viola
「わたしを離さないで」というタイトルが何を意味しているのか。イメージとは違ったけれど・・・・もの哀しいストーリー。カズオ・イシグロの傑作です。これは「古典」として是非残っていただきたいです。 そして、読書メーターの方のコメントはちゃんとネタバレが一切ないのが本当にいいですねー。詳しくは近いうちにブログに載せます。

わたしを離さないで
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
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- 01/01
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ナイスした読書家さんと感想
カズオ・イシグロの代表作ということでずっと読みたかった作品。介護人」「保護官」などの言葉に違和感を覚えつつ学校のようなヘールシャムで淡々と綴られる主人公達の日々。読んでいくとヘールシャムとは何か、なぜ彼らが存在するのかといった驚くべき事実が明らかになる。淡々とした文章の中に悲しみが伝わってきて、ラストの主人公の嘆きがせつない。
隠されていた真実を前もって知っていたため、保護員の言葉の裏に隠れていたりするものをなるほどと思いながら読んだ。特に第一部の閉ざされた学園内での教師と生徒、生徒と生徒など関わり合いの描写が良い。 カセットテープを2人で探すくだりはとても好き。あとキャシーが枕を抱きながら曲に合わせて踊るところも好き。それに対するマダムの解釈はなんだか泣けてしまった。 そして最後のノーフォークにも涙が出る。最後に持ってくるとは…
NHkの特集での、ショッキングな映像が目に焼き付いていましたが、原作には出てきませんでした。予備知識0で読みたかった。本書は感情を抑えた、ひたすら静かな物語でした。隔絶された施設での、子供時代からの事柄が淡々と綴られます。中盤から物語は動き始め、ラストはひたすら哀しい。最後から2ページ目と冒頭の1ページ目は重要です。語られている事柄は恐ろしい筈なのに、登場人物達がそれを受け入れているので嫌悪なく読めます。情景が目に浮かび、心に深く残る作品です。訳が本当に素晴らしく、老若男女全てにオススメです。
これは「失われてゆくものの物語」。この物語が描く「失われるもの」とは何か。本当に様々な解釈で読む事ができるのです。私たちが人生で触れるものは、観念的事柄であれ、具体的事物であれ、全て、ひとつ残らず、失われてゆきます。だからこそ美しい、と思う人もいるでしょう。愛おしさ、あるいはやりきれなさを、そのものによっては不安、恐怖を抱く人も…。それがそのまま、この本の読後感となります。読み手によって、また、人生の折々で読み返す度にも、まるで違う物語となり得る素晴しい小説。緻密な筆致、隙のない構成も見事です。
淡々と語られ、時々意味不明で、普通だったら退屈して止めてしまうのにそれが出来なかった。そこに語られていることの意味が分かった時の哀しさ。静かな静かな、お話でした。しかし…「ありえない」とすべてを否定することができないほどのこのリアリティ(というのでしょうか)はなんなの?
本当にカズオ・イシグロはすごい作家だなぁ。日本と英国の良さを兼ね備えている。ところで、これは全く現実にはありえない話である。にもかかわらず、登場人物の繊細でリアリティあふれる情感の描写には圧倒される。身を切られるほどの理不尽な運命を強いられる人々。どこかに希望の突破口があると信じてそれを乗り越えようとする二人。しかし、運命は・・・・。本筋とは違うけれど、どのような状況で生み出されようと命は命。命に優劣は全くない。誰かのために、水面下で悲しい涙を流す人がない未来であってほしいと思う。
淡々とした語り口で描いた哀しい作品。主人公の孤独感が切ない。子供の頃からの仲間との思い出は、それがけんかであっても美しく昇華するのですね。
カセットテープが小道具として使われていますが、「カセットテープって何?」と言われる時代まで残る作品だと思います。




















