clambon
「生姜焼き」にこれほど心を揺さぶられた経験は初めてだった・・・。しかし、これが「ホラー」だというのは、それだけ我々人間の側の自覚が足りないことだよね・・・

トンコ (角川ホラー文庫)
ナイス! ★★★★★★★ -
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- 11/24
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ナイスした読書家さんと感想
「トンコ」は純文学や児童文学と言っても差し支えないかもしれません。。。絵本にしてもいいかもしれません。。。でも、この作品はホラーです(汗 他2編も興味深い作品でした。
ただのホラーではありません。泣けて仕方なかった。ジャーキーの空き袋を見ると無性に悲しくなる。「ゾンビ団地」「黙契」も秀逸。夜中に読破しましたが、何だか眠れなくなっちゃいました。ご用心!
優しい養豚場のオジさんも、けっしてトンコの仲間ではなく、あくまで「殺す側」の人間なんだなぁ。家畜という存在の悲しさ・刹那さ・寂しさを想像すると、この世の中がちょっと違った角度から見えてくる。そして思いもしなかった残酷さにぶち当たる。生きること、殺すこと、食べること…なんだかいろんなことを考えさせられ、単に「怖い」という感情だけではくくれなくなる不思議なホラー小説。
表現が生々しく、うっとなるところもありますが、ホラーだけでは括りきれない作品でした。どの主人公にも哀しみを感じる。行き所のない感情、哀しい結末。「あちん」も読んでみようと思います。
横転したトラックから脱走した食肉用ブタのトンコ。森の中、街の中を兄妹の匂いを追いながら彷徨う。人間に見つからないか、酷いことをされないか、心配しながら読み進める。豚を喰う人間なのに。豚舎の従業員たちの目線は優しいが、トンコの運命は決まっていた(涙)。「ぞんび団地」はすごい。映像で観てみたい気がする。これは、ハッピーエンドだよね。ラストの「黙契」。自殺した妹と残され苦悩する兄の視点が交互に描かれる。最後、あやうく涙が出そうになった。3編とも違った雰囲気でそれぞれ楽しめました。
不覚にも涙。トンコがお弁当やら餌やらに兄弟を見つけていとおしむ様が悲しくて…。でも夕食に豚キムチ鍋をおいしくいただける私の心持ちの方がホラー。
懸命に逃げる食用豚や愛を求める人々、一方では肉として加工された料理やぞんび、腐敗し続ける首吊り死体と、生と死が歪な形でダイレクトにつながっていることに驚かされる。生姜焼き弁当やホイコーローに「仲間」意識を見出して、町を彷徨する豚の姿などもう涙ものです。生と死に満ちた戯画として素晴らしい傑作。










