丹生都比売
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丹生都比売の感想・レビュー(222)
切なく綺麗で静かなものがたり。下半分の空白、ゆったりとした行間、美しいけど全てを詳らかには描ききらない文章、そしてこれらを囲む縁取りの線が想像をかき立て異世界を醸し出す。強烈な明るさと共に深い闇を背負ってしまった母とそれを受け入れる穏やかな静けさを持った皇子。想い合いつつも業からは逃れられない2人。哀しいものがたりだけど、皇子が見るそれからは優しさを感じずにはいられなかった。そして、皇子の中に勾玉のような強さの塊があっただろうことも。本当にこの雰囲気が堪らない。ずっとこの凛とした世界に漂っていたい。
小説と呼ぶより物語とかおはなしと呼んだ方がいいような本。もちろん、大人のための。古代のことは分からないことが多いけれど、この持統天皇の設定が一番しっくりくるかも。一般に大津皇子が「悲劇の皇子」とされるけど、草壁も持統天皇も悲劇的。
壬申の乱の前後、大王の座をめぐる争いを、梨木さんの言葉が織物を織るように描き出しています。大海人皇子と鸕野讚良皇女の子・草壁皇子が主人公。血族同士の権力闘争の中、草壁皇子の心優しく、そして幼くしてすでに何かを諦めているような雰囲気がふわりと際立ちます。燕の親が子を間引いているのだと気付いたときの草壁皇子の心中はどんなにつらかったことでしょう。燕の子と自らを重ねて心を痛める場面が一際印象に残っています。また、幼き頃より鬼に見出された鸕野讚良皇女の人生に、ぎゅうと心臓を握られたような苦しさを感じました。
激動の時代を舞台とし、それも権力闘争の渦中にある人々を描きながら、これほどきれいで哀しい物語になるとは。草壁皇子、そして持統天皇の人物像もまた、切なく美しい。
鵜野讃良皇女は「夫と息子のためなら手段を選ばない強い女性」というイメージが強いですがこの物語ではさらに冷酷非道に描かれていて、ここまでなのは読んだことがなく恐ろしくなりました。(実際どうだったのかは判りませんが) 異母兄弟・大津皇子との関係など、全体にあっさりとしすぎていた点が物足りなく残念。
梨木さんの本で読んでない本があるなんて、と思って借りたけど、下の空白にびびって読まなかったことを思い出した。大好きな絵本に少し似ている。手を引かれて異界に行く感じ。
図書館。本文も装丁も美しくって、この本ぜひ手元に置きたい…!古代史は名前がちらほら分かる程度なのだけど、そんなことは関係ない面白さでした。
美しい装丁で、できたら手に入れたい。大好きな古代×梨木香歩という、私にとっては絶妙なコラボ。『死者の書』を思わせる不思議な空気感。草壁の話なのに「丹生都比売」という題名に「?」と思いながら読んでいたけど、後書き読んで納得。小説としての起承転結より、イメージを追って綴っていった感じ。分かっていても進まざるを得ない母の業、それを受け入れてより美しくなる草壁に泣いた。絶版本を置いておいてくれた図書館に感謝。
ゆめわかば@灯れ松明の火
やだ~恥ずかしいっσ(^-^;) 無知なのがバレてしまいましたね、失礼しました(_"_) 「上代文学」勉強になりました☆上代さんって…自分にツッコミです★ 村山万里子さんという方なのですね(今度は間違ってない?)、ご紹介ありがとうございます(*^_^*)
ナイス!
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05/10 22:34
やだ~恥ずかしいっσ(^-^;) 無知なのがバレてしまいましたね、失礼しました(_"_) 「上代文学」勉強になりました☆上代さんって…自分にツッコミです★ 村山万里子さんという方なのですね(今度は間違ってない?)、ご紹介ありがとうございます(*^_^*)
ナイス!
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05/10 22:34
梨木作品の中でも1,2を争うほど美しい文章を持つ作品。モチーフのユニークさや登場人物たちの魅力もさることながら、冒頭と最後にある葬列を見守る鬼の描写が息をのむほど美しい。ぜひ文庫化してもらって、もっと多くの人に読まれるべき作品だと思います。
霊験あらたかな吉野という土地から物語は始まった。吉野に籠るということが何を意味するのか、土地勘のない者に分かりやすく説明されていた♡万時唐風を好む兄と、日本古来の神々を大切にする弟の大海人皇子ではやはり反発しあうしかないと分かった。神々と感応できる一族かぁ~、徹底的に仏教に駆逐されてなくて良かった。子供目線で語られる異母兄弟の話が新鮮。それにしてもウノの意外な一面を知って驚愕!強すぎる母とは正反対のひ弱な草壁皇子「二つの血が流れている」も怖すぎる。あとがきにあった本は絶対チェックしなければ。
ゆめわかば@灯れ松明の火
わぁ、読まれたんですね♪梨木さんの作品の中で一番好きな作品です(*^_^*) でもかなり前に読んだので、内容もあやふやσ(^-^;) テンテンさんのコメントを読んで、再読したくなりました☆
ナイス!
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01/22 19:51
わぁ、読まれたんですね♪梨木さんの作品の中で一番好きな作品です(*^_^*) でもかなり前に読んだので、内容もあやふやσ(^-^;) テンテンさんのコメントを読んで、再読したくなりました☆
ナイス!
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01/22 19:51
壬申の乱前後で天武天皇と持統天皇の息子の草壁皇子のお話し。神の血筋だからこそ語られる天皇家の諸々。なんとも言えない梨木さんの文体がいいんだなー
表装、内容のどちらもすごく美しい一冊でした。正直全然と言っていいほど知識のない時代の話だったのですが、すごく人物像がリアルに感じられました。草壁皇子は一途で、優しすぎて、すごく切ないです。
権謀術数の宮中で病弱、優しすぎる草壁皇子の話。 でも、優しすぎたから、丹生都比売が降りてきた?なぜ大海皇子には下りなかったのか? 原生林197P
自然に真っ白な草壁皇子がとても愛らしく見えてくる,美しい古代ファンタジー。壬申の乱のような壮絶な権力闘争の中心で生きずに済んだ皇子に少しホッとした。。。
ゲリラ豪雨初体験の中読んでしまいました。空を切り裂く雷鳴と叩きつける雨音の中、筆者の淡々とした文章を読んでいると、ふと背筋がぞくり。先祖代々伝わる巻物をこっそりと読んだような、湖の奥底にたたえられた深水に触れたような気がしました。あれが丹生の都というものか。
梨木さんのかなり古い本なのですね。美しかったです。とても。なんとなく、知っているような、知らないような。。。そんな懐かしい香りのする1冊。
ジャケ買いしたのですが、白洲正子「かくれ里」に出てきた地名から再読。辰砂の採掘と水の関係、貴人の落人がおりなす信仰など、リンクする部分が多く、伝説として伝えられていることが、多感な草壁皇子の眼をとおして生き生きと現れるような、違った味わいでした。
魂の錬銀術という言葉がとても心に残った。黄金のように輝く魂にかこまれて、悟りきったように静かに生きぬいた草壁皇子。そういう魂に惹かれて物語をつむぎだす梨木さんの感性が本当に好き。母を愛しすべてを受け入れていく息子と、涙を流しながらも鬼とともにいく母。その哀しさ。かの時代のことを勉強したくなった。
壬申の乱は日本を二つにわった大乱だったそうです。そんな時代には、やはり生きることの出来ない皇子でした。病弱だからこそ見えたのか神の世界が、美しい
いかにも「武人」という雰囲気のある大海人皇子を父に、女傑という言葉を体現したかのような鸛野讃良皇女(後の持統天皇)を母にもつ草壁皇子。 2人の子供とは思えないほど、線が細く、気持ちが柔らかで、生き抜くことが困難だった混沌とした時代のリーダーにはおよそ向いていない感じがします。 でも、逆にその「細さ」ゆえに見えること、感じられること、引き寄せられるものが美しい日本語で繊細に描かれている物語だと思います。
読み終えた後も余韻に浸っていたくなるような美しい文章。切なさが胸にじんとくる作品でした。装丁も素敵でとても気に入っています。
草壁皇子は、儚げで控えめで月のように影がある少年。
母のウノノサララノ皇女は太陽のように強く光を湛えた女性。
でも光が強い分だけ彼女の足元には深く濃い影が常に控えている。
時代背景や、主人公の草壁が病弱故に死という異世界に近いせいだろうか、現実離れした世界に違和感なく入っていけた。周りに引け目を感じて些細なことにも心を痛める草壁や、一母親として草壁を想う、う野讃良皇女の細かい心理描写が良かった。
美しい本。古代日本を生きた、草壁王子たち。優しい王子が自身の死を受け入れているのが哀しい。そして、持統天皇の叫びも、やはり痛い。静謐な雰囲気の漂う本。
政争を避けるため、父:大海人皇子と母:鸕野讃良皇女とともに吉野に逃れた草壁皇子、都へ返り咲く為に父は丹生都比売<におつひめ>の神の加護を受けようと待ち続ける。そんななか出会うたたら場の娘キサに次第に心を通わせて行く草壁皇子。 日本の神、たたら場といえばもののけ姫のイメージが強いが、こちらの神のイメージも新鮮ではっとさせられた。 現れるのではなく、其処に居て、これからも其処に在る。そしていつしかそこにいざなわれる。皆の、生命の在る所へ・・・
歴史ものは苦手なのですが、梨木さんの美しい文章で草壁皇子の内面が静かに積み重ねられるこの作品はすっと胸に染み入り、何度も読みたいものになりました。「おかあさまのなさることならば、何がこの身におきようと、私の魂は平かに安んじていよう・・・」強い母への皇子の健気な思いも、鬼につかれた母の思いも切なく涙しました。キサに導かれ辿り着く水底の国の描写が印象的。水銀の星々、澄んだ鈴の音。装丁もひっくるめて本当に美しい本。
【図】何と美しく哀しい話なんでしょう…。幼い皇子の、健気で控えめな両親への想いや姿が儚げ故に尚更愛おしく、あまりにも刹那い…。体は弱いけれど皇子の中に常に流れる無欲な愛情は何もかも受け入れてしまえる程誰よりも強い。貴方は誰よりも強い心を持ってるって傍で声をかけたい程儚げで哀しい…。話も文章も言葉も煌々と静かに美しく、梨木香歩さんの作品を読める幸せを今回も新鮮な気持ちで味合わせて頂けました。ずっとどこかで文庫にならないかと待っていたのですが此方は単行本だからこそ、の本。装丁と物語と全てが同じ場所から生まれた
淡々と進んでゆくだけに、力強く輝く人々の影になってしまうような子どもたちの姿が一層切なくて、哀しみがひたひたと胸に迫るようで。大切なのにどこかですれ違ってしまう。水銀の情景が美しかったです。
丹生都比売の
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感想・レビュー:64件













































