Skywriter
圧倒的なリアリティで、ソヴィエトと東欧圏の人々が辿らざるを得なかった苦難の道を描ききった傑作小説。自身が体験したことがベースにあるため、そのリアリティは特筆もの。ソヴィエトの暗い時代を知識としてでも知っていればより感動が深まるのは間違いないだろうが、知らなくても十分その深さを感じ取れると思う。

オリガ・モリソヴナの反語法 (集英社文庫)
ナイス! ★★★★★★ -
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- 10/18
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ナイスした読書家さんと感想
【後日追記】米原さんが通学したチェコのプラハにあったソ連学校と、実在したオリガ・モリソヴナ先生を中心としたフィクションではあるが、極めて精緻に調査を行っていてノンフィクション以上にソ連の3時代(スターリン恐怖政治、第二次大戦、共産党独裁から崩壊後の現代)の様子がわかる。その時の同級生であったカーチャと「オリガ・モリソヴナ先生」の過去の謎を解き明かしていく。これは極めて上質なミステリである。タイトルはオリガ先生がいつも生徒を叱るときの反語からつけられている。もう米原さんの著作は読めないと思うと本当に悲しい。
ただただ圧倒されました。歴史背景を知っていたらきっともっと衝撃を受けたかと思います。鏡に囲まれて踊るオリガ、エレオノーラの”ありがとう”そして告白。胸に灼きつくシーンが多く、恐ろしく、悲しく、痛い。オリガの反語は、当時の人々の力強い息遣いそのものだと感じました。社会主義とは?資本主義とは?ソ連とは?そして自国の日本は?国とは?等、読了後は暫しぼうっとしてしまい、それらについて考えさせられました。
当時のソビエトは大国だったし、それなりにお金は持っていたはず。それなのに描かれていることは、決して幸せな暮らしではありません。この時代は世界中が似たようなものだったのかも知れませんが、平和で幸せが生活というのが、どれだけ貴重なものなのか考えさせられます。ただオリガも、他の登場人物達も幸せとは言えないまでも、誰かに支配されるばかりではない、自分の人生を生き抜いたのが分かります。暗い時代のお話ですが、読後感はすっきりして、勇気も与えられたような気がします。
主人公が当時過ごしたチェコの学生時代にいた強烈なキャラクターの先生の足跡をたどる中で、スターリン時代の恐怖政治の実態も浮き上がってくる構成。強烈な先生の半生に関する謎が解かれて行く過程では、本当にこれ小説?という印象でとてもリアルな感じです。悲惨な時代です。。








