あさこ
一気読み。想像してない方向に話が転がっていきそしてきちんと着地するのがすごい。アルコール依存の様子がきちんと言語化されていてすごい。病院実習思い出した(笑)平易なことばで疾走感を保ちつつ最後まで読ませる。しかもばかだけど愛おしい話だなんて。

ばかもの
ナイス! ★★★★★★★ -
コメント(0)
- 04/05
Tweet
share
ナイスした読書家さんと感想
どこにでもいそうなダメ男の物語。男は弱い動物なので、年上の女に甘えたいのかなぁ……などと読みながら考えた。言葉遣いも態度も乱暴だった額子が丸くなったのは歳のせいなのか身体のせいなのか。大人になってからも成長するのが人間なのだ、とも考えさせられた。
作者なりの人間賛歌。人生の応援歌のような作品だった。この小説の主人公のように酒に溺れ周りを苦しませる相当なダメ男でも、それでも、再生するチャンスは与えられる。冷たいようでいてなんだか優しい。いろんな苦労をしてきたであろう絲山さんの人間的な深さが書かせた良作だと思った。
途中まで今作は自分には合わないかも?と読み進めていたけれど中盤でガラリとその印象が変わった。淡々と生きたいだけて部分でガツンとやられる。傍からみれば淡々と生きているようにみえるひとでも実際はわからないし生きていれば心が波立つことがないわけがない。わたしも淡々と生きることに憧れを抱くけどそんな風に生きていけるわけがないんだ、と。淡々とはいかなかった年月が積み重なったラストのばかものに泣けた。
数点読んだ絲山作品の中でも、これは好きな方だ。上位。冒頭の男女関係が凄まじかったのが、功を奏しているのではないだろうか。ラスト、木登りしたふたりにはどんな景色が広がっていたのだろうか。お似合いだよ、ふたり。
最初のエロ場面で駄目か・・と思いつつ、そして駄目男小説も苦手なので駄目か・・と更に思いつつ読み進め・・・。ところが途中から加速するように良くなってきました。そして冒頭の意味もまた後半できいてきて。ただのアル中駄目男物語として読むとそれだけなんだけど、愛せるんです胸に受け止めたくなるのです、ここに出てくる普通のどちらかといえば愚かな人を。暗中模索で光の見えてくるその見え方が美しくそして何より愛があると思いました。これって形の変わった『海の仙人』だと思いました。
「だって、友達だけだよ。一緒にいられなくても信じてあげられるのって」(p157)ばかでも、弱くても、心底人というものを嫌いになることなんてきっと、できやしない。









