“文学少女”と穢名の天使 (ファミ通文庫)
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“文学少女”と穢名の天使の感想・レビュー(2009)
再読。初めの方は甘いチャイのように、少し刺激的ながらほっこりと心温まる雰囲気に包まれていたのに…そこに黒い雫を一滴ずつ落としていくようにミステリーの只中へと物語が移行していく、その描き方が自然。「飢え渇く幽霊」と同様に怖いというよりは深く悲しく切なく、それでいて優しい物語だと思えた。青い薔薇で「ラウル」を殴りつけたななせの叫び。遠子先輩にページを捲られるかの如く夕歌の真実を語る臣君。歌姫が最後に親友へ贈った、愛情溢れる言葉。どれもこれも胸が詰まる程に哀しいのに、限りなく美しいものが根底にあって涙を誘った。
この巻は夕歌が中心人物となっていながら最後まで姿を現さない展開が新鮮で良かった。ななせと心葉との距離がぐっ…と縮まった巻でもありました。ななせは可愛いね!
ななせと親友の夕歌の話。相手の才能に嫉妬し、傷つけてしまう切ない話。 夕歌の挿絵がない理由がわかったとき、胸がしめつけられた。クリスマスの日はななせと一緒に過ごしてほしかった。
今回も驚きの構成と心に残る話。ファントムになりたかったラウルと、ラウルに憧れていたファントム。2人にとって今作のキーパーソンである夕歌は希望だったが・・・ ラウルは琴吹さんの涙で夕歌の本心に辿り着き、ファントムは遠子先輩の訴えで、罪の意識から救われる。クライマックスにおける場面は本当に感動的! 作中でたびたび使われた、「仮面」という言葉もキーワードだったように感じた。話が大きく動きそうな次の巻も楽しみ。
"オペラ座の怪人" クリスチーヌを心葉、ファントムを美羽、ラウルをななせに重ねて読んでた。美羽がきっかけで小説を書き始め、二人で過ごした幸せな日々が井上ミウの作品を生んだ。ファントムがかけた魔法のよう。心葉は未だ美羽に心を捕われている。そして、ななせには美羽の手が伸びてきて…。心葉にはクリスチーヌのように最後はラウル(ななせ)を選んでほしいな。『ななせは可愛い。本当に可愛い。世界でいっっっちばん可愛い。』『きみの恋が叶うことを、心から願っているよ。』
オペラ座の怪人。椿姫。モチーフからして一匙ほどの幸福も想像できず、読み進めながらハラハラし通しだった。けれど哀しいだけではないからこそ、この物語は美しく。恋人へ向かう一途な恋心があったからこそ、夕歌もマルグリットも愛おしい。かつて天才と呼ばれた少年たちの対比にはぞくぞくした。トラウマばかりに目が行っていて心葉=大ベストセラー作家の設定を忘失していました。すごい子なんだった。わたしも心偽りなく「人としての成功なんて儚いものです。私は、そんなものより、この一本の酒瓶のほうを選びます」とか、いってみたい。
とりあえずななせちゃんが可愛いといわざるを得ない巻。ただ物語は哀しく、水戸夕歌の境遇に正直泣きそうでした。心葉君は彼で美羽の存在が未だに心を締め付け、何故落ちていったんだと苦悩を重ねていく…。物語のキャラそれぞれに何かしら”ワケ”があるんですよねぇ。それを想像するのがこのシリーズの醍醐味だと思います。
(去年読了分)事なかれ主義のこのはが自身の意思でふんばった回。これだけ登場人物を泥臭く描いて切ない終わり方をするにも関らず読んだ後すっきりする感じなのは何なんでしょうね。他人の価値観ではなく「自身にとっての幸せとは何か」を考えさせられました。
今回の重要キャラクターである水戸夕歌が最後まで表舞台に姿を現さない構成が見事でした。意外な人物による独白と琴吹ななせの切迫した感情の吐露から夕歌の喜びと悲しみに彩られた人となりが切ないほど伝わってきます。そんな彼女と対照的に今回はななせの活躍シーン多かった。彼女の心葉に向ける仕草のひとつひとつが微笑ましい。遠子先輩や美羽など強敵が揃っていますが、心葉の傍らにいるのが彼女であると好いなと贔屓してしまいそうな可愛らしさでした。
季節はいつの間にか冬になり、心葉は琴吹さんとの距離を縮めていく。琴吹さんが可愛くて、前はたぶんシリーズ中で一番好きな本でした。真実を知りたいと思う琴吹さんの意思に、心葉が心を揺り動かされる場面とか。そして臣君も怖ろしい存在のように感じていたけど、今回で印象が変わる。ぼろぼろになりながらもななせを大事に思う夕歌が苦しい、けれどラウルではなく才能を持つファントムになりたいと請い望む鞠谷先生を一介の読者である自分は裁けない気がする。臣君が遠子先輩に「最後まで読まないと物語は理解できないのよ」と諭される部分も好き
文芸部部長、天野遠子。物語を食べちゃうくらいに愛するこの〝文学少女〟が、何と突然の休部宣言!?その理由に呆れ返りつつも一抹の寂しさを覚える心葉。一方では、音楽教師の毬谷の手伝いで、ななせと一緒に放課後を過ごすことになったりと、平和な日々が過ぎていくが……。クリスマス間近の街からひとりの少女が姿を消した。必死で行方を追うななせと心葉の前に、やがて心葉自身の鏡写しのような、ひとりの〝天使〟が姿を現す-。大好評シリーズ第4弾!
ガストン=ルルー「オペラ座の怪人」。典型的なツンデレ子、琴吹さんの親友の夕歌がある日音信不通に…。同じ図書委員の臣くんに、親しげに「ななせ」と呼ぶ音楽教師の鞠谷先生にと、彼女を基点として事件の真相に近づいていく。山の頂から谷底へ突き落とされるような感覚、自分にはわからないが死にたくもなるんでしょうな。天使の歌声ぜひ聞いてみたいものだ。誰もが無いものねだりをしていて、それなりに苦悩があるのだろう。
今回はオペラ座の怪人がモチーフでした。厳しい世界で必死に生きた少女が、最期に一緒にいたいと願ったのはラウル。そんな少女の見ているものを壊すまいとしたファントムの気持ちを思うと胸が痛む。いつか天使が救われ、再び美しい歌声を響かせる日がくればいいね。
文学少女の遠子先輩にも受験の波はやってくるようで、そのせいかこの巻は登場機会が少なくて少し寂しいです。その分、今までスポットを浴びていなかった琴吹さんの出番が多くて、「やだ何!この可愛い娘は!?」なんて思いながら読んでました。 話のほうは、その琴吹さんの親友に絡んだ「オペラ座の怪人」にちなんだエピソード。最後の最後に救いはあるものの、切なくて痛い話です。 ハッピーエンド好きな自分としては、毎度毎度最後まで読むのが辛い本ですが、でも止められない面白さがあります。
文芸部部長である天野遠子。物語を「食べちゃうくらい」愛しているこの"文学少女 "が、何と突然の休部宣言!?その理由に呆れ返りつつ、一抹の寂しさを覚える心葉。一方では、音楽教師の毬谷の手伝いで、ななせと一緒に放課後を過ごすことになったりと、平和な日々が過ぎていくが……。クリスマス間近の街から一人の少女が姿を消した。必死で行方を追うななせと心葉の前に、やがて心葉自身の鏡写しのような、一人の"天使"が姿を現す――。このシリーズの中で、一番のお気に入りです。水戸さんには、立派なオペラ歌手になってほしかったし、臣く
今作では遠子先輩の登場が少なくてちょっと残念…。そして今回も切なくて切なくて(涙)…と思っていたら、ラストでまたもや気になる続き方してるし!!どうなるんだー!!と叫びたくなった。今後の人間関係も気になるところだけれど、これほどまでに切ないお話を本の物語にそって何作も描いている野村さんの凄さに圧倒されました。
今回は「オペラ座の怪人」がモチーフ。主役はななせ?なので遠子先輩の出番は少なめ。でも、最後の美味しいところは持っていきました(笑)。呆れるほど鈍感な心葉と何かと不器用なななせなので、今回は予想外の進展という印象。少年から心葉に向けられた問い。二度と小説は書かないと誓った2年前。でも、頑なに閉ざされていた心葉の心は今、確かに動き出そうとしているようです。それは常に暖かく励まし続ける遠子先輩のおかげなのか、ななせの一途な想いに気づいたためなのか。でも、心葉にとっての守護天使は遠子先輩でしょうね。揺るぎなく!
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
コメント(0)
- 11/30
この巻でようやくななせを好きになりました。
傷ついても親友を助けたいと願う彼女たちの友情はとても美しかったです。
平凡なラウルではなく、醜くても化物でもファントムになりたかった彼等には共感する部分もありました。と同時に何気ない日常がかけがえのない宝物であることもわかっているので、苦い気持ちになりました。
心葉君が携帯を使って、ななせに話しかけるシーンにはキュンとしちゃいました。やるな、心葉君!
辛いことがあったとき、自分に都合の良いように解釈して真実から目を逸らし、自己防衛しようとしがちになってしまうもの。でも仮に結果としてうまくいかなかったとしても、その最初や過程の中には良い部分もあったというのもまた真実。そこから目を逸らさず次の一歩を踏み出せるのかが大切なのではないか、とラストシーンを読んで感じた。ようやくのななせ回。最初はベタなツンデレキャラとしか思わなかったけどこの巻で一気に株が上りました
美羽さんメインかな?と思ったら琴吹さんメインの話。しかし所々に美羽さんの足音がひたりひたりと近づく感じ、いい雰囲気です。今回も文学の中に潜む、明暗をオリジナルストーリーと上手くリンクさせ、人間性を鮮やかに描いていたと思います。俯瞰すれば全く報われていないはずの夕歌ですが、それがとても切なく綺麗に見えました。
この巻は「オペラ座の怪人」をモチーフにした物語でした。このあらすじはだいたい知っていましたが未読の為なのか、作中で行われたオペラが前巻の劇のようにモチーフにした「オペラ座の怪人」をやるかと思ったら「トゥーランドット」だった為かちょっと物語に入りずらかったです。でも、今までのシリーズ同様に楽しませていただきました。歪んだ嫉妬は怖いな。やっぱり、自分にないものを他人が持っている時には嫉妬してしまっていると思う。相手それ相応の努力や才能を持ってそういったのを手に入れるんだろう。次巻も楽しみだから早く読みたい。
文学少女四巻目。一番好きかもしれない。クリスマスの描写がかえって物悲しいが、この雰囲気がとても好き。このシリーズ、メインとなる文学作品だけでなく、遠子が蘊蓄を披露する文学作品もどれも読んでみたいと思わせる。
才能とかセンスとかって大切だなぁ…と思いました。 心葉は誰とくっつくんでしょうか? 遠子がいいなぁ…!! 美羽が次出てきそうですね!楽しみです!
挿絵がないなあ、と思っていたら、そういうことか。それなら納得。物語はというと、ななせとその友達の話。心葉の過去についても少しわかり、ななせとの仲も進展があったのはよかったんだけど、ミステリー的な部分が重くて、切ない。最後のほうは、感動とか悲しさとかで、うるっときた。臣くんのその後も気になるけど、次巻にはついに彼女が登場ということで、楽しみです。
今回はオペラ座の怪人が題材。元々好きな作品だったので、楽しみながらもサクサクと読めました。やっぱり切なくてどこかしっとりとした気分になります。ラウルになりたかったファントム、ファントムになりたかったラウル、それぞれの想いが交差し、悲劇を生んでしまった。遠子先輩が言っていたように私(読者)の中にはファントムがしっかり刻み付けられていて関連書籍を全て読むくらい感情移入する人だっています。だからこそ、今回の話は私にとってとても特別でした。
琴吹さんの良い進展があってよかった。最終的にはまとまったけど,それ以外はいろいろと悲しい話が多かった。私が借りてきた「道化」を,娘が読んで面白かったようで,続きが読みたいらしい。「愚者」はいいけど,援交とかあるこれは,5年生にはちょっと早いと思ったから,すぐ返却してしまおう。親ばかだろうか。
心葉の過去に深く関わりのある美羽が今どうなっているのか、ということがようやくわかったお話でした。ななせの恋心もはっきりとわかり、これから先の展開がどうなるか楽しみになりました。
ことごとこく予想からずれた真相におぉぉ……と読み進めました。重い。途中、素顔を晒した言葉に「ああ、泥臭い人間のお話だ」と思いました。しかし最後に人間ゆえの悲しさもあり。芸術が絡むと、美しさやはかなさや素晴らしさと共に、どうしても退廃的、もしくは破壊衝動、狂気といったものの共存を感じます。この天使が登場するお話、クリスマスの描写もあり、しんしんと冷たく雪の降る中のようなお話でした。そして、いよいよ振り回され真相を知るばかりだった彼のお話が始まるらしい次巻、読み進めて参ります。
口絵にイラストが載ってない上に、作中の扱いが相当ひどかったからもしかしてと思ったんだけど、やっぱり手遅れだったか。オペラ座の怪人は昔読んだんだけど、内容すっかり忘れてた。後半にかなり荒唐無稽な仕掛けが出てくることくらいしか覚えてない。それにしても、臣くんといい流人くんといい、情報収集スキルが異様に高い。探偵やスパイに就職してもやっていけるんじゃないか。
ななせが主役? ハハハ何をおっしゃる、あのななせがメインを張るようなキャラとお思いですか? 彼女は刺身で言うところの黄色いタンポポ、カレーライスでいうところの福神漬、あえて注目を浴びず脇に徹するからこそ、あの淡く儚い光がより輝くような存在ではないですか。彼女がメインってあーた、そりゃ『ジャッカルの日』を見ようとしてブルース・ウィリス版を観てしまうようなものじゃないですか。まあ個人的にはブルース版も好きですよ、目尻が緩んでないリチャード・ギアなんて貴重なものも見れますし。あ、本筋は殺人事件の話でした。
“文学少女”と穢名の天使の
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