ナイスした読書家さんと感想
大切なのは熊に立ち向かうことだ。熊が何の象徴かとかはいちいち考えなくてもわかるだろうが、もちDIO様的なあれだどこか真に迫るテーマをえぐりながら基本はおバカでドライブでエログロな文章が舞城節。熊の場所は舞城のなかではかなり初心者にも読みやすい部類に入ると思う。ピコーンなんて、フェラチオフェラチオ言い過ぎだがそれが実にいい。やっぱりこういう作家、他にいないな
『熊の場所』、『バット男』、『ピコーン!』の三篇。ところどころドキドキしながら一気に読み終えた。言葉と感情の距離を縮めていく感覚が相変わらず気持ちいい。ぐちゃぐちゃに線が引かれた落書きのように見えて実は、骨格が完璧に捉えられているドローイング作品、みたいなものを想起させられる。そんなの本当に上手くないと書けないもので、だからこそとても「小説」しているな、と思う。そのうえ教訓めいたものまで与えてくれるのだから、これは間違いない。舞城王太郎の中では、入門編に位置付けてみたり。
登場人物みんな誰かを愛しすぎて狂っていて常軌を逸していたりする。だけど自分からそう遠い世界の物語のように感じない。それは舞城作品が、未知の世界に対しての異常な興奮だったり大切過ぎて壊したいみたいな暴力的な衝動だったり性欲だったりそうゆうの全部まとめて愛って呼んでて、それってきっと誰の胸にもあるものだからだと思う。愛の存在に気付かされる。
やっぱ舞城おもろいなあ。充分なスピードで突ッ破疾ッテル。それでいて僕たちの手の届くところに大切なことがあることを教えてくれる。『熊の場所』では恐怖との遭遇と克服を、『バット男』では暴力のシステムとの抗い難い戦いを、そして『ピコーン!』。「わたしは人生を生きる。目の前に自分の人生が手付かずのまま残っているのだ。それを新雪をギュッギュ踏みしめるみたいに楽しむことに決めたのだ、今日。」シビレた。愛に生きて、ちょっと狂ってる。っていうかこれで¥420って安すぎじゃね?王将のニラレバより安いってやばくね?すごくね?
やっぱり舞城王太郎の物語は、最初は違和感があるけど一度勢いにのると一気に読まされてしまう。「熊の場所」は”恐怖から逃げたければ・・・”の科白に感銘。「バット男」では主人公の希薄さに不気味さを感じた。「ピコーン!」は、物語の勢いが凄まじかった!なんにしても登場人物達の個性やエネルギーが凄いな〜。
表題作「熊の場所」。舞城は幼少期というか思春期というか子供のイノセントな感覚を描くのがずば抜けて巧い。それゆえの残酷さとか脆さとか恐怖心とか、饒舌なようでいて言葉が足らずに必死で言葉を探しているようなあの文体もそれに一役買っているんだろうな。個人的には「バット男」もかなり好きだ。「ピコーン!」はアレだ、遊び過ぎっていうか、言い過ぎだ(笑)本屋を探し回っても全然なくって、舞城作品て気の利いた本屋じゃないとおいてなかったりするよね。


ナイス!














表紙の涙を流す熊がとても印象的。