ジジ
『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』(角川文庫)が面白かったので。米原さんのエッセイを読むといつも、なんと豊かな少女時代を過ごしたのだろうと羨ましくなっちゃいます。その体験をふんだんにちりばめた少女時代の回想と、資料から読み解く過去の事実とから織りなされる二人の女性のドラマチックな人生。心痛いシーンもあり、国家とは、社会とは、教育とは、などむつかしいテーマについても考えさせられますが、ともかくイキで潔くてカッコイイオリガ・モリソヴナに惹かれてどんどんページが進みました。

オリガ・モリソヴナの反語法 (集英社文庫)
ナイス! ★★★★★ -
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- 07/21
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ナイスした読書家さんと感想
【後日追記】米原さんが通学したチェコのプラハにあったソ連学校と、実在したオリガ・モリソヴナ先生を中心としたフィクションではあるが、極めて精緻に調査を行っていてノンフィクション以上にソ連の3時代(スターリン恐怖政治、第二次大戦、共産党独裁から崩壊後の現代)の様子がわかる。その時の同級生であったカーチャと「オリガ・モリソヴナ先生」の過去の謎を解き明かしていく。これは極めて上質なミステリである。タイトルはオリガ先生がいつも生徒を叱るときの反語からつけられている。もう米原さんの著作は読めないと思うと本当に悲しい。
主人公が当時過ごしたチェコの学生時代にいた強烈なキャラクターの先生の足跡をたどる中で、スターリン時代の恐怖政治の実態も浮き上がってくる構成。強烈な先生の半生に関する謎が解かれて行く過程では、本当にこれ小説?という印象でとてもリアルな感じです。悲惨な時代です。。
☆ いい本でした。フィクションではありますが、著者自身の経験や、たくさんの資料をもとに書かれた話で、「生きている人間」をそこに感じました。「ソビエト連邦」の中で、体制が変わるたびに翻弄される市民。そんな中でしたたかに生きていく人々の姿。「謎」がひとつひとつ解き明かされていくわくわく感。知らなかったことを知る驚き。人間の弱さ、強さ、優しさ。読み終えた時の爽快感。読書の愉しさを大いに味わうことができました。池澤夏樹氏の対談も興味深かったです。(対談の中にある、男の子3人の物語を読みたかった…)
読み始めると先が気になって気になってたまらない。実在する人物を基にしたフィクションだが、著者が小学生時代に出会った舞踏を教えたオリガ先生から、ここまで壮大で深い話を生み出したのは、著者の力量と今は無き大国ソ連の光と影のなせる業だろう。エレオノーラ、ミハイロフスキーが切ない。






