もふいんこ
タイトルは少々強面だけど、ぐいぐい読ませる力のある物語でした。欠落をいとおしむ主人公のふたりを素数になぞらえた物語。なにもかもわかりきることは出来ないそれぞれの宇宙を抱えて、誰しも孤独であり自由であるのだな。小川洋子の「猫を抱いて象と泳ぐ」をちょっと思い出した。

素数たちの孤独(ハヤカワepiブック・プラネット)
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- 02/09
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ナイスした読書家さんと感想
隣り合っているのに、決して交わることのないもの。それは素数であり、親友であり、恋人であり、家族である。心に傷を負ったマッツィアとアリーチェ。2人の恋愛模様を軸に読むと物足りないのだが、それはきっと作者の意図しているものではない。ヴィオラのパーティーで2人が手を繋いで現れたシーン、その、2人で1人であるかのような姿が目に浮かぶ。映画版で最も観たい場面。ラストは決して明るいものではないが、一筋の希望の光が2人をそれぞれに照らすかのようで、美しく、優しい。それにしても、数字って小説のモチーフとして優秀だなあ。
心の傷が身体を傷つけ、体の傷が心を傷つける。 心象風景が近いからこそ一緒になることを選べない。 それは最終的な別れを恐れているからなのか。 人は誰しも孤独なもの。割り切れる自然数だってその約数とイコールなわけではないのだから。 でも隣には常に連続する数字がいる。イコールじゃなくても人生を共に出来る。 それにマッティアが気付きますように。
タイトルと著者が物理学者ということから、勝手に想像じてたものとはかなり違う内容だった。恋愛ものっていうよりは、傷を抱えた少年と少女が成長していく話なのかな。静かな印象の文章で丁寧に心理描写がされていて、雰囲気のある本だった。






