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地獄に堕ちて、鬼蜘蛛となった元・花魁が地獄番として、地獄の様子を日誌に書き綴る。目の前に広がるのはまさしく地獄絵図。裁きを受けているのは、鬼か亡者か。地獄の血生臭さが、空の下の穏やかさによって、より強調されている。鬼蜘蛛の廓言葉もテンポよく、面白かった。真の救いとは何か。新しい地獄観(地獄の世界観?)だった。

地獄番 鬼蜘蛛日誌
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- 03/12
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ナイスした読書家さんと感想
怨む相手を鬼になって待ち続ける。怨まれる亡者は地獄の責めを受け続ける。いつまでも続く負の連鎖。一人の女性がその連鎖の中己の事や周りの事を見続け、考えて行く。そうなる為の物語なんだなあ、そうなって良かった、と思うけど、蜘蛛が苦手な自分は姿を想像してしまう描写が、なんとも。
現代版の芥川龍之介「蜘蛛の糸」。現代版だから、蜘蛛の糸が垂れて来るのを大人しく待っているなんて事はしない。母を恨み、神仏すら恨み、野垂れ死んだ元花魁は、閻魔相手に啖呵を切り、鬼蜘蛛と化す。怨み怨まれ、飽く事無く報復を続ける地獄の日々が見せつける、業深き人間の哀しさ…。彼女が真に救われる日は訪れるのか?念のため、本作はホラーでは無い。カテゴリ不明。母と娘の葛藤を描いている様にも、一人の女性の成長記(成仏記?)の様にも読み取れる。テビュー作なので、かなり荒っぽいが、切なさと爽快感双方を楽しめる作品である。
悪いことをすると地獄に堕ちるよと幼い時に言われたことがある。宗教云々ではなく、その教えは大人になった今でもどこかしらで覚えている。それは死後に何があるのかが分からない畏怖からくるものだろう。針の山や賽の河原など、地獄をイメージするものが次々と出て来る。そこで行われるのは鬼による粛正。ただ、その粛正が正しいものなのかは読者に委ねられる。罪と罰、救済。重いテーマではあるけれど、読みやすかった。鬼蜘蛛の垂らす糸も、持っていきかたがうまい。








