猫の地球儀〈その2〉幽の章 (電撃文庫)
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猫の地球儀〈その2〉幽の章の感想・レビュー(518)
『では聞くがな! ぬしのロケットは夢やロマンを噴射して飛ぶのか!?』 ある種の天才、突出した才能をもつ者と、その周囲の人物が物語の主軸となるという構造は、これ以降の秋山瑞人作品における基本スタンスとなっていく。焔の願い、幽の願い。それぞれが叶おうとしたそのときに突きつけられる夢の対価。作中でも坊主が言っているとおり夢とは手前勝手なもの。焔は最後に『猫は、話がなくては生きてはいけないのだ』とそれに気付く。幽が地球儀に向かう中で、繰り返し楽のことを思い出すのがどうしようもなく切ない。
虚しさと切なさが微妙に混ざり合うようなラスト 夢なんて聞こえはいいが果たしてこのラストで誰が幸せになったんだろうか…… いや……もともと幸せなんてないのか
多くの屍の上に立つ悲願。友や相棒を犠牲にして、それでも追い続けた夢。その価値を問いかけたような気がしました。是か非か、自分にはまだまだ答えが出せそうにもありませんが初読のときよりは深く考えさせられたような気がします。
途中まで「唐突に視点変わったりするし、意味分からん用語がポンポン出てくるし、これって過大評価されてんじゃね?」とか思ってすみません。この作品は紛れもなく名作でした。それぞれの猫達の考えが奥深く、夢を持つことや何が正しくて何が悪いのかについて深く考えさせられる。切ない終わり方だけれども、とても良い終わり方だと思う。若干粗く、場面の情景がとりにくいところもあるが、とても心に響く良い本だった。
《★★★★☆》無事目的を達成したであろう幽、合図を理解できたかもしれない焔。最後の震電が切なかった。ちょっと物足りない気もするが楽しめました。各々の想像に任せる方がいいのかもしれないけれど個人的にはその後も読みたい。
ピカイチ。これはぜひ角川文庫から一般文芸として最出版して欲しい。でも主人公が猫だからプロモーションしづらくて売れないかもしれない。内容はピカイチなのに。ちまたに溢れかえるベストセラーよりずっと面白いのに。
個々の場面の描写や情感には抜きん出たものがあるものの、実は幽がスパイラルダイブに挑むことと、焔がスカイウォークに関心を示すことにはほとんど必然性がない。決して交わらなかったであろう二人の行く道がわずかに交錯したのは、楽の存在によるところが大きい。その意味では二巻中盤の展開は、物語の崩壊をギリギリの地点で回避するための必然と言うことができる。荒削りで描き切れていない部分もあるが、このテーマが作者にとって生涯のものであるという、その情熱の息遣いを感じられたが故に秋山瑞人の代表作に推したい一冊。
夢を追うことについて。3匹の猫とロボットと登場人物は少ないがそれぞれの思いと葛藤も描かれている。著者の独特の文体も冴え渡っている。たまに電撃文庫は傑作を生み出す。SFとしても猫小説としてもジュブネイルとしても。映画化とかないかな。
一気に2巻続けて読んだ。読み終えた後に、なんともいえぬ虚脱感を覚えたのは多分、夢を追い続けた焔と幽の二匹が、揺ぎ無い「自分の話」を持っている彼らが眩しかったからだろう。夢は自分勝手なものだということを受け入れてなお、追い続けられるだけの夢をいつか僕も見つけたい、と思っているうちはだめなんだろうな。
宇宙へ行く(ここでは地球に帰る)と残る人というモチーフはよくある話だし、大抵宇宙へ行く奴は自分勝手で阿呆なうえ、残る人の方がつらい思いをすることが多いので、このモチーフの小説にはもやもやするものがあります。が、幽への批判も描かれ、その孤独と想いも判るのでよしと思うことにします。
ライトノベルにしては珍しい書き方をしている作品。最後の終わり方はあれで良かったです。でも特に感動するほどではなかった。物語を読んでてずっと思ったのは、戦闘はいらない。もっと地球儀を目指す過程を詳細に書いてほしかった。
夢を追う者と、あざ笑う者。普通ならあざ笑うものは絶対的悪で描かれるのだが、あざ笑う方だって好きであざ笑ってるわけじゃなく、被害を被るからなのであって、最後はどうまとめるかと思ったら、予想以上に素敵だった。続編出てないのかな、これ。
こういうのをブッパで良作アニメ映画にはできんものか。できねえよなぁ。欝というわけではなく、ある種気持ちのいい涙の排泄ができるぜ。泣いてないなぁ、と思ったら是非。登場キャラみんな大好きだー!!
再読。自分と同じ種類の者だけにとって「崇高」な夢は、そうでない人たちにとってただの幻でしかない。それが例え"真実"を明かすようなものであったとしても、時として、それは不安を煽るだけのありがた迷惑となる。それでも。あの猫たちが、純粋に彼ら自身である限り、たぶん他の選択肢は無かった。だから、これでいいのだと思う。
再々読くらい。再読。「夢というのは、そいつがどんな話に生きているか、ということだと思う。(中略)猫は、話がなくては生きていけないのだと思う」
そして肝心のストーリーについてはその2を読んでから。一冊でそれなりの完結を見るかと思いきや、まったくのブツ斬りで次の巻に持ち越したのは何とも惜しい。俺は二冊いっぺんに買ったからいい物の、上巻の発売当初だったらキレてた。それくらい続きが気になる終わり方だったわけで。一巻に続いて掘り下げられる二人の内面と過去。そしてテーマである夢に他人を巻き込むと言うことについて。そして、○の死。これはホント泣きそうになった。一層濃くなる戦闘描写にどきどきしながら最後まで一気読み。間違いなく名作だった。イリヤの夏より好きだな
分かり合えるようで分かり合える直前ですれ違ってゆく人、いや猫たち。細かいネタだけど特攻野郎Aチームのコングが出てきた瞬間爆笑してしまった。なぜあれを出した!!
前巻とは打って変わって一気読みしてしまった。楽のために魔法の粉を地球儀に届けてほしい、という震電の言葉には涙腺が緩んだ。なんであえて人間ではなく猫で物語を進めたんだろう。
自分の信じた「夢」が他人の「夢」とは限らない。それでも自分の「夢」を追い求めることができるのか?・・・軽いタッチの表紙に騙されることなかれ、この本はライトノベルのような風貌をしながら、本質はSFであり、任侠ものであり、そして哲学書そのものです。【おれの話では、お前はそんなことはしないということになってる。おれの話では、みんなはこういうことをしてくれるはずだ。そしてケンカが始まる。そのうちに戦が始まって、最後には葬式が始まるのだ。】
読み終わって何だかじっくり振り返りたくなる感じ。全員の終り方が切ない。焰が楽にあのとき何かを伝えていたらということをちょっとだけ考える。
スパイラルダイブのくだりでは、焔も幽も、どちらもダイブしてたんだって気づいた。いつだって重力の中心はふたりのあいだにあったから、互いが互いを見上げていたのか。昇ることと落ちることはけっきょく同じで、どっちにしたって、ふたりは全力で加速することを選んだのだろう。かなしくなるほどに強い、強いうちゅうひこうしのうた。いちばんぐっとくるところは、クリスマスがほっぺたにヒゲかいて咆吼をあげるところです。
☆5 夢を追うと言う事は、とっても美しくて。そして同時にどこかちょっと悲しい事でもある。 幽は最後に何を思ったのだろうか?と思うと悲しくて悲しくてどうしようもなくなる。でもまた読んじゃうんだろう。まあそれより秋山は新刊書いてくださいお願いします。
猫の地球儀〈その2〉幽の章の
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