どろんころんど (ボクラノSFシリーズ)
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どろんころんどの感想・レビュー(155)
北野勇作さんの作品には、答えの出ないもろもろのことや、「現実」の頼りなさについて、問い方を変化させながら生活してゆくヒントが溢れている。面白かった。しかし、どんな感じなのだろう、そこは。
既知の世界から一変して「不思議の国のアリス」よろしく歪な世界に放り出された主人公とその仲間の旅は、挿絵のイメージとも相まってどこかふんわりと、そしてとぼけた雰囲気。ヒトデナシとか少し角度を変えるだけでかなり恐怖を誘う世界観なのに、そうはならず巧いバランスで「不思議」の範疇に収まっている。最後の一行にはしびれた。にくいラスト。「どーなつ」しか読んだことないけど、未来を模したはずの世界でもデパートの屋上でイベントがあったり、信号からは「通りゃんせ」が流れるところが北野勇作らしさなのか。他の作品も読んでみたい。
人がいない世界での、レプリカメとセルロイドのアリスとヒトデナシとの旅はほのぼのしつつも切ない。私、この世界は相当こわくって、小さいときに読んでたらトラウマになってたかもなあと思いました。でも、だからこそSFの魅力にどっぷりはまったかもなあとも思います。ヒトってなんだろうなと考え出すと深いなあ。ヒトデナシって呼び方は怖くていいなあとも思いました。挿絵とマッチした装丁も挿絵自身もこの世界にすごく合っていてよかった。唯一「ど」のフォントだけ読みづらかった…。
祖父江慎さんが装丁にかかわってるらしく、文章とイラストが時に混ざり合って、漫画や絵本を読んでいるかのようなページもある。さらに、文字の遊ばせ方がおもしろい。ページ数だけ見ると、かなりの厚みの本だが、視覚的に楽しい仕掛けが随所にあるので、あっという間に読めてしまう。ストーリーのほうは、結局解決されてない問題が山積みなのだが、「ま、いっか」と強引に締めてしまう感じ。まあ、その方がこの作品のほのぼのとした空気に合うのだろう。
異様に目に留まる「ど」。イラストに併せて、時に文章がイラストとなるかのようにその配置を凝らしてあったりと、視覚的にも楽しめた。絵本的、童話的であるけど、しっかりSF。少しずつ人間らしさを帯びてゆくアリスと、どこかおとぼけた感じのヒトデナシ、もの静かであるけど頼りになる万年1号、三人(体)のふわふわした関係が心地よい。
舞台は人のいなくなった世界。残されたモノ達は記録を頼りに人の行動を表層的に真似ようとしている。故にアリスの目覚めた世界は、あり合わせの材料と独自の解釈によって構築され少しズレた世界(アリス曰く「へええええんなのっ!」)が展開している。その差異を認識する際に読者は、それの意味するところ、本質って何だろ?と思いがけず自分に問いかける羽目になる。終わったところから始まる、ヒトの存在を辿る物語でした。
よくよく考えれば恐ろしいことだらけでも、なんとか世界は通常運行し続けるのですよ、っと。しかし震災前の本なのに色々とリンクしちゃったかもなあ。
ヒトデナシが真似るヒトの様が、ヒトの業みたいなものを抉り出しているかのようでおもしろい。とかいいつつ、北野作品の中で特筆すべき作品でも無いような……。
内容が素晴らしい。こども向けの本らしいが、扱ってる問題はけっこう深い。大人が読んでも十分満足できる。真摯に子供たちに向き合って書いた結果だと思う。そして、鈴木志保さんのイラストの素晴らしい事! あまりにもツボに入りすぎた。ミヒャエル・エンデの、『豪華版・はてしない物語』と並ぶくらい、モノとしての魅力にも溢れている。このシリーズの今後に期待!
寓話的でありながら、きちんとSFしてる。尚且つ物凄く北野ワールド。個人的には、元々あまり挿絵と言うものが好きではないのだけど(時々いきなり挿入される挿絵と自分の中で作った作品の世界観にずれを感じる事が多くて)、今作だけは別。ここまで作品そのものと融合して、一緒にグネグネになってると、これはもう嫌いになれない。従来の北野的世界でありながら、全く新しい良品かと。
不思議の国のアリスを下敷きにした寓話仕立てのSF。子供向けにも分かりやすいような柔らかい世界観だが、織り込まれているネタの数々はどれもハードSF的。アリスの物語が閉じてからの展開が素晴らしい。
面白かった。この二人のコラボレーションは、これまでの作風からいってもいい組み合わせだと思うし、この本でも大成功だと思う。 とぼけたようなふわふわしたお話で、最後にいきなりサイバーパンクなのもいい感じでした。
寓話のようなSF。人間が消えて泥だけになってしまった世界を旅するセルロイド少女とカメ型アンドロイド。アリスも万年1号も係長もキャラがよい。終わりから始まる物語。装丁が美しくて世界観が丁寧に作り込んであるのがしみじみよいなと思います。
ほのぼのファンタジー。そして最後にホロっとさせられます。 鈴木志保さんのふんわりイラストも良い味だしてます。 殺伐とした現代、たまにはこんな本をまったり読むのも良いかも。
万年一号かっこよい!アリスはセルロイド人形でありながヒトのように心を持っていることに感動しました。ヒトの世界とは何か、改めて考えさせられる本でした。テレビはどこから放送されているのかすごく気になったなー
本の作りがすばらしい。もちろん、内容も素敵です。ひとがいなくなり、ひとを真似する“ひとでなし”が暮らしている未来の地球。そんな世界で目覚めたアリスと亀型ロボット「万年1号」、そして係長のお話です。なぜ人はいなくなったのか?どこにいけばあえるのか?そんなちょっとした冒険物語。個人的には、最後の一行にやられちゃいました。
かめくんのレプリカメが出てるのでもしかすると同じ未来史に属するのかも。そうするといろいろな作品とリンクしてるのか。
一応ヤングアダルト向けのレーベルだがいい大人が読んでも問題なし。ラストは驚愕した。シュールな空気が感動に変わる、これが素晴らしい。
装丁やイラスト・文字組みが凝ってるので電子書籍化は困難じゃないかなぁ。紙の本もなかなかやるものです。
装丁とページデザインが美しくてかわいくて、そしてそれが世界感をしっかりとさせている。科学や機械に興味を持ち始めたお子さんに読んでほしい。でもきっとこれを楽しめるのは大人になっても子供でありたい僕たちのほうな気がする。入手困難な「かめくん」が読みたい。
やっぱり北野勇作はいいなぁ、と改めて感じた。北野氏の代表作は「かめくん」だと思うが、本書にもカメ型レプリカント(レプリカメ)の万年1号が登場する。寡黙にアリスを守る万年1号の姿はとてもいい。作品全体に漂うユーモアとペーソスに癒される1冊である。
先が楽しみでどんどん読み進める本では、ない。ロジックや世界観をじっくり楽しむ本かも。少なくとも、今の気分にはそぐわなかった。こころに余裕があるときにまた読もうっと。フォント、装丁、ページの構成など、本そのもの自体に雰囲気があって、商品としていい物だと思う。
表紙本文装丁挿画段組その他がきっれーに調和していて読んでて気持ちいい。 児童書だから北野勇作特有の「何が何だかわからない……」って感じはかなり薄いので、初心者(?)にもオススメ。
人間のいなくなったどろんこの世界をアンドロイドの少女と亀型ロボットとドロ人間のヒトデナシが旅をします。 なかなか哲学的な問題も含みますが、一応児童書でイラストも多く、また凝った造りをしてます。 そんなこともあって厚さのある本ですが、見た目ほどではありません。 ただどうなるの?と気になってページを進めるタイプの作品ではないかも。 その分不思議な読み応えがあります。 そしてちょっと切なくなるのは、彼らの人間へ向けるもののせいでしょうか?特にヒトデナシの行動は胸に来ますね。
安心の北野ワールド。どこか奇妙でどこかノスタルジックな世界観。アイデンティティとは?的なテーマをのらりくらりと処理し、着地したラストはとても綺麗な───そんな素晴らしいお話でした。
twitter文学賞から。アリスのかわいさと万年1号の頼りがい。この二つがなければ、こんな不安な世界を一歩も進めない。世界観はもちろんだけど、私たちが当たり前だと思っていることを揺さぶって、疑問を提示するところがSF。ヒトデナシたちのこねる理屈は、落語の粗忽長屋や壺算のよう。たまに挿絵と融合する文章は楽しく、これを読む子どもは、小説の概念を打ち砕かれるのでは? 500ページとは思わせない、楽しいSFでした。
なんだこれ・・・ぐだぐだした妄想に付き合わされるのはちょっとな・・・・。じゃあ手に取るなってハナシですか。うーん。世界の細分化と再構築というのは面白い観点だが、いかんせん情景描写がさっぱり浮かばない・・・SF脳でない、想像力が足りぬ若輩者なのか・・・。
アンドロイドの少女が目覚めるとそこはヒトがいなくなったどろんこの世界。こんな世界になった理由がちょっとこわい。本の装丁、活字、イラストが凝っていて素敵。
10.8.10.505p。福音館書店。画:鈴木志保。アリスは万年一号という二足歩行型ロボット(レプリカメ)の商品説明アンドロイド。しかし、目覚めると人がいない。ひょんなことから泥人形のような ヒトデナシ と一緒に外にでる。そこは泥の世界? イラストや遊び心のある文字配列もちょうどよい感じ。ヒトがいなくなった理由がSF的な話かな。○
どろんころんどの
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感想・レビュー:73件















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