satooko
双子素数(11と13、17と19)の天才的数学的頭脳をもちながら双子の妹を置き去りにしたトラウマから自傷を繰り返す少年と、スキー事故で片足を引きずる拒食症の少女。誰よりも近いけれども、けっして隣り合うことはない二人。陳腐なラストではなく、意外にも思える一貫した幕引きに好感。イタリアの物理学者の処女作。

素数たちの孤独(ハヤカワepiブック・プラネット)
ナイス! ★★★ -
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- 12/06
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ナイスした読書家さんと感想
隣り合っているのに、決して交わることのないもの。それは素数であり、親友であり、恋人であり、家族である。心に傷を負ったマッツィアとアリーチェ。2人の恋愛模様を軸に読むと物足りないのだが、それはきっと作者の意図しているものではない。ヴィオラのパーティーで2人が手を繋いで現れたシーン、その、2人で1人であるかのような姿が目に浮かぶ。映画版で最も観たい場面。ラストは決して明るいものではないが、一筋の希望の光が2人をそれぞれに照らすかのようで、美しく、優しい。それにしても、数字って小説のモチーフとして優秀だなあ。
予定よりも1日早く読み終えることができたのは、ひとえに素粒子物理学を専攻し博士課程に在学中のイタリア人作家による筆致のおかげだろう。アリーチェとマッティアの関係はまさに双子素数。人だったり時間だったり、はたまた自分の影だったりする偶数を介して均衡を保ったり崩れたりする微妙な関係。彼らが抱える孤独に触れ、切なくもどかしい気持ちにさせられますが、徹頭徹尾ブレのない物語に圧倒されました。





