ナイスした読書家さんと感想
『私の男』が父と娘の歪んだ愛情ならこちらは母と娘の歪んだ愛情の物語。良い意味で気持ち悪い。でもギリギリのところでエロスやグロテスクにならないのは桜庭一樹の筆力故だろうか。第一部が圧倒的な世界観だったから段々尻下がりだった気がする。連れ戻されてからの駒子は何だか気の毒だったし。駒子の語る話の世界観は好きかも。解って登場人物が出てくるけど、この人は『ばらばら死体の夜』の解と同一人物かな?2012/092
「八日目の蝉」と前後して読んだので、ちょっと曖昧。マコとコマコの物語ですね。「これが私のファミリーポートレイト」ってところがある意味ホラー的にも感じちゃいました*図*
単純に楽しいとはいえない作品だけど、駒子と眞子の苦しさの描写にとても引き込まれました。真田先生の「幸福から立ち直る」という表現も納得。ただ途中からすこーし長く感じてしまったかも…
狂気と紙一重の母子の愛に息苦しさを覚えた。退廃的なラストを予想していたが、いい風に裏切ってくれた。これ以上ない終わり方だったと思う。
母と娘の愛と呪い。息苦しいものや黒いものの荒野のなかで、一人で立つ主人公の繰ることばが、とても鮮やかに、ときに残酷に一瞬一瞬を切りとっていくところは、桜庭さんのお家芸というか、お見事!といった感じ。面白かった!!
鳥肌が立ちっぱなしだった。後半になってコマコが小説を書くシーンはまるで自らの命の塊を削りながら命そのものの叫びを必死に文字として絞り出しているようで、それはまさに情熱大陸で見た作家・桜庭一樹の執筆風景と重なるものだった。作家が必死で産み出したむきだしの命の叫び声は、読んでいる私の命にダイレクトに爪を立てる。もしかしたら「死」で終わらない分美しくはないのかもしれないけれど、リアルな温度を感じさせる、とても印象に残る一冊だった。
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
コメント(9)
- 08/24
お、重い。内容がめっちゃしんどい感じだった。コマコ、何時になったら救われるのか…。最後、余韻を残すような終わり方だったけど、今度こそはコマコが幸せになってくれることを祈っております。
なにか重く、なにか暗いものが、圧し掛かってくるような感じ、マコとコマコの依存関係、成長したコマコの人生観、どれもこれも僕の苦手とする物でした。でもコマコがどう考え、どう生きて行くのか気になり、何とか最後まで読みきりました。大変疲れ、コマコの生き方、捉え方に打ちのめされた物語でした。
MarsAttacks!
ゆめわかばさん、コメントありがとうございます。僕も、もうイイヤと思うのですが、なぜか桜庭さんの作品をまた買ってしまいます。打ちのめされながらも、惹きつけられるものがあるのですね。
ナイス!
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05/10 23:45
ゆめわかばさん、コメントありがとうございます。僕も、もうイイヤと思うのですが、なぜか桜庭さんの作品をまた買ってしまいます。打ちのめされながらも、惹きつけられるものがあるのですね。
ナイス!
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05/10 23:45
物語は面白いのですが長いのでサクっと読みたい人には不向き。+桜庭さんとフィーリングの合わない人にも不向き。「私の男」とは別の視点の「血」の話し。親子の愛は利己的すぎるほど虐待にも等しく(しかしとてつもなく幸福で)、まさに愛は惜しみなく奪う。後半は「幸福から立ち直る」コマコの話し。ラストシーンはいいですね。あのラストのためにあれだけの長さが必要なのでしょう。
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
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- 04/23
コマコはマコの娘で忠犬で唯一の理解者。コマコは生まれた時からマコと一緒に放浪し、マコが消失した後もマコはコマコの中で生きていました。家族、恋人、愛情、DV、それらがコマコの中で冷たく蠢きBad Endかと思いきやとても満足のいく結末でした。幸せとはなにかを考えさせられる作品です。
読んだ後呆けてしまってしばらく思考がまとまらなかった。この世には善とか悪に区別できないものがたくさんあるんだと思う。コマコの一生は、母の影響なしには有り得ないものになり、一見不幸な形でそれが露呈してもコマコ自身は囚われているつもりはないのかもしれない。愛情表現とはこんなに痛々しいものかと苦しく、気味悪くすらなるのだけれど、エンディングはそれだけではない桜庭一樹の意志を感じさせる。作家としての経験を生かし、それでもやはり私小説ではなく小説として自立した作品として仕上がっていると思う。最後に残ったのは希望。
マコとコマコの生活の瞬間を切り取ったポートレイト。何枚か撮った中で残ったたった一枚を大切にするコマコの想いが伝わってきました。幸せに感じるその瞬間をいつまでも忘れず、また失ってしまうからこそ強い輝きとなって心に残るのでしょうね。誰の心にもあるポートレイト。
稚拙な綻びも計算のうちでしょうか、深層心理に働きかけてくる巧みな描写が秀逸ですね。特に前半部分の母子で不思議な町を彷徨うシーンは印象的で、結末は忘れても、豚の町や葬式婚礼などの場面はずっと心に残るだろうな~と思います。私の記憶にべっとりくっついてまわる1冊になりそう。
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
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- 10/16
ほとばしる狂おしいまでの愛、鮮血のように真っ赤な愛。唯一絶対の存在としての母。存在するために発する痛々しい叫び。なにもかもが真骨頂。
五歳のコマコは握りしめる。唯一失いたくないモノを。若く美しいママの手を。それは幼い頃から続いていく呪い。ネグレストの果ての共依存という、親子の呪い。どこまでもどこまでも一緒に堕ちていく2人。地獄の一形態でありながら、なんて甘美な苦しみなんだろう。その幸福で呪われた日々の描かれ方が、とにかく印象的な作品でした。後半、コマコが『真行寺眞子』として語る「作家とはある種の、自覚的な多重人格者のことだ」という言葉も印象に残ります。これは、作者の本音なんだろうなぁ・・・。
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
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- 07/14
【図書館】母娘がどこにたどりつくのかどきどきしながら読んだ。最後はうるっときた。
「私の男」の父娘が母娘に変わっただけかよ!と心の中で悪態をつきつつ、半ば生理的嫌悪に近いものを感じながら読み始めました。途中からはもう桜庭一樹という作家の命をかけた決意表明なんだと思う位、読んでいて一所懸命に原稿に向かっている彼女の姿が浮かぶのです。こんなにも作品世界に作者の意識(と、読み手が感じてしまうもの)が前面に出てしまうものがいいのかどうか私には判断が着きませんが、人に尋ねられたら傑作だけど気軽にお勧めは出来ないと答えるでしょう。特にこの作品は読み手の属性や生活環境によって評価が分かれやすい気がし
前半が母娘の逃亡生活、後半がその後の子供についてという二部構成で、 角田光代「八日目の蝉」との共通点があるのも面白い。 #「私の女」というタイトルでも良かったんじゃないかなとちょっと思う。 タイトルは「ファミリーポートレイト」だが、中身はどこまでも「孤独」というものを突き詰めており、 「すべての表現は狂気が材料だと思う。」 という一文に表現されているように、作家として生きることの決意に満ち溢れている。 豊富な読書量に裏打ちされた物語を紡ぐ力をこれからも見せつけてくれるはず。 呪いのように。作家、だもの
母にスポイルされ教育を与えられない少女が自らを母の小さな神と称する。神と称したからといって少女の悲惨な境遇に変わりはないけれど、母が少女の神と称していたらきっとこの物語を読み進めることができなかった。母と娘ふたりの逃避行の中で少女は文字をおぼえ本に出会い文字の世界に耽溺してゆく。そして逃避行の果て自らの物語を語りはじめるのが直木賞を受賞した著者と重なりつつ圧巻だった。自らの物語を語る途中神が娘から母へ変わる虐待の根深さにやるせない気持ちになるが、いつしか読むのを止められなくなり最後まで読んでしまった。
疲れた…先を読みたいけど読みたくない変な気分になったのは初めてで、第1部は楽しかった。第2部は痛い…色々と痛い。タバコを無性にふかしたくなるので、無駄にタバコに火をつけてしまった。
圧倒。心を素手で鷲づかみにされたような、苦しさ。 ゾワゾワして、ドキドキする。 一部の方が圧倒的過ぎて、二部が少しかすんだかと思ったけど、 ラストでやられました。深い。 コマコは学校にも行けないし、家畜のような扱いをされたりもするんだけど、 それでもマコを愛し続ける。 そこにあるのは、母親の絶対性?愛? 「私の男」を読んだときのような、決して綺麗じゃないのに読むのをやめられない、 中毒のような感じでした。
私のような凡人には、とても理解しがたい世界でした。世間から見て、鬼のような母を愛するコマコが哀れでならない。また後半、コマコのなかに同居する、マコとコマコ。とにかく刺激が強すぎました。女の子という年齢の方には、正直読んでほしくないと思いました。作者が引きこもりをして、必死に書きあげたことは、十分すぎるほど伝わりました。オバサン世代には、きついです。
痛々しく、悲しく、なお哀しい物語にページを捲る手が止まらない傑作です。しかも、ただの悲哀物では終わらない。桜庭さんの底知れぬ能力を、ページを進めるごとにより深く感じられる小説です。
母と娘、女性の生きる姿を描くのは本当に巧い!閉ざされた世界の中、本に出会うコマコ。感動する本との出逢いに打ち震えるコマコ。あ~、桜庭さんの一冊は、この本だったのだろうか…、ああ、こうやって本が好きになっていくんだよね、と共感。やがてペンをとるコマコの姿に桜庭さんを重ねてしまいました。
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
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- 12/07
重厚、の一言につきる。ある少女の一生。質が濃くてなかなか進まなかったけど、桜庭一樹ならではの哲学と空気が満ち満ちていて満足の一冊。私の男と同系色だけど決定的に違うのは、こちらは救いを示唆していること。作中に在る作家論凄い好き。‘「生きていくって、なにかを得ていくだけの旅じゃなくて、失っていくことだって、さいきん思う。誰もが、過去の不幸な出来事だけじゃなくて、幸福からでさえ、立ち直りながら、なんとかして前に進んでいくんだ。みんないっしょに」’―荒野に花は咲くだろか?
マコとコマコが流れてゆく先々の小さな街たち。でも小王国。その強烈な色彩、イメージの波に翻弄されてしまった第1部。第2部は桜庭さんの「物語をかたるひと」としての決意表明のようなもの、と、受けとめたい。
直木賞受賞の『私の男』と対になる小説であると同時に、直木賞受賞に対する決意表明でもあると思います。 それゆえのすごさに、今後の作品を期待してしまいますが、その点においても好みは分かれるかもしれないと思いますね…。 ともかく圧倒されるすごさのある作品でした。
『NANA』のナナが言った「子育って洗脳だよね。」みたいな台詞を思い出した。どんなに一般的な常識の範囲から外れた親であっても、子どもにとっては親っていうだけで絶対的な存在なのかもしれない。コマコにはどうか負の連鎖を断ち切ってほしい。同じことを繰り返さないで。ラストの感じからは、なんとなく大丈夫そうな気がするけど…。第一部で痛々しい雰囲気に飲み込まれそうになった時に癒してくれた落語研究会の男の子と、思わぬところで再会できたのが嬉しかった。
とにかく一部がスゴい!二部は中盤の弛みが気になったけど着地は見事です。 桜庭さんは多様性のある作家ですが、どの方向に行こうとしているのかイマイチ掴めませんでした。 しかし、この作品で揺るぎない桜庭ワールドが確立されたような気がします。
母マコの影として生きる娘コマコ。それは、聞き手がいるからこそ存在を許される語り手との関係を象徴している。コマコは母の名で小説を書き始める。それは、読み手の影として自分自身が存在し得る手段としてだ。桜庭一樹は、血族というこれまでのテーマを継承しながらも、その先の地平へ挑んでいる。これは、直木賞受賞を受けての、作家としての所信表明であり、次なるステージへ向かう決意表明のようにも見える。なんのために物語を書くのか、その真摯な問い掛けに対して、最後にコマコが導き出す誠実な答えに胸が熱くなる。傑作!
物語を愛し物語に愛されている作家だからこそ書ける圧倒的な力を持った物語がここにありました。随所で上手さを感じたけれどラストも良かった。あぁ~やっぱりこれは母と娘の物語なんだ。読んでみて桜庭さんの渾身の力を受け取ったようで非常に満足。とても大好きな本になりそうです。

















































マコの子だからコマコ…。犬のコロの子はココロで孫はマゴコロとの昔聞いた洒落を思い出す。マゴマコはさすがに名前として成立は困難か。