Sizenote
[★★★☆☆]二人の女性の短編2つが組み合わせられた作品。表題作の「いちばん初めにあった海」は大島弓子の漫画作品に近いものを感じる。両作品に登場する人物が出てくるけど、それぞれ完全に独立していて、併せてひとつというものでもない。そういう意味ではこれまでの短編集とは違った構成。それでも加納朋子は加納朋子、各登場人物へのまなざしや、海や樹木と言ったモチーフに込められた生命観が心地よい。

いちばん初めにあった海 (角川文庫)
ナイス! ★★★ -
コメント(0)
- 02/26
Tweet
share
ナイスした読書家さんと感想
学生の頃、互いの秘密を告白することで運命をも共有したような気になったりもしたけれど、彼女達はそこに「死」を持ち込んでしまったことで、呪縛されてしまったんじゃないかな。許して欲しいのではなく、断罪されることによって楽になりたいという願い。でも、あなたがそんな風に思うことこそが悲しいんだという想い。傍に居ること、一緒に居ることにそれ以上の理由は必要ないんだよね。張り詰めた物語が暖かく収斂していく、気持ちのいいお話でした。
表題作と、「化石の樹」という二つの話が入っていて、普通の短編集かな、と思って読むと実は…、という凝った作りになっているのもいい。一つ一つのお話自体も、登場人物が繊細であり、いきいきとしてていいな、と思う。主人公…は、それぞれ「私」、「ぼく」であるのだろうけど、その実、両方に共通する人物が、本当の主人公なんだろうな、って。傷ついた子供、というテーマはここのところ、多いようには思うけど、読後感がいいのはやはりさすが。




![[★★★☆☆]二人の女性の短編2つが組み合わせられた作品。表題作の「いちばん初めにあった海」は大島弓子の漫画作品に近いものを感じる。両作品に登場する人物が出てくるけど、それぞれ完全に独立していて、併せてひとつというものでもない。そういう意味ではこれまでの短編集とは違った構成。それでも加納朋子は加納朋子、各登場人物へのまなざしや、海や樹木と言ったモチーフに込められた生命観が心地よい。](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51EGNNPCZSL._SX120_.jpg)
