法も素晴らしい。小説好きな方には是非読んで欲しい名作。久し振りに(何年ぶりだろうか)魂の震える作品に出合えた。
現実の少し先に展開している世界。現実の重みを感じさせつつ、近未来のテクノロジーでより効率的に行われる戦争、虐殺。まさにリアルフィクション。
死者が氾濫している。死のイメージに充ちている。虐殺の文法、虐殺の言葉を、作者も感じ取っていたのだろうか。当然の顔をして、自らの隣にある死の影を。理不尽で許し難い死だと・・・。エピローグでは、ああ、こういうところに落ち着いたのかとやるせない気持ちになった。この本は舞台や登場人物が外国のせいもあるのだろうか。どうも日本人が書いたとは思えない。翻訳物のSFを読んでいる気がずっとしていた。そして不謹慎ながら、ドキドキと血流を熱くたぎらせて楽しんでいたことを告白しよう。大森さんの解説も含めて重厚な一冊だった。
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
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- 04/02
タイトルのイメージ通り、恐ろしい物語。凄まじく、残酷な表現も多かったけど、それらを超越するだけの緻密さやパワーを感じた。近未来の世界観は緻密にて凄惨!物語を進めながら少しずつ解氷していくような見せ方が良かった。今までで一番引き込まれた物語。。。
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
コメント(1)
- 03/06























