ナイスした読書家さんと感想
今回初めて読んだのだけど、南の島の太陽や潮の匂いに既読感を覚えました。子ども頃、このような日焼けの匂いのする健康的なお話をたくさん読んだからでしょうか。いえ、既読感なのではなく、既視感なのかも。むかしむかしに、ティオたちに会ったことがあるかもしれません。この本を読むまで、すっかり忘れていたけれど。
豊かな自然と人間味あふれる常夏の島に暮らすティオ。自然の美しさ・偉大さ・不思議さと、自然と人間の共生の素晴らしさを感じました。注意深く読むと、ティオの成長とともにこの南の島の生活も少しずつ変わっていく様子がわかります。
僕が関わっていたのはまさにこんな地域で、そりゃもちろん紛争の傷跡生々しいのだけれど、それでも人々の心のどこかにはティオたちと同じあたたかい海のような精神が息づいていた。たとえばせっかく豊作で収入が増えたくせに貯金もせずその晩のお祭り騒ぎですっからかんにしてしまうのも、実は神さまにお礼とお祈りを捧げているからなのかも。そして凶作のときに僕たちは異常気象だと嘆くけど、彼らは「神さまが怒った」と平気でいう。こんなとき、僕はどっちが正しいのかわからなくなる。だって事実を知ることと安心することは全然違うことなのだ。
気分転換に日帰りの小旅行に出かけてきたみたいな読後感。ティオの目を通してみた島での出来事が10篇にまとめられて、その1つ1つが共鳴し合い、心地よいハーモニーを創り出しています。ちょっと不思議な出来事もありのままに受け止められるのは、人と自然の距離が都会でくらす私よりもずっと近いせいでしょうか。池澤夏樹さんの文章と世界観はほんとに素敵です。手元において何度も読み返したい一冊。
本当に心に染み入る素敵な物語。どの作品も幻想的な美しさがあり、それでいてとても力強い。この先も、何度も何度も読み続けていくであろう宝物です♪


ナイス!











ペミカンです。ぱせりさんのこの本のレビューページにコメント書いたのですが、なぜか書き込まれません。(26日午後3時45分現在) たいした文じゃないですけど・・。素敵な紹介に感激しております~。
ペミカンさん、ありがとうございます。ペミカンさんの感想を見て、初池澤さんはこの本にしよう!と思ったのでした。
左脳と申します。ナイス投票ありがとうございました。パセリさんのおっしゃる「名残惜しい」という感じ、 よく分かります。 「名残惜しい」ということは「失われていく」あるいは「過ぎ去っていく」ということ。 ティオは、我々の中にある「少年性」の一部を象徴化したキャラクターです。 少年ティオはこの物語を通して成長し、その黄金時代を思い出として丁寧に結晶化しながら青年になっていきます。 ということは、ティオがいきいきと躍動している日常の神話は、 やがて失われる宿命にあります。 それは、我々が通っ
左脳さん、コメントありがとうございます。思いつきだけで書いた感想ですが、左脳さんが丁寧に書いてくださったおかげで、いろいろなことがわかってきたような気がします。ティオもティオの住む世界も、どこか遠くにあるのではなくて、わたしたちの心の中に(もしかしたら記憶の中?)にあるのですね。どこにあるかわからない理想郷ではないのがうれしいです。