最初の1編を除いて僻地医療を中心に医療に関わる人々を描いた短編集。綿密な取材をされたのだなぁというのがよく伝わってくるのですが、調べ得た情報を全て出していなくて、語りすぎによる説明過多になっておらず、親子・兄弟・夫婦の間の感情や人間ドラマと上手く混ざりあっていて、このバランス感覚は絶妙だと思いました。映画で語りきれなかった所を小説で補完しているという形が上手く作用していて、非常に完成度の高い上質な短編集だと思いました。巧みな比喩など随所で上手さを感じた作品。映画も見てみたくなりました。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​ - コメント(4) - 01/04
ゴリ
板栗香さんこんにちは。深みのあるコメントいつも楽しく読ませていただいています。映画を観てみたいと書かれていたので、ぜひ観てください。この映画は前作「ゆれる」ほど観る者を悩ませること無く、少し映画がわかった気持ちになって楽しめます。八千草さん、香川さんの演技が最高ですよ。
ナイス!ナイス! - 01/30 00:01

板栗香(育児中につき更新遅め)
>ゴリさん こんばんは♪拙い感想を褒めていただきありがとうございます。(^^ゞ映画を観るといつも頭痛を起こすのもあって、映画はほとんど見ない人なんですよ。だから目は肥えていないので、上級者の見方は出来ないと思うのですが、ぜひこの映画は見てみたいと思います。(*^-^*)
ナイス!ナイス! - 02/02 21:28

ゴリ
コメントの利用方法がいまいち分かっていなく、反応が遅くてごめんなさい。私もそれほど映画を観る方ではなかったのですが、最近目覚めて「鑑賞メーター」と「読書メーター」でちょっと大変な状態です。映画も読書と同じくらい魅力的です。ちなみにこの映画は本当おすすめです。
ナイス!ナイス! - 02/08 23:03

板栗香(育児中につき更新遅め)
>ゴリさん ここのコメントってお返事ついたかどうか?がわかりにくいですよね。(汗)私は全くといっていい程映画は見ない人でよほどの大根じゃない限り演技の下手さとかも分からない人なんですが(苦笑)最近知人の映画鑑賞日記を読むようになってムクムクと映画に興味が湧いてきまして。ゆるゆると自分のペースで少しずつ見ていけたらいいなぁと思っております。(*^-^*)
ナイス!ナイス! - 02/16 17:17




ナイスした読書家さんと感想

映画『ディアドクター』のアナザーストーリー。全編を貫く優しさに癒されながらも深く仕事や人生を考えさせられるとてもいい映画だったと記憶している。ディアドクター作成途中で生まれたとはいえディアドクターとは違う話。けれど、仕事や人生や死に向き合う人たちの思いや、家族ならではの複雑な関係や、いろんな要素がぎゅぎゅっと詰まっていた。田舎の診療所の医師を美化するでもなく、田舎の閉塞感から抜け出そうとする少女をい卑下するでもなく、等身大のままに描いていて素晴らしかったと思う。どこか不安定で気持ち悪い感じすらも愛おしい。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 11/11

「1983年のほたる、ありの行列、ノミの愛情、ディア・ドクター、満月の代弁者」の全5話。様々なタイプの医師が登場しました。医師として患者から何を求められているのか。医師としての在り方が赴任先の病院によって随分違うんだなと感じました。一つ一つの情景がとても丁寧に描かれていて、映画も見てみたと思いました。「ディア・ドクター」の話で、医師をしている父親に対する兄の敬愛ぶりが何だか切なかったです。★★★★
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 06/23


すごくいい。「ゆれる」のときにも感じたけれど、この作者は「その瞬間」の描き方が本当にうまいと思う。どの物語にもヤマとなる、なにかしらの事件が起こるが、その場面のえがき方、とりわけ人物の描写は至極冷静で淡々としている。なにか大きなことが起こった時というのは案外こんな感じに冷たいと思えるほどに静かなものなのかもしれないとも思った。全編を通して語りすぎるわけでもなく語り足りないわけでもない無駄のない適切な文章。はやく次回作が読みたい。 
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 03/30

映画「ディア・ドクター」も「ゆれる」も面白かったので、西川さんが文章ではどんな表現をするのか知りたくて、読んでみた。登場人物の思考がとてもビビッドで自分の感情のように思える箇所もあれば、読み手の解釈にゆだねるような箇所もあり、リアルと想像の緩急に惹きつけられた。取材で得た素材と作者のイマジネーションが、絶妙にマッチしている感じがする。「ディア・ドクター」の「青っ尻!」エピソードは、父・兄・弟それぞれの感情がなんだか手に取るように伝わってきて、「うぅ」と悶絶。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 03/08

どの短編もよかったです。その中でもとくに「ノミの愛情」「ディア・ドクター」が印象的でした。ディア・ドクターの映画は観ていないので、映画を観てからまた読み返してみたいです。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 02/15

深くしみこんでくる文章で、いろいろと考えさせられた。また読み返したい一冊。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 09/21

僻地での深刻な「高齢化」「医療」が浮き彫りにされていた。長く生きるという事は、本当はおめでたい事なのに…。現実は…と考えてしまう。年齢を経ると「生きる」ことに真剣に向き合えば向き合う程、やっぱり考えなければいけない事は多い。生かされているのではなく自発的に楽しく気楽に生きる事を忘れてはいけない。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 08/06

ゆれる・・の監督かぁ。どっかで「いい」と聞いたので、読んでみた。短編なんで、バラバラと。で、最後にノミの愛情・・・鳥肌が立ったわ。最後の1ページ。「はい。私は看護師です。」凄くいい。ディアドクターも好き。満足しました。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 12/11

「ゆれる」の小説版の人間描写が印象的だったので3年ぶりの書き下ろしも読んでみました。気がつかなかったのですが、映画「ディア・ドクター」にまつわるアナザーストーリーでした。僻地医療を題材にした映画を作りたいというところからスタートしたそうですが、小説は浅くなく深すぎず人の心の根底を捕えていました。「ノミの愛情」の最後の一行にグッときた。読了したら映画もすごく見たくなった。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 06/22

映画「ディア・ドクター」の取材で得られた僻地医療に関わる人々の話を西川さんが一冊の本で語ってくれています。「1983年のほたる」から始まり「満月の代弁者」まで人々の日常や自分の存在について深く掘り下げて描かれた作品が続きます。どれも良いです。診療所を新任の医師に引き継いだ「男」は今までの自分の生き方に疑問を感じながら実家まで車を走らせている。誰もが感じることのある思い。そして人は誰かから必要とされているラストが心地いい。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 03/12

最初の1編をのぞき、僻地の医療を扱った短編集。それぞれのつながりはありませんが、根本にあるものはどこか似ていると思います。どの話も面白いものはあったと思いますし、考えさせらた部分も多くありました。特に高齢化と医療は今大きな問題ですしね。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 09/25

『ありの行列』今まで知らなかった僻地医療の現状を若い医師と一緒に体験するような作品。神経質な青年医師が僻地医療に構えていた姿が徐々にほぐされていく様子が良い。『ノミの愛情』痰壺みたいと義妹と言われながらも「彼の表の顔は私にとっても誇りなの」と夫を盛り立てる妻。そう言いながら階段を磨き続ける…。彼女の本を読んでいて感じるのは擬音の使い方が巧い。映画を主な生業とされている作家らしく文章から画像が眼前に浮かびあがってくる。映画監督としての彼女の仕事っぷりを観たくなる作品。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​ - コメント(1) - 08/03
nyanco@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)
あとがきを読んで感じたこと… 僻地医療を題材に映画を撮りたい。現状を投影するために綿密な取材をしたいーー作家。 取材の支援をするから同じような題材で小説を書いてみませんかーー編集者。 結果としては編集者の思惑通りになったのですが、僻地医療を取材されたことによって知った人々の生き方や様々なエピソードを作者が大切に思い、映画に収まりきらなかったものをもっと表現したい、伝えたい…という思いが本作から溢れ出ているように感じました。
ナイス!ナイス! - 08/05 10:28


○ 5つの短編。映画のための僻地医療を取材したおりに出逢ったエピソードや人の生き方を甦らせたとのことで、4つが医者関連(うち2つが僻地医療)のお話でした。きちんとした取材があるということで、描かれている人たちも生き生きと感じられました。そしてどの話も「死」と隣り合わせのシーンがあるのに、妙に明るく可笑しい。[t]
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 07/26

子供の頃はヒーローが其処彼処に居た。お巡りさんや消防士さん、それにお医者さん。大人になって目から憧憬の鱗が剥離した今では、彼らは多種多様な職に就いている普通の人たちと分かる。医師だって悩んだり愚痴ったり見栄張ったり損得計算したりしつつ、病と老いのその先に待ち受ける死を食い止めることはできない。でもある地域においては彼らは未だにヒーローだ。大病や大怪我になす術はないけど往診処置処方相談、仏で言うならお地蔵さまのような身近な安心感を与えてくれる、ささやかな神さまのように。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​ - コメント(1) - 11/05
ちはや@灯れ松明の火(文さんに協賛!)
世界中に綺麗事じゃ片付かない現実は転がっていて、歩くたび躓いて転びそうになる。何かの犠牲の上に成り立つ命の尊さの重荷、円滑な日常のために堪える言葉、何時しか薄れていく情熱。生きることは素晴らしい半面ちょっともどかしい。
ナイス!ナイス! - 11/05 18:20


自身の監督作品のノベライズとしてある本書だが、西川美和の小説は、映画のストーリーを安易になぞるノベライズではない。前作『ゆれる』は、弟の視点から描かれた映画とは違い、幾人もの登場人物の視点を配して、映画の物語を補完していた。本書『きのうの神さま』も、映画『ディア・ドクター』のノベライズという体裁だが、様々な人物と時代と空間を使って、映画に縛られない独立した小説となっている。何よりも、映像では表現できない、言葉による心情描写が、堂々とした小説として貫禄ぶりを見せ付ける。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 06/24


きのうの神さま

最初の1編を除いて僻地医療を中心に医療に関わる人々を描いた短編集。綿密な取材をされたのだなぁというのがよく伝わってくるのですが、調べ得た情報を全て出していなくて、語りすぎによる説明過多になっておらず、親子・兄弟・夫婦の間の感情や人間ドラマと上手く混ざりあっていて、このバランス感覚は絶妙だと思いました。映画で語りきれなかった所を小説で補完しているという形が上手く作用していて、非常に完成度の高い上質な短編集だと思いました。巧みな比喩など随所で上手さを感じた作品。映画も見てみたくなりました。
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