倒立する塔の殺人 (ミステリーYA!)
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倒立する塔の殺人の感想・レビュー(469)
再読です。周りと迎合しようと必死な設楽を侮蔑する三輪達や彼女があの人にあの小説を読ませて作家になろうと一時、決心したことに少女の残酷さと戦時中の息苦しいようで彼女たちなりに自由でいた雰囲気に陶然とするしかありません。手記の途中で所帯が変わった「余計なことを」にはその文に含まれた情念の底暗さにぞっとします。カバーイラストが「開かせていただき光栄です」も担当した佳嶋さんであることにも作品の淡いようで退廃的な倒錯を増しているように思います。
子供向けの小説、なのだけど、子供向けとは思えず大人でも十分楽しめる。他の作品と同じ、それぞれの視点から物語っていく手法、不思議な倒錯感が 今回は戦中戦後の日本の女学院がベースに。
戦時中のリアルな描写がありつつも、退廃的耽美な雰囲気がそこはかとなく。 これがYA作品だとは。作者の年齢にも驚愕。「よけいなことを」は夜中に読んでてゾクっときた。
子供向けのシリーズから出ているとのことだけど、とてもじゃないが「子供向け」の内容ではない。「早すぎる、という本はない」という作中人物の言葉が、まさしくこの本そのものをさす。 ミステリーとしてもおもしろい。というか彼女の本はどれも、解決するところがおもしろいのではなく、解決に至るまでの謎の展開の仕方が異様なほどにおもしろい。倒錯というか、高揚感というか、激しくグサッとくるものを期待してるのか、なんなのかよくわからないんだけど、そのなんなのかよくわからない濃厚なものが、ねっとりと渦巻いてる怖い魅力。
異分子のイブとあだ名される主人公はあだ名の通り変わり者として級友達のなか浮いている。イブは次第に級友の一人と親しくなり、彼女からノートを一冊渡される。タイトルは『倒立する塔の殺人』。それは数名の少女たちにより紡がれる小説のタイトル。それと同時に物語に模して隠されたひそやかなメッセージ。戦中・戦後の女学校を舞台に繰り広げられる物語。イブの語り→イブのよむノートの語り→さらにすすむノートの物語…と蓋を開ければさらに蓋が現れる、迷宮に迷いこませるような一冊。
図書館で惹かれて。第二次大戦末期の女子校が舞台。女の子の世界の独特な雰囲気があり、恐ろしくも美しい感じの話。事件がどうこうというよりも、作中の本に関わる女の子や女性の感情が魅力的で惹かれました。
想像力をかき立てるタイトルにひかれて衝動借り。YAということになっているようだが10歳くらいで読んでいたらそうとう怖かったろうと思われる。純粋なゆえの狂気。スタジオライフで舞台化しないだろうか。
新制の都立高校1回生だった母は洒落た友人を沢山もっていた。きっとこの話の登場人物たちと共通する部分もあったのだろう…垣間見るような読感。本のカバーをはずすと孔雀の柄のノート仕立てになっていて吃驚。
「ななつのこ」と同じような入れ子構造(話の中にまた本が登場する)なのですが、こちらは耽美系ミステリー。癖もありますが、非常に読み応えのある物語でした。幻想的とは、この人の作品を表す言葉かもしれません。読み終わって、装丁を眺めているとゾクッとしました。
ファンタジックなミステリ作品……かと思いきや、戦時中という舞台設定や女学生たちのリアルな日常風景に正直驚いた。作者の年齢を知れば、ある種当然の雰囲気ような気もしてくる。初めはあまり印象が良くなかったが、後半に近づくにつれだんだんとスリリングさを増していき、最後には十分な満足感が味わえた。トリックも幻想感も申し分ない。良作。
4・5点/5点。多重構造に幻惑されて読後にため息をつける良作。綿密な物語世界の構築が動機にも説得力を持たせている。まさしくプロの仕事だ。
戦時中の女学校で起こった失踪事件のお話。こう、じんわりぞわりと来る。個人的に、上月さんは宝塚の男役っぽいイメージがあります―‥って、感想になってない(笑)
戦争中の話も盛り込まれているのにヨーロッパっぽい耽美さを感じるのは何故だろう…。この独特の空気感、悪くないです。
戦中、戦後、女学生、女子高…交換ノートな小説…。雰囲気が好き。書かれた物と実際とが時間もばらばらに配置されているのに、ちゃんと結末に収束するのがこんな短い小説でも綺麗にできてしまうなんて…すばらしい。おもしろい。
ああすごくおもしろかった!!戦時中の女学生、ミッションスクール、数人で書きつづった未完成のノート、という設定だけでもたまらん。犯人探しも面白いが、語り手(書き手)が変わっていく構成が素晴らしく、前のページに戻ったり、章と章の間を想像したりでドキドキした。出版当時作者が77歳というのにも驚く。この歳でこんな作品を書けるとは!!調べただけではこんな文章は書けない、きっと作者の経験もはいっているんだろう。少女達の美しくて残酷な世界の雰囲気がとても好みです。
★★★★…耽美で残酷な物語。物語が持つ独特の空気にあてられて少し疲れてしまった。ジャスミンを飲むたびにこの物語を思い出すだろう。ところで、カバーを外したときの仕掛けが好みです♪エンデのはてしない物語みたいで。ハードカバーならではの楽しみ。
「生を軽んじているから、死も軽んじる。(略)他人に説明できるような理由は何もなく、水たまりを越えるようにひょいと死ぬだろう。(略)気軽に水たまりを越える前に、爪先で水を蹴るぐらいのことが、手首を浅く傷つける行為だろう。」
すごく耽美な世界だった。こういう方面は長らく敬遠していたので、読了後は軽い疲労感を覚えたほど(笑)。まったくの見当違いを承知で書くと、想い人に拒絶されたことをきっかけに、胸の内にさかしまの愛を育んでしまった犯人の辿った顛末は、わたしに野村史子さんの『薔薇はもうこない』を思い出させた。どんなに美しかろうと放っておけばいずれ散るさだめの花を、なぜ人は急いて握りつぶしてしまうのか。すなわち他人には即物的な死としか映らないそれを、皆川さんはいとも簡単に、うつくしく昇華させてしまった。手練の様式美に翻弄される佳品。
作者が1930年生まれっていうのは本当なんだろうか。もう80歳じゃないの!えええ!!信じられない・・・この戦時中の女学校って話、本人の経験もまじってるのね、歴史ものじゃなく。幼い時からお花とお茶を習わされ、とか。
子供向けと思うなかれ。この本はまさしく、皆川博子作品でございます。儚げで純真無垢故に残酷で狡猾な少女達、紡がれた小説に隠された真実と嘘、物語が現実と融合する瞬間の陶酔の描写は白眉としか言いようがありません。「子供向けだから・・・」と躊躇っている大人も「素敵な本と出逢いたい」と思っているこれから大人になっていく子供たちも読んでもらいたい残酷で美しい物語。
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
コメント(0)
- 05/30
ヤングアダルトレーベルだからと侮ってはいけないのだろうけど、ヤングアダルトレーベルだから割と入りやすかった。(ヤングアダルトとは呼べない人間の意見ですが)戦中戦後がモチーフの少女小説って、一種独特の味わいがあるなぁ。
表現したいことは表現したときには嘘になる。しかしそれでも書かなければならなかった。そんな本当の小説家なのだろうか。私にとってまだまだ道は険しい。
現実と一冊のノートの書記が重なってひとつになる。戦時中の女学校っていう設定も珍しくて面白い。読み終わった後は紅茶が飲みたくなるようなならないような、そんな話でした。
戦時中のミッションスクール。少女達の間で流行する小説の回し書き。一人の少女の死の謎。現実と物語がふらふらと揺れて、甘美で妖艶な世界を構築している。
読後は「ぜんぜんYAの枠にはいりきらないっ」でした。「死の泉」くらいしか読んでないのですが、耽美な雰囲気が好きな作家さん。作中作の回し書きノートがもはや本編と一体化 ミステリを犯人探しより物語として読んでしまう私にはとても充実した作でした。戦中にはその当時の、でも現代にはまた別の抑圧が少女にはあるのだなあ
子供だからこその残酷さ早熟さを兼ね備えてる。ミステリーYA!って対象年齢どれくらいなんだろう。今この年齢だからこそ美しさとか感じられたがもっと早く読んでたらわからなかったと思う。。
少女時代の妖しさや毒々しさが漂う本。低年齢層向け、と侮ってはいけない。あたしみたいに少女時代がすっかり遠い思い出になってる人も、対象年齢の子達にもぜひ読んでもらいたい。今の流行の作家さんにはない表現の美しさがあります。
表紙絵に惹かれて読んでみました。ストーリーの構成すごかったです。なるほどね!ってなりました。しかし作者の方が80歳のおばあちゃまとは知らなかった..
倒立する塔の殺人の
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感想・レビュー:158件














































