アーキテクチャの生態系――情報環境はいかに設計されてきたか
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アーキテクチャの生態系――情報環境はいかに設計されてきたかの感想・レビュー(387)
アーキテクチャの観点から主に日本のウェブ文化を見る/特に発生のメカニズムと存続のメカニズムを分けて考えるというのを聞いて、ウェブ社会を生態系に見立てた進化論的な説明には納得がいった。ケータイ文化圏やPC文化圏、2ちゃんねるやブログなど様々な文化圏(アーキテクチャ圏)が互いに混在している現状では、携帯小説を操作ログ的リアリズムに従って読解していくような作業を、たとえ面倒であってもただ煽りなどで諦めずに、意識的に行なって、相手のリテラシーを理解していく。その必要性はウェブに浸っている身としてひしと感じた。
トレンド分析みたいな内容で、出たのがちょっと前なので、いま読んですごく勉強になるって感じではないんですが、まとめとしては中々面白かったです。変に偏らないフラットな立場での論評なので、読んでいて気持ちよかったですね(携帯小説についての部分は、ちょっと蛇足のように感じましたが…)。 Twitter は日本で流行らないんじゃないかという予想から数年たち、FBが全てを飲み込みつつある昨今ですが、次世代のアーキテクチャは日本から出て来るのか!? 日本とは言わずにせめてアジアから出てくれたら個人的には嬉しい。
2008年の本なので、内容が古い部分がある。特に、Facebookは日本に普及しないとしているが、少なくとも私の回りには多くの人が使っているし、mixiは逆に使われなくなっているように感じる。しかし、ニコニコ動画、Twitter、2chを挙げて、同期、非同期の観点から述べられている部分は非常に納得した。また、携帯小説についても、冷静な分析があり、安易に批判していた自分の姿勢を考えさせられるものである。
内容もさることながら、著者のスタンスが非常に素晴らしいと思います。ただ、こういうものはやっぱり鮮度が大事だなあ、とも。次は思想地図を読もうかな。
「アーキテクチャ」という概念を用いた分析手法が面白い。本書で取り上げられているネタ(ニコ動やtwitter)の鮮度は落ちていくかもしれないが、この方法自体はこの先も有効であり続けると思う。
Twitterやニコニコ動画、mixiなどのアーキテクチャを人間が用いていくなかでそこにどのような生態系が作り上げられていくのか、を客観的な立場から記述している本。筆者ができる限り「客観的」な立ち位置から論じようとしているのが理解できるため、自分のインターネットの使用法がどのような位置づけになるのかも何となく理解できた。僕自身はこの本で扱われるウェブサービスの中ではTwitterとニコ動しかやっていないけれど、第6章でそれらが「同期/非同期」という観点から論じられている部分は「なるほどなぁー」と思った。
ウェブ世界への入門書として素晴らしい本。ネット上の生態系を的確に図表化し、Googleから2ちゃん、ニコ動、ツイッターやmixiまで各サイトの構造とそれが生み出す特徴、リアリティーを極めて高い水準で捉えている。まだフェイスブックやG+が日本で流行る前なのでちょっと古いが、混沌に満ちたネット環境にクリアな目線で向き合う姿勢と知識を効率よく伝えている。各メディアごとのリアリティー、という視野から初音ミクや携帯小説も扱っているが、文芸批評としても携帯小説に対する最も真っ当な批評の一つになっている。大傑作
(ネットで多用される)「信者」や「アンチ」といった二元論におちいることなく、メタ的な視点からネット周辺のソーシャルウェアやそのコンテンツのアーキテクチャについて分析できていたと思う。文章も非常に明快で、良書だと思われる。
途中までは純粋になるほどなと思った。ブログや2chのアーキテクチャの話はとても腑に落ちた。様々な縛りや、縛りからの開放がサービスを光らせるのがおもしろい。ただ、後半の恋空の辺りからよくわからなくなった。結論もよくわからなかった。あと、情報がどんどん古くなってくのがすごいな。mixiは足跡をやめ、facebookはそこそこはやり、あらたにg+がでたりソーシャルゲームがはやったり。それらの面をアーキテクチャからみてみたいなと思えたので、多少情報が古くともこの本はよかった。
環境管理型権力、アーキテクチャをネットを中心に見ている本。Google、2ch、Winny、ニコニコ動画などを例に、既存の基盤の中から生まれてきたアプリケーションやシステムの発生の様子を生態系としてとらえる。twitterやfacebook等について筆者の読みは外れている面もあるが、移り変わりの早いネットを対象にした論考としてはまだまだ読むのに耐えうる。アーキテクチャがリアルにおいて作用する様も例として挙げているとなおよかった。
2ちゃんねる、mixi、ニコ動、twitterなど多様化するネットサービスについて、それらを提供するサービス基盤(アーキテクチャ)について書かれた本。 ニコ動の「擬似同期」、twitterの「選択同期」など様々なキーワードを提示し、サービスの特性と、社会との関係性がわかりやすく述べられている。 ただ、個人的にはもっとニコ動について詳しく語ってほしかった。 それと、2008年に出版された本なので、部分的に少し情報が古い気がした。
環境管理型社会。同期、非同期、選択同期、擬似同期、真性同期。真性同期は「後の祭り」、擬似同期は「いつでも祭り」。初音ミクはN次創作。アメリカは信頼社会、日本は安心社会。ニコ動は「いま・ここ」という体験の複製。携帯の着信で心理が切り替わる。操作ログ的リアリズム。
ニコニコ動画についての論文があると聞いてみつけたのがこれ。語り口調のおかげか非常に読みやすいので気楽に読めるのが嬉しい。ニコ動のシステムを「100年に一度の大革命」というのは流石に大げさな気がするが、擬似的な祭りを起こしているというくだりは楽しく読めた。著者は「思想地図」第2巻でもニコ動のタグに関する論文を書いている。いつかニコ動をテーマに一冊の本を書いてくれないかなぁと密かに楽しみにしている。
2ちゃん、ニコニコなどの身近なウェブサービスを持ち出し、それらがアーキテクチャとしてどういう設計がなされているか、それによってどのような現象が生じたかなどが読めて面白かった。ニコニコ動画を「疑似同期」として説明したところに特に興味持ちました。
アーキテクチャという用語はそもそもローレンス・レッシングが『CODE』の中で論じたものであり、規範・法律・市場に並ぶ、人の行動や社会秩序を規制するための方法だとされている。このアーキテクチャは、規制される側がどんな考えや価値観の持ち主であろうと、技術的に、あるいは物理的に、その行為の可能性を封じてしまう、という点で新しい「規制」あるいは「権力」であると言える。そして東浩紀は、このアーキテクチャという用語を「環境管理型能力」と概念化した。
いまさらちゃんと読みました。非常に刺激的な1冊。ただ、コミュニケーションの比重が大きすぎるところがちと、とは思った。未来予測はできないと著者自身も留保はつけているけど、直近の事象も読み取れていないところがあるのはそのせいかなあと。とはいえそれも小さな瑕疵にしかならない良書。
ツイッター、mixi、Winny。今インターネットで様々なアプリが利用されている。本書はそれぞれの設計思想やプログラムの特徴を分析している。ツイッターのつぶやきは140字までといった技術的な制約をアーキテクチャによる制約と呼び、それに着目して各アプリが繁栄した理由を検討している。これは日本と米国の社会比較にまで発展する。そして最後に日本でアプリをつくる際のアーキテクチャ上の留意点を提供している。アプリの単なる分析でなく、設計に着目しているのは面白いし、これからも役立つ視点だと思う。
様々な専門用語を数多く用いながらもわかりやすい言葉で丁寧に論じあげ情報環境論の入門書としても最適。アーキテクチャの生態系というタイトルはアーキテクチャがまるで生き物であるかのように独自に進化をしていく可能性を示している。アーキテクチャとは人間によって作り上げられるものであるが、特にCGMにおいてN次ホップ的に作品が増殖していくときアーキテクチャは特定の個人の意図によってではなく人々の集合的な選択によって半ば自生的に進化していき、疎外論的な話ではあるがそのアーキテクチャによって個人のリアルは規定されていく。
平易な言葉で非常に読みやすかった。「アーキテクチャ」という視点から現代日本の情報環境を論じている。決して肯定的過ぎない丁寧な分析であり、利用者側の意識なども捉えられていたのが印象的だった。Twitterの「選択同期型コミュニケーション」という分類が印象的だったが、現状はどうなっているか考えてみたい。あと劇中のケータイ操作に着目した恋空読解が新鮮。
現代思想の中核概念のひとつである「アーキテクチャ」を使って、情報社会を読みといていく作品。2chの継続性についての分析は非常に興味深かった。また、アーキテクチャの入門書としてもよいと思う。
【非所有】② 熱にうなされながら読んだせいもあってか、主旨がまとめられなかった。というか、まとまりの緩い本だったと責任転嫁してやりたい。技術決定論と社会決定論のどちらかに振れずそれらの関係の中で生態系が進化していく希望もある云々の個所は気に入った。嫌だなぁと思いつつも技術決定論を受けいれていた節があったので。
2ちゃん、ミクシィ、ニコ動、ウィニー、ケータイ小説など、日本独自のネット関連文化の特徴を、その文化を支えるシステム(アーキテクチャ)自体に備わった性質と、ユーザーの要求との相互作用から説明した本。現代社会ではリアリティが複数化してるんだ!という意見はよく聞くが、本書はじっさいにどんなシステムがどんなリアリティ(というか、その文化特有の感性みたいなもの)を生み出しているかをきちんと語っていて好感が持てる。
情報技術をアーキテクチャの視点から論じた本。技術は時に設計者の予想を越えた使い方をされ、社会を変えていくことがある。本書ではニコニコ動画や2ちゃんねるなどのメディアを例にあげている。私は技術者はこういう視点も持った方がいいと思っているので、エンジニアにも是非読んで頂きたい一冊。
読んでて気持ちよかった書籍。現代インターネットをアーキテクチャという観点から分析して、進化体型について明確に表現したのは素晴らしかった。ただ、一部に予想が外れていたのは残念。
正直なところ、もう「ネット」と一枚岩で語ることはできない。アメブロ、ツイッター、ミクシィ2ちゃん、ニコニコはその特性、機能、コミュニティの様態がぜんぜん異なる。ツイッターやニコ動はまだまだ議論の余地があると思うが、本書のブログとグーグルがリンクしたことでブログが飛躍的発展をとげたという指摘、そしてmixiや2ちゃんが「制限」を有効に使うことで一時代をかくすることとなったというソーシャルネットの逆接という論旨が面白かった。ケータイ小説側からのメディアを軸への文学の反撃=てこいれもおもしろかった
熟読。SNS、ニコニコ動画、ブログ、2ちゃんねるなど、実際にわれわれが集っている場所に検証している。1つ1つの検証にユーザーとしての著者の視点があって深い。著者は、管理者や規範が存在しなくても、あたかも自然生成されるように発展していくネット上の場所について関心を示している。まるで、都市のなかで人々がうごめき、場所がつくられるように…。最後のほうにネットの世界は、現実からの逃避でも仮想現実でもなく、現実との繋がりの上で生成されている場所なのではないかと力強く語られている。
「アーキテクチャ」「生態系」という視点を導入し、環境管理型権力を用いた社会設計から見るWeb社会論。思想地図vol.3アーキテクチャ、さらにはisedよりも読みやすいかもしれない。そのくらい平易なことばで書かれ、具体例が多いため、非常に読みやすい。入門書としておすすめ。しかし、具体例で出るソーシャルウェアの仕様など、出版当時と比べて既に色々と変わってしまっている。レッシグに代表される考えを、出版当時の日本の現状に適用して軽く解説したという感じなので、より抽象的で汎用性のあるものを求める人には物足りない印象
アーキテクチャの生態系――情報環境はいかに設計されてきたかの
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