poefan
「デューク」はもちろんだが、粒揃いの短篇たちがいた。「桃子」「鬼ババア」「スイート・ラバーズ」「青い空の下に」がある一方で「朱塗りの三段重」「子供たちの晩餐」があり、しんみりとばかりしていられなくなる。とてもいい掌篇集だ。

つめたいよるに (新潮文庫)
ナイス! ★★★★★★ -
コメント(0)
- 12/18
Tweet
share
ナイスした読書家さんと感想
再読。大好きな一冊。こんなにするすると読めて、しかもどれもたまらなく素直で柔らかく鮮やかな短編集にはなかなか出会えないと思う。無邪気だけど正直な子供、繊細な妙齢女子、ややこしい事態に陥っている女たち、長い時を経た老人たち、愛、死・・・何がどう解決するわけでもない、けれど、話の終わりで、ああいいなぁ、と思ってしまう。たった数ページであっても、そういう力が江國さんの文章にはあると思う。スイートラバーズ、いつか、防衛庁辺りがお気に入り。 本には優しくないですが、江國作品はお風呂で読みたくなるのは私だけかな。
色々な作品があって、どれもいい話だったけど、特に「スイート・ラバーズ」「晴れた空の下で」が好きだった。若い時のような情熱的な恋ではないが、十数年経ってもそこには確かな恋心があって。切ない、でも温かい。言葉の1つ1つが、体の隅々まで、優しく素直に入っていく感じがした。
不思議で、切なくて、けれどもどこか愛しい。どれも魅力的な作品ばかりで、じわりと胸に広がる優しさがある。「晴れた空の下で」は先が読めていたのにも関わらず泣きたくなってしまった。死を哀しくもこれほど温かく描ける江國作品に魅了されつつある今日この頃。









