ナイスした読書家さんと感想
大人になってから、素晴らしい少年向きの小説読んでハッとさせられる事が最近多い。その中でもこの本は、自然やファンタジーなど取り混ぜた透明度の高い世界観が、今を生きる僕らが忘れている事をそっと差し出してくれてる。押しつけがましさが無いところや、想像の余地を残してるストーリーに、こういう本を読んで好きになれる少年でありたかった、思わせる。
今回初めて読んだのだけど、南の島の太陽や潮の匂いに既読感を覚えました。子ども頃、このような日焼けの匂いのする健康的なお話をたくさん読んだからでしょうか。いえ、既読感なのではなく、既視感なのかも。むかしむかしに、ティオたちに会ったことがあるかもしれません。この本を読むまで、すっかり忘れていたけれど。
児童文学として子供だけに読ませておくのは勿体無い。一方、大人のための上質な癒し、みたいなタグを付けて本棚に放り込んでおくのも同じように勿体無い。何かこう、幻想の中で生の本質的な部分に鋭く触れられているような気がして、おののく。
豊かな自然と人間味あふれる常夏の島に暮らすティオ。自然の美しさ・偉大さ・不思議さと、自然と人間の共生の素晴らしさを感じました。注意深く読むと、ティオの成長とともにこの南の島の生活も少しずつ変わっていく様子がわかります。
僕が関わっていたのはまさにこんな地域で、そりゃもちろん紛争の傷跡生々しいのだけれど、それでも人々の心のどこかにはティオたちと同じあたたかい海のような精神が息づいていた。たとえばせっかく豊作で収入が増えたくせに貯金もせずその晩のお祭り騒ぎですっからかんにしてしまうのも、実は神さまにお礼とお祈りを捧げているからなのかも。そして凶作のときに僕たちは異常気象だと嘆くけど、彼らは「神さまが怒った」と平気でいう。こんなとき、僕はどっちが正しいのかわからなくなる。だって事実を知ることと安心することは全然違うことなのだ。
南の島の少年ティオの日々の記録幻想風味。 南の島のゆったりと流れる時間が溶けだした空気で、めいっぱい深呼吸したような、生き返る感じ。
文章がキレイだった。『つむじ風食堂の夜』に通じるものがある。池澤夏樹さんは、失礼な話、星野道夫さんと仲良しだった人、エッセイ書く人、みたいな印象しかなかったけれど、この本を読んで、今更ながらに、作家・池澤夏樹、の素晴らしさを認識させてもらった感じ。好きな作家さんのひとりになりそうです。
行ったことのない場所、あったことのない人たちなのに、何だかなつかしいような気持ちになる。昔(もしかしたら生まれる前に)私はこの人たちと親しくお付き合いしていたのではないか、と思えるような人たちの、少し不思議で名残惜しいような物語でした。
本当に心に染み入る素敵な物語。どの作品も幻想的な美しさがあり、それでいてとても力強い。この先も、何度も何度も読み続けていくであろう宝物です♪


ナイス!

















『グラスホッパー』へのナイスありがとうございます!ナイス返し、というと変な感じなのですが素敵な本を発見したのでナイス押させてもらいました。旅を感じさせてくれる本が好きなので、ぜひ読んで雰囲気を味わってみたいと思います。未読の作家さんなので楽しみです。素敵な出会いをありがとうございます。