夢十夜
夢十夜を追加
夢十夜の感想・レビュー(141)
金井田英津子氏の萩原朔太郎『猫町』に惚れて、漱石の『夢中夜』版も購入。幻想的な雰囲気が巧妙にあらわされていて、心に残る大切な一冊となった。『夢中夜』だけを読みたい方には、この本をおすすめしたい。私が好きなのは、第一夜の真珠貝で穴を掘り、墓標に星の欠片を置き、百年後に白百合の花が咲く話。第三夜の背負っている盲目の息子が重くなる話。第四夜の蛇を見せると言うおじさんが水に沈んで行く話。第十夜の豚に舐められる話。第十夜では、ステッキが半透明の紙に印刷されており、豚のイラストを叩けるような仕組みになっている。
最近お気に入りの金井田さんの版画絵繋がりで手にとった本です。素晴らしかった!「こんな夢を見た。」と一夜ずつ、奇妙で幻想的なお話が綴られていく。まるで夢と現実の狭間を漂っているかのよう。第三夜が好きです。背中におぶった自分の子供。でも何かがおかしい。だんだん、だんだん重くなっていく背中。暗く狭い道を子供に導かれ、やがて明らかになる過去にゾワッと肌が粟立ちました。第十夜の豚とステッキの仕掛けには思わずニヤリ。
第一夜が本当に素晴らしいと思う。女と交わした約束を守る過程で流れる百年という時を早すぎず、遅すぎず、緩急をつけて描いているのがとてもいい。その描写の一文一文がとても丁寧に紡がれ織りなされているためなのか、花となった女と男が唇を重ねあう様子が非常に優雅に感じられ、心を打たれた。ほんと綺麗だ。
素晴らしい。年に1度は読み返したい。1話と6話が好き。1話は美しい。「瓜実顔」という言葉、素敵。6話の感覚、分かる。いろいろ出版されているけど、この表紙が一番好み。
夏目漱石の「夢十夜」に、なんとも不気味な版画絵を合わせた本。高校の頃読んで忘れられずにいたら、友人が貸してくれた。漱石の乾いた文章に、版画がとてもよく合っている。漱石の文章自体がそうなのだが、変なことを淡々と真面目にえがいているのが、夢、という感じを出している。怖い。第一夜ではまだ幻想的で美しいのが、話を追うごとに変てこになっていくのもよい。以前は幻想的で収まりのよい第一夜が印象に残っていたのだが、今読んだら後半の方が変で不気味で惹かれる。同じ版画家で朔太郎の「猫町」と百閒の「冥途」もある。
夢十夜は高校以来何度も読んだが今回はこちらで。金井田さんの画が幻想的な雰囲気に良く調和している。第三夜の闇の不気味さや第十夜の大きな豚の画をステッキで打つ仕掛けなどなかなか凝っている。
「こんな夢を見た。」そうして始まり、綴られる十夜の夢。夢の中で私は、死んだ女を百年と待ち、刀を内へ隠したまま坊主を睨み、白い男の前で髪を切る。深い濃淡のある、鮮やかな日本語で描かれた景色を眺めながら、その贅沢さにまさしく夢のような心地になった。
とっても素敵な画。文を邪魔してない。夢の話と前置きされると入りこめないものだけれど、これは、子どものときに見た日本昔話の物悲しさをおもいだして、とっても満足しました><
再読。夢の「変なリアリティ」を再現しつつ、読んで面白い話に仕上げているのはさすが。 挿絵入りの本は絵が想像の邪魔になることも多いのだけど、これはリアルさとデフォルメのバランスがちょうど良くて、作品の雰囲気に良く合っている。
端正な筆致と挿絵で綴られる十の夢の物語。扉頁いっぱいに描かれた、微睡む漱石先生の鉛筆画に惹かれ購入。不条理で時の流れも意味をなさない世界。生も死も、美しいものも酷いことも淡々と過ぎ行く世界には、夢に特有のあの“自分は自分でありながら自分を斜め上から眺めているような感覚”を呼び起こされました。版画を用いた挿絵の濃い黒とくっきりと白い線の対比が、死のイメージ漂う物語群を見事にビジュアル化していて、文豪の小説だからと敬遠している人にも、既に読んだことのある人にもお薦めしたい一冊です。
独特の挿絵・背景が話のイメージをぐっと分かりやすくしてくれる。文庫本にはない魅力。ネット書籍の中で本が生き残るためには、という議題に対するひとつの答えとなるような一冊。
文豪の作品は難しそうで敬遠していたが、色鮮やかな画の効果もあり、大人の絵本のようだった。生と死が幻想的に描かれ、ゾクっとくる怖さもあるので、寝苦しい夜にはぴったり。
「夢」という言葉には幻想的でロマンチックなイメージがつきものだけど、でははて、自分がこれまでに見てきた夢はそのイメージほどに「幻想的でロマンチックだったか?」と思い返してみると、時にものすごくリアルだったり、残酷だったり、恐ろしかったりすることがあります。 最近でこそあまり「恐ろしい夢」は見なくなってしまった KiKi だけど、ぼんやりとした幻想的でロマンチックな夢を見たときと比べると、そんなリアルな夢であればあるほど、夢の中で出会った人や出来事、その時の感情を必死で思い出そうする。 そんな気がしない
内容を知らずに読みました。「こんな夢を見た。」の一行で始まる。夢10篇。夢って本当にとりとめないですよね。私はやたらと怪物に追いかけられる夢をみます笑。夏目先生の美しい文章で彩られる摩訶不思議な夢の世界をご堪能ください。私的には第一夜がとても幻想的で好きです。これは夜寝る前に読むのをオススメします。きっと摩訶不思議な夢に誘ってくれることでしょう。
再読。最初に読んだ14歳だか15歳だかの頃から強烈に記憶にとどめていたのが「第一夜」と「第三夜」。「第一夜」は相変わらず好きな夢の話しであるが、今こうして読んでみると「第五夜」の話しなどはとても切なく妄想は激しく膨らむ。その世界を彩るのが金井田さんの画。不思議な夢の世界を見事に再現。独特なトーンの色彩にさらに世界は幻想的になる。夢は怖い。出来るならば見たくないものである。けれども容赦なく今夜もどこかの世界に放り込まれるのだろう。
夢十夜ははるか昔に読んだきりでしたが、あのとき強烈な印象を受けた第三夜(背中に我が子を負って歩くうちに徐々に膨らむ得体の知れない恐怖、そして石地蔵のような重み)は再読してもやはりいちばん印象的な話でした。金井田さんの画も見事。一夜ごとに異なる色(どれも美しい和の伝統色)で塗り分けられていながら各夜の小見出しだけは前夜のテーマカラーが使われていて、目が覚めてはまた次の幻想夢に落ちる夢の連なりから永遠に抜け出せないかのような錯覚に陥る。
挿画っていうより、夢十夜を題材にした金井田英津子さんの画集、といったほうが正しいような気がします。これは金井田英津子さんの『夢十夜』のイメージなんだぞ、私の『夢十夜』は別にあるはず、と思いながら、もう、最初からこの絵のイメージしか持ってなかったような気持ちになるのです。おそるべし。
時々無性に読み返したくなって、気分に合わせてこの本か文庫本を選ぶのが、ささやかな心の贅沢(再読)
ようやくこれに辿り着き・・・。いいねこれも。金井田さんの版画と、漱石の夢がうまく噛み合っていて無限の彼方に連れて行ってくれました。話として元々好きなのは、背負ってる子供の話(怖いよね)(第三夜)と、船から飛び降りの(第七夜)と、第十夜なんですが。この第十夜で驚いた!なんと仕掛け絵本風になってるとは。あの豚を打つステッキ部分が別紙になっていて動かすことになっているのです、ぱたぱたぱた(多分そうやってこれ使うんだと思う・・・)。遊んじゃったわぱたぱたぱたっ(そしてこの話も非常に良い話)
★★★★★ このような形の本は好きだ。夢十夜自体とても好きな作品だが、金井田の絵がレトロで良い味を出している。金井田が読んだ夢十夜を盗み見しちゃったようなドキドキした感覚、それがこの本の醍醐味だ。
夢十夜の
%
感想・レビュー:41件














ナイス!



































