ko1
兄弟思いの脱走豚トンコ。リンゴをたくさんあげたい。

トンコ (角川ホラー文庫)
ナイス! ★★★★★★★★★★★ -
コメント(0)
- 11/06
Tweet
share
ナイスした読書家さんと感想
「トンコ」は純文学や児童文学と言っても差し支えないかもしれません。。。絵本にしてもいいかもしれません。。。でも、この作品はホラーです(汗 他2編も興味深い作品でした。
表題作の「トンコ」はどう捉えるかでだいぶ印象が変わると思われます。選評にあった“擬豚化”というのが良い表現かも(笑) 残る2偏は趣こそ変わるが、どちらも描写がグロいため、かなり読み手を選びそう。「ぞんび団地」は語り部である“あっちゃん”が何なのか最後まで描かれず。予想はできるものの、成長しちゃうもんなぁ。「黙契」は物語としては好みなのに、描写がグロすぎてつらい。ラストは美しい兄妹愛となるオチなのに・・・映像を想像すると怖すぎる(^^; 悪くは無いのですが、次は好んで読んでみようとは思えないです。
表題作『トンコ』は豚目線で考えればホラーなんやろな。人間達はヒステリックで滑稽。自分の中では豚=映画『ベイブ』やから子豚をイメージしてもうたけど、百キロ強の豚が目の前におったら確かに怖い。 『ぞんび団地』が1番好き。あっちゃんが健気でセツナイ。読んでると漫画チックなゾンビを想像してしまう。特にゾンビになる方法を探ってる時のゴンが最高。それにアイツを放置しなかったのも良かった。 『黙契』は他の2作に比べると普通のホラーかな?でもゾッとする怖さは無い。
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
コメント(0)
- 05/09
第15回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作である表題作品,他「ぞんび団地」「黙契」を含んだ本。この「トンコ」をホラーじゃないと言う者もあるが、ただ怖けりゃ良いのかというのが僕の意見。一部のマンガや映画にも見られるが、怖さを引き出すために余りにもグロテスクで不快な表現のホラーを敬遠気味になっていたところだった。しかしこの「トンコ」は、ブタの家族愛と対照に、逆に人間の持つ怖さというものを切ないほどに哀しく歌い上げた物語。他の作品とともに人間の愛情というものを際立たせる、雀野さんの秀逸な文章表現に、賞賛を送りたい。
いやー、トンコはズルい。後からジワジワきた。ぞんび団地を読んで幸せな気持ちになりました。3作とも同じ人が書いたの?と思うくらい雰囲気がガラッと変わりますが、黙契が好みでした。才能あるわ、雀野さん。
どれも怖いというよりも悲しい。トンコに出てくる通りすがりの言葉のどれもが自分の発したもののように感じる。恐ろしく感じたのはトンコが通り過ぎていくのに対する人間の反応が、そこに自分がいたら同じようなことをしたりいったりするのではないかというところ。自分の内面の浅さを再認識させられる点でホラーであった。表題作以外の二作もとてもおもしろかった。
怖さはないけれど、気がつかなかったもの、気がつかないことへ訴えてくるものがあります。 どの話も悲しい、切ないんだけど…「トンコ」は特にすごいかも。
横転したトラックから脱走した食肉用ブタのトンコ。森の中、街の中を兄妹の匂いを追いながら彷徨う。人間に見つからないか、酷いことをされないか、心配しながら読み進める。豚を喰う人間なのに。豚舎の従業員たちの目線は優しいが、トンコの運命は決まっていた(涙)。「ぞんび団地」はすごい。映像で観てみたい気がする。これは、ハッピーエンドだよね。ラストの「黙契」。自殺した妹と残され苦悩する兄の視点が交互に描かれる。最後、あやうく涙が出そうになった。3編とも違った雰囲気でそれぞれ楽しめました。
ただのホラーではありません。泣けて仕方なかった。ジャーキーの空き袋を見ると無性に悲しくなる。「ゾンビ団地」「黙契」も秀逸。夜中に読破しましたが、何だか眠れなくなっちゃいました。ご用心!
どこがホラー?と言わずにはいられない。「いい話」にまとまっていはいるけれど。でも私はこの豚に同情したりできないな。食べ物は大事にしよう、くらいは感じたけれども。一番深そうな「黙契」。妹はどうして死んだのでしょう??なんだかよく理解できないままで終わってしまって残念です。
表現が生々しく、うっとなるところもありますが、ホラーだけでは括りきれない作品でした。どの主人公にも哀しみを感じる。行き所のない感情、哀しい結末。「あちん」も読んでみようと思います。












