アンジュール―ある犬の物語
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アンジュール―ある犬の物語の感想・レビュー(193)
例えば、もしこの作品が色鉛筆で描かれていただけでも違ったなら、こうまで私の心に響くものはなかったに違いない。台詞やト書きも一切なく、必要最低限の様子を切り取って真っ黒な線で描かれた情景、そしてそのデッサン力。ページをめくるたびに、捨てられた犬の気持ちが胸に迫ってくる。絵だけでここまで読ませる作品に初めて出会った気がする。確かにこれは、誰かに見せたくなる本だなぁ。
あらん限りの色と言葉を尽くすことが「自分を豊かに表現する」ことだと人間は捉えがちだが、言葉を話さず、色覚も人間ほど発達していない動物が人間の心を強く揺さぶることが多いのはなぜだろう。そんな問いに対する解が、この本には含まれているように感じる。
読書メーターで出会った絵本。最初の1、2ページが衝撃的で犬と暮らす者として胸がしめつけられる思いがしました。文字もなくままラフ画のような絵でも感じ取れるものは多いです。「ぽっと胸に灯がともったようにあたたまる」終わり方でほっとしました。
キャンパスに鉛筆一本で書き上げた作品と言うイメージ。 繊細の犬の心を良く描いている。 色が無い分、余白が多い分、いろいろ考えさせられる。 最初のほうで『途方に暮れている犬』というシーンがやけに印象的だった。
字のない絵本。これぞ絵本の原点とも言うべき1冊。最近のポップでカラフルな絵本に辟易していた私。色や文字に頼らなくても、絵に力があれば読むものをひきつけて離さない。絵本にとって大事なのは、やはり絵の力だ。
ガブリエル・バンサンの処女作。走る車の窓から、道端に捨てられた犬・アンジュール。懸命に車を追うも、やがて引き離され…。素描のようなスピード感のある雄弁な絵に引き込まれる。あまりにも不条理な出だしと、打ちひしがれた犬の姿が切ない…。新たに手を差し伸べた者に対して、近づくのにも、警戒するかのような間があるように感じ、悲しい…。こうした境遇は、アンジュールに限らないことなのかもしれない。捨てられた記憶は忘れられないかもしれないけれど、それを思い出すことのないほどの愛を、注がれてほしい。
犬の背中が語るもの、ペット飼う前に読むべき本だ
絵だけでここまで物語を表現出来るんだ!と感動した。そして犬の気持ちがすごく伝わってきて泣きました。最後は幸せになれたみたいで、そこでも再度号泣でした。
鉛筆だけで描かれた、文章のない絵本と聞いて手に取った。鉛筆の黒と、紙面の白。おもいきり大ざっぱに分けてしまえばその2色になるのだが、作者の卓越したデッサン力により黒と白が柔らかく調和してみえる。ストーリーはもうここに書くまでもないとおもうが、必死に走る犬の躍動感、寂寞とした風景にたたずむ後ろ姿など。犬に触れてその体温まで感じとれるような錯覚を起こしながら入り込めてしまう、切ない物語だ。フィクションだからこそ、いい絵本だとおもえる。
この本に、ことばはいらない。説明じゃなくて、なにもなくて、ただ、鉛筆の線が描いたみえないこころを、ページを閉じたら空中や胸の奥や、それぞれの好きな場所であたためたりころがしたり、しまってみたり、そんなふうに熟させていけたらいい。たいせつな、いつか子どもだったともだちへおくりたいと感じさせる白と黒だけでできた色あざやかな世界。
一言の言葉もないけど、戸惑いや焦燥、怒り、寂寥、悲嘆・・・そして新たなる出会いで救われる読者の心。犬の気持ちを追体験してしまう。
中島京子さんの「絵本」紹介作品。車から捨てられた犬が放浪の果てに1人の男に出会うまでが、絵だけで綴られています。殴り書きのような鉛筆のデッサンから、時間、距離、表情、思い…すべてが伝わってきます。アンジュールの鋭い表情や後ろ姿にドキッとしました。
言葉もなにもなく、鉛筆によるデッサンのみの絵本。なのに、どうしてここまで心を打つんだろう。ほとんど余白の背景に、細部の見えない犬の表情、それなのに恐ろしく鮮明で迫真。これこそが絵本、という気がした。
言葉は一言も書かれていないのに、登場する犬の気持ちがわかる。捨てられてから車が見えなくなるまで追いかける姿や、誰もいない一本道や水辺を当て所なく進む姿、本の最後で子供と出会って喜ぶ姿(尻尾がめいっぱい振られているのが見える!)など、素晴らしい描写だった。
描かれた絵を説明する文章も単語も一切ない。読み手は描かれた絵から物語を読み取る努力をしなければいけない。この作業が子供にとって大切なことだと思う。読み手によって、どのような物語を読み取るかは千差万別だろう。一見、大人向けと思われるが、小学校中~高学年の子供たちにこそ読んで欲しい優れた絵本だと思う。
飲食店に置いてあったのでなんとなく読んでみたのですが、鉛筆デッサンがこんなに迫力があるなんて・・ページをめくるたびにぐいぐい引き込まれました。とても素敵で素晴らしい絵本でした。他の著作本も読んでみたい!!
文字が一切無いです。鉛筆のみのデッサンで、捨てられた犬の姿が描かれています。緩急があって1ページ1ページに魅き込まれました。デッサンはもちろん素晴らしいですが、ストーリーもドキっとしたり悲しくなったり、ちょっとホッとしたり、素晴らしかったです。
文章のない犬の絵本.ある犬が車の窓から捨てられる.飼い主を探し求めて犬が歩き回る姿が,見事に描かれている.そして,車は見つからないものの,一人の少年と出会うことができた.
すごいデッサン力。こんなに少ない線で、情景や感情がわかるもんなんだ。必死で追いかける、途方に暮れる、ひたすら歩く、生きる、希望に逢う。文字が無くても全部わかる。最後は良かったと思える終わり方だけど「犬はゴミじゃないんだから捨てるなよっ!」という最初の腹立ちが拭えなかった。捨てるくらいなら、最初から飼うな!ぶつぶつ。。
すごいデッサン力!!!。鉛筆のみの線画なのに、何度見ても犬の不安や絶望感がぐいぐい心に迫ってくるきて圧巻でした。
読友さんのコメントを読んで固まる…そんな本あるの?
ちょっと見てみたい、読みたい、いや絶対見たいと待って待って待ち…倒れました。(バタッ)
(ごくっ)1ページめくり(ふぅ)まためくり(え?)そして(ウソ?)ラストは…ご想像にお任せします。
なんせ皆さんも仰る通り、単純な線が太さ細さで(揺れる)感情、風景を全て表せる。
なんてステキなんでしょう!やはりペンシル イズ ベストであり、シンプル イズ ベストです!
メロンらぶさん、ありがとうございました。私もラブ本です♪
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
コメント(21)
- 07/11
とても印象に残る本だと思います。白と黒の世界、そしてなにもせりふがないからこその、この世界観。とてもよい、本当に良い本です。
噂に違わぬ素晴らしさ。1ページ目から早くも衝撃を受け、微妙な犬の仕草に涙腺が緩む。1分ほどで最後まで読み終えるわずかな時間の、混乱・不安・絶望・希望すべてに息苦しくなる。鉛筆だからなのか、鉛筆なのになのか。今まで手に取らなかったことを後悔、すばらしい本に出合えたことに感謝。
参りました。鉛筆のデッサン画にこれほど心を揺さぶられるとは・・美しく、悲しく、暖かい物語。鉛筆で描かれた一本の線が命を感じさせます。傍に置いておきたい一冊。
アンジュール―ある犬の物語の
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感想・レビュー:82件








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