ナイスした読書家さんと感想
★★★★★ 10 傑作。ひとつの国に二つの勢力があり、読み続けると、そのどちらも敵ではないということがわかる。それぞれには重い背景があって、とくに薫衣はこれだけ鳳穐にひどい仕打ちを受けたのに、旺廈の王としての誇りを失わなかったのには心にくるものがあった。最後の薫衣の決断は翠の国を思うと正しかったかもしれないが、私は悲しかった。もっと続いてくればいいのにと思ったりした。でも傑作であることにはかわりはしない。
途中、薫衣の立場がつらくて、なかなか読み進められなかった。味方からも敵からも、大勢の人に理解されず、貶められる過酷な立場。でも、傍らには、共に王の道を歩む同志がいて、そして、稲積という薫衣本人を見て愛してくれる存在がいた。決して孤独ではなかった。だからこそ、最後まで王として責務を全うできたのかな。意志を貫いた薫衣の生き方はかっこよく清々さえ感じた。
時代設定は、日本で言えば江戸時代に当たるのだろうか。ある島国をめぐって戦い続けてきた二つの王国。そのしがらみを絶ち平和な世をつくるために、両家の領主が協力し合うまでの物語。理想を実現するため想像を絶する苦難に立ち向かうというサスペンスと壮大なアクション物語。圧巻のストーリー展開と、読後のさわやかな余韻を楽しめる小説。
一つの国へ統べるということは、こんなにも難しいことなのかと思い知らされる。先の先まで見据えて、自分たちの成し遂げようとしていることを見失わず、思い描く理想へと進む姿を見ました。二人の王の精神力は並大抵のものではなかったと思う。読んでいると、どちらの立場の思いもわかるんです。それが複雑に絡み合い、ときには迷うこともあるけれど、それでも信頼関係を崩さずにゆく。だから余計に胸が締め付けられる場面が何度もあったのかもしれない。良い作品でした。
重厚で読み応えのある、ずっしりとした歴史ファンタジー。読んで良かったです。鳳穐と旺廈、憎しみ合う2つの一族の憎しみの連載を断とうとする2人の王の苦労と努力。国と民を思う2人の王の生き方が素晴らしかったです。誰にも理解されなくても、蔑まれても、憎まれても、王として「なすべきことをなす」為に仇の中で生きる薫衣の辛い生き方が切なく、胸が苦しくなりました。誇りをもっている薫衣はとても格好良いです。薫衣を愛する稲積がいて本当に良かった。稲積の薫衣を引き止める言葉が胸に響きました。
表紙がラノベっぽい雰囲気だったんで軽めのファンタジーだと思ってたら、思いのほか重い展開でびっくり。辛い立場や誘惑に耐えてる2人の主人公が、痛々しく、切ない。
小説では得てしてご都合主義になってしまう政治的な部分を、すごくシビアに、でも納得のいく理想の結末へもっていっていて感服しました。
架空の国を舞台にした歴史物語、かなり読み応えがあります。歴史が変わるとき、それまでの遺恨を捨て戦いを終わらせる、そのなんて険しい道のり。大きく先を見据えながら、それまでとまったく違う意見を持ち、それを実行に移す困難と辛さ。夫婦愛にもぐっときたけど、子供たちが血を超えて互いを思う心を見たときが一番ほっとしました。
名前の読みが難しくて、世界に入るのに四苦八苦しましたが・・・入り込んでしまったらあとはもう怒濤!心理描写に引き込まれて、場面場面で語られる人物のひとりひとりに共感する。とくに薫衣と稲積の夫婦愛に感動
書評が高いので買ってみた。これはよいお話。歴史ファンタジーとしても楽しめるし、薫衣を引き留める稲積にぐっとくる。
二人の頭領がどのようにして(どのような気持ちで)争いを終らせることを決断したかが読み応えありました。捕らわれの身の王と一国を統べる王。それぞれの立場の違い、行いと苦悩。★★★★☆4
これは!と思える作品。長く敵対する2つの王族、鳳穐と旺廈。国の為に憎しみを越え、2人の頭領穭(ひづち)と薫衣(くのえ)の困難な道を描いた作品。宗教ではない、生きていく為の教え、頭ではわかっていてもなかなか乗り越えられない憎しみ、衝動と忍耐、そして静と動の夫婦愛。ファンタジーを読んだというより、ひとつの歴史を読んだような充実感。(なんか微妙に日本史を連想しいろいろ想像・・)「十二国記」好きには絶対オススメ。惜しむらくは表紙。もっと大人が手にとれるデザインで文庫化希望。(図書館本)
図書館本。こんなに夢中になって読んだのはいつ以来だろう。今年読んだ本の中でも随一。読んでいる間、間違いなく彼らと一緒に生きていると感じた。困難なことから逃げないで生きることの意味に戦慄する。それにしても、「明日はやらなきゃいけないことがあるからもう寝ないと」という状況で夜更かしして追う物語はどうしてこんなに面白いのか…。やばい。
★★★★★すごく面白かった。さすがに登場人物の名前読みは苦労したけど、あえてこの物語の世界観を損なわない為の工夫だとしたら徹底してますね。久々唸りました。


ナイス!

























読書メーターで知った本。あらすじは、あまり書かないけど、ネタばれ防止のため、あらすじっぽくなってしまった。最後を書くわけにはいかないからね。表紙は、これはこれでいいのでは。表紙の子どもは、鶲(ひたき)か、未来の子どもを想像。
こんにちは。私もこの表紙には未来の子どもを想像しました。確かにこのライトさはミスマッチですが、読み終えた後は、豊かに茂る丘の上で穭と薫衣の子孫達がこうして穏やかに風を感じられるような時代がきっと来るんだろうと信じられる表紙だと思います。
ゆりっぺさん、こんにちは。コメントありがとうございます。表紙への非難が多くて、悲しくなります。これはこれで、ありだと思うから。将来の翠の繁栄と平和を信じさせてくれる、まさに「知っている」世の中を表現してるのでしょう。