PUNPUN
双子の妹に対しておかしてしまった過ちで心に深い傷を負ったマッティァと、父親に無理に習わされていたスキーで大怪我をし心身ともに後遺症が残ったアリーチェの出会いと成長に伴い、二人の立場から交互に書かれた物語。
天才的に数学の才能があるマッティァが惹かれる双子素数という概念が、物語の核になり、題にもなっています。孤独な二人がどのように成長していくか見守りたい気持ちで、読み進めました。
双子素数という概念でとらえる人間関係と、天才的な数学者としての才能を持つマッティァが非常に魅力的でした。

素数たちの孤独(ハヤカワepiブック・プラネット)
ナイス! ★★★ -
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- 10/17
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ナイスした読書家さんと感想
隣り合っているのに、決して交わることのないもの。それは素数であり、親友であり、恋人であり、家族である。心に傷を負ったマッツィアとアリーチェ。2人の恋愛模様を軸に読むと物足りないのだが、それはきっと作者の意図しているものではない。ヴィオラのパーティーで2人が手を繋いで現れたシーン、その、2人で1人であるかのような姿が目に浮かぶ。映画版で最も観たい場面。ラストは決して明るいものではないが、一筋の希望の光が2人をそれぞれに照らすかのようで、美しく、優しい。それにしても、数字って小説のモチーフとして優秀だなあ。
主人公が抱えることになった幼少期の罪意識が胸に響きます。このようなことがなくとも、幼少期、思春期に感じる、自分を取り巻くものとの距離、違和感は、大人になっても消えることがない、と体験的に思います。その齟齬を丁寧に描いている点に共感があります。物語の着地もとても自然なものでした。自分の中ではこの物語を「記憶の物語」として位置づけています。
予定よりも1日早く読み終えることができたのは、ひとえに素粒子物理学を専攻し博士課程に在学中のイタリア人作家による筆致のおかげだろう。アリーチェとマッティアの関係はまさに双子素数。人だったり時間だったり、はたまた自分の影だったりする偶数を介して均衡を保ったり崩れたりする微妙な関係。彼らが抱える孤独に触れ、切なくもどかしい気持ちにさせられますが、徹頭徹尾ブレのない物語に圧倒されました。





