なな、し
期せずしてこれもある家族の物語だった。第二次世界大戦によって生まれた「ある秘密」は主人公の父母にとって、隣人のルイーズにとってタブーであり常に重くのしかかっている。それらが白日の下に晒され、再度物語として編まれてやっと天に帰るまでの“物語”だ。文体が散文調で婉曲な表現なので、詩的な美しさもあると思う。

ある秘密 (新潮クレスト・ブックス)
ナイス! ★★★★ -
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- 03/16
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ナイスした読書家さんと感想
スポーツ万能な両親の元に生まれた病弱な少年。彼がある日屋根裏部屋で見つけたのは、存在しないはずの兄の痕跡。その痕跡を追って、彼はある秘密にたどりつく。それは封印された痛々しい記憶、時代の暗部、過ち、後悔、悲しみ。素っ気ないほど淡々とした文章は、声高に語られるよりも心に響く。一人の少年が成長していく物語であり、魂の解放を描いた物語。
子どもの不思議な勘のよさ、真実を見通す心の目に驚かされた。抱えこんだあまりに重く残酷な秘密であったけれど、それを語り、書き、何度も書き直し、白日の下に晒すことでかなう癒し、心の解放。読後には一種の静けさと清清しさがある。






