樹上のゆりかご
樹上のゆりかごを追加
樹上のゆりかごの感想・レビュー(422)
男子生徒が4分の3を占める元旧制中学の歴史を持つ辰川高校を舞台にしたミステリー風味の青春小説。私は高校まで女子校育ちだったのでここまで男女の別を意識したことがないのでちょっと新鮮でした。学校っていうある種の社会から隔絶された箱庭の中でだけ通用するルールとか頑固に受け継がれていく伝統とかってあるよね。それを何となく絶えさせたくないっていう気持ちも、そこに疑問を持つ気持ちもすごく理解できる。サロメというモチーフの使い方やマザーグースの歌の使い方も素敵。
どうも前作があったようで、それを飛ばして読んだからなのか…。ヤンデレに振り回される学園もの…もしくはフェミニスト系と斬ることもできないというか…。ヤンデレは「サロメ」が出た時点で、ネタばれ。登場人物達はちょっとひと昔前の高校生といった印象。前作も読むことにする。
恩田陸がよく描くある程度の偏差値の高校に通う学生らの群像劇に似ているところがあるようで、あの集う男子らをはたから羨ましいと眺めるだけにとどまっていない、そのあり方に疑問符を浮かべる、時に否!とすら唱えるその感覚に深く感じいる。脈々と受け継がれてゆくものを肯定する力と抗う力。どちらも自分自身の内にあるものだという意味で。これは王国のかぎとはまた違った理由で忘れ得ぬ一冊。
ものすご~く正直に言ってしまうと、この物語のテーマというか、「ゆりかご」が何を象徴し、「名前のない顔のないもの」が何だったのか?は最後までよくわかりませんでした。 この物語を読んでいてひたすら感じていたのは、KiKi 自身の忘れかけていた高校時代の思い出だけ・・・・だったような気がします。 この物語の舞台となる高校と KiKi が卒業した高校は決して同じ学校ではないけれど、そこかしこに「ああ、これは○○高校; KiKi が卒業した高校 でいう所の、あの行事と同じようなものだろうなぁ・・・・」と関連付け
実はこれは王国の鍵の続編。ですが、読んでいる時は全く気づかずに読み進めてしまいました。主人公の少女は同じなのですが、こちらの舞台は現代であり、前作の要素はほとんどありません。全くの別ものとして読める作品です。
ひろみと夏朗の出会いから恋が始まるかも?な流れがとてもキュートできゅんとした。体育祭や合唱コンといった、終わってしまえば何の形も残らないものに全力を傾けずにはいられない感覚、懐かしかった。うーんそれだけ。近衛さんというキャラを通して作者が伝えたっかたものがさっぱり。再読するとまた違った感想が持てるような気もするので、また忘れた頃に読み返そう。
【再読】伝統って自分たちで終わらせようと思わないから続いていく、の言葉がすごく分かる。高校のころ、全国大会の連続出場を、一つ前できらして、自分の代でも復活できなかったことをすごくすごく思い出す。報酬が得られるわけではないのに、目標に向かってた時代が懐かしい。「死ぬことでしか終わらせることができない」も何かを終わりにするには、自分が犠牲になるしかないかな、とか自分の心情に近づけすぎて読んでしまう。話が進んでいくのが自分ではなく、周りに引きずられる? ひろみが傍観者なところが、この本を気に入っているとこです。
戦前からの歴史ある進学校で、男子だけの踊りがあったり、行事にやたら熱かったりするって、出身校に似ていて懐かしかったんだけど、、、近衛さんの病んでる感じが、私には消化不良。もうちょっと家庭の複雑な事情とか背景に踏み込んで欲しかった。ところで、最後の方の「平易な言葉が使えますね」って、すごく大事よね。本当に理解していたら、難しい言葉でごまかすことは必要ないし、相手に正しく伝わる言葉を選ばなきゃ、言葉にする意味も薄れる。有能な人って、誰にでも分かる表現が上手だよね。
『RDG』がおもしろかったので、こちらも読んでみることにした。進学校なのに、合唱、演劇、体育祭に手をかける高校生たちの日々。自分の出身高校に雰囲気が似ていて(自分のころは進学校ではなかったが)、懐かしかった。私服とか、休講とか。しかし、あの頃の一途な気持ちって、ある意味、すごいパワーがあったな、と。こわいもの、なかったかもしれない。
サロメを読んでみたくなった。演劇のあのシーンは、ほんとにドキッとした。どの人物も魅力的で、しかしまさか最後そうなるとは……。人を愛し続けるのは簡単だけど、でも、その代わり苦しいんだな。衝撃を受けた。
主人公の名前に見覚えがあると思ったら、昔読んだ「これは王国の鍵」の主人公と同一だった。あまりに別物な話だったので続編とは知らずに最後まで読んだ。
好みによるけど王国の鍵と違う子でやっても良かったようにも。「これは王国の鍵」の続編だと思って読んだので、いつこの前振りの学園の話が終わり本編に行くのだろう?と思いながら読んでいたがいつまでたってもそれが続くので、ああ、そういう事かと途中でようやく納得した。話自体は面白いキーが散りばめられていなくもないのだが、読みながらこれって作者の実体験なのかな?こんな学校だったのかな?と思う部分がいささか強すぎて(あとがきは本編終了後読んだ)「小説」としてのめりこむ部分を少々邪魔した。というかカトケンの立場が気になる。
荻原さんは本当にすごいと思う。「これは王国のかぎ」という超ファンタジーから、このリアル世界ストーリーへの接続がすごい。「これは王国のかぎ」でアラビア的世界に行っちゃった女の子が高校生になって、「あの体験は本当にあったのか?夢だったのか?」とか「あんなファンタジーありえない」って感じてる感じが、すごくリアル。江藤君がとにかく大好きです。初読から10年、彼の魅力が忘れられず読み直してみました。相変わらず大好きでした。ひろみと江藤君のラブストーリーが読みたい(笑)
「これは王国のかぎ」ってファンタジー作品の続編だと知らないでいきなり読み始めちゃったのですが、特に問題はなかったのでたすかった(汗)でもきっと、前作から読んだほうが良かったんだろうなあ・・・もったいなかったなあ。
RDGが気に入ったので図書で借りて読了。正直感想なしですまそうか、と思ったくらいで・・・私小説っぽさを感じてしまったんですよね。心理描写に生々しさがあったので。ヒロインが作家さんを投影しているのか、と。実際はわかりませんが。有里には最初から気持ち悪さを感じたので、ラストははっきりした形で終わらせて欲しかった。単なる自己中なだけでしょ、あの子は。不快ですね。ヒロインにもイライラする箇所はありますが。必要以上に卑下してるし、何をやりたいのはハッキリしない。ただ、それこそを描きたかったのか、とも思います。
辻村さんとは違う「エリートな人たちの自意識」を感じました。主人公はジャニだった頃のひろみとは別人のようだけど、その体験はひろみの心に深く根を下ろしていて、有理の心の闇(=執着心)と呼応する。何とも感想をまとめにくい物語だけど、高校生活における友達とか異性に対する気持ちや行事をクリアすることで積み上げられていく「三年間」という濃度を感じることのできる作品だと思います。
なりゆきで生徒会執行部に関わることになったひろみは行事のたびに起こる事件に巻き込まれていく。* 個人的な思い入れを刺激される物語だった(だから冷静な感想はナシ)。これまでの人生で戻れるのならどの時点に戻りたいか? てなことを考えたとき、迷わず高校時代を選ぶ。だから年をとってもこういう物語が好きなんだなー。ひろみが感じたこと、当時の私も確かに感じてたな。なんで男クラの人たちはあんなに楽しそうなんだろ。なんであんなに結束固いのかな。女子には入っていけない領域があるんだな。…思い出がよみがえって切ないな~
面白くて一気読みしました。文化祭のシーンでは高校時代を思い出し、あの時の学校の雰囲気はたしかに楽しかった。まだ2年前ですけど(笑)彼女たちの続編がでてたら是非読みたい。
事件は起こるが、推理物ではない。学園物に一種独特の美意識が織り込まれて、耽美的な少女小説の一種になったという感じかな。ジェンダーの問題にも触れられている。女の子であることの価値、保護されはする、崇拝もされる、でもそれは裏返せば愛玩動物レベルの鑑賞のされ方であり、社会の構成員としては扱われていない、というような。
主人公の伝統があり少し変わった学校での高校生活。偏差値の高い学校のせいもあり、生徒会が物語の中心でもあるせいか自分の学生時代と比べると大人びた感じを受けました。高校生らしさもあるけれど全体的に回転が早く思慮深い。こんな学生ばかりはいなかった(苦笑)のめり込むという程ではないけれどじっくり読める感じ。学校の行事に掛ける情熱やそれに伴う一体感・達成感がしっかりと説明されていて読んでてこんな学校に行きたかったととても思いました。自分に子供がいたら行ってもらいたいくらい。登場人物としては夏朗くんが好きでした
荻原規子さんの本はRDGを読んでから、ほかの本も読んでみたいと思っていた。手に取ったこの本は、「これは王国のかぎ」の続編でした^^;これだけでも楽しく読めましたが。笑 10代の心には表現の仕様のない思いに囚われている。誰かを追い求めることが素直にできない。素直な思いを言葉や行動に移せないのは自分にもよくある。これを超えたところに、「大人」があるのではないかと思う。
「これは王国のかぎ」の続編だと途中で気がついた。前作よりも主人公は現実的な考えを持ってる。みんながみんな自分をしっかり持っている気がした。
学園ものですね。合唱会や学園祭などの学校行事の雰囲気を思い出して、懐かしくなりました。あの雰囲気、もう一度味わいたい!そして、皆さんのコメントで続編だと知りました。そちらを先に読むべきだったかな。なんにしても著者の作品は初読みなのに、最初に選ぶ作品ではなかったような・・・?
発売時に読んだ時は反発を覚えたけれど、数年たった今読み返すと、ごく素直に面白いと思えた。多分、その時は有理のことをどう捉えていいか、さっぱり自分では落ち着き所を見つけられなかったからだと思う。名前のない顔のないものたちにはじかれると有理は言ったけれど、同時にあの学校の中で異分子で居続ける彼女は、名前のない顔のないものにされてしまったのかもしれない。ヨカナーンは鳴海でもありあの学校の伝統のことだったのかも。今回読み返して初めて、ジャニのひろみではなく、辰川高校のひろみに会えた気がする。そのことがうれしい
いちを「これは王国のかぎ」の続編です。他の方もいっていましたが、まったくの別作品として読んでください。ファンタジーではありませんよ。学園青春物語みたいな感じでしょうか。それほどドキドキハラハラするわけでもありませんが、サクサク読みました。学生の時って男だとか女だとかを一番気にする年頃なんでしょうかね?特に高校生は。青春って事か。そして青春中だからこその不安定な心を軸としたお話ですかね。よかったけど、ヒロミを主人公としてほしくなかったなぁと思ってしまった。
これは深いですね。ただの青春学園ものではないと思います。「顔のない名前のないもの」とは、現代社会にも共通するものでしょう。守られるものであるからこそ、弱くもあり強くもある。平等でない不安定さ。思春期のドロドロものはよくありますが、荻原さん独特の文章でとっても読みやすい。「六番目の小夜子」とも「ソフィーの世界」ともかするところがありました。前作とは全然違うけど、これはこれで読み応えありです。★★★★☆
サロメ、女神、マザーグーズなどなど、いくつかのキーワードがきれいにまとまっていく様に圧巻。荻原さんの作品はエピソードひとつひとつの美しさと、それらを包括して全体像を知ったときの爽快さがすごいと思う。
「これは王国のかぎ」の続編ということで、つい「ハールーンどこ!?ハールーンどこ!?」と息巻いて、すごい勢いでページを進めてしまいました(笑) が、前作とは、雰囲気が異なるので、続編だということは頭の片隅にとどめる程度でよろしいかと。都立高校を舞台にした青春小説(帯参照)です。冒険!ファンタジー!をお求めのひとには物足りないかもしれませんが、これはこれでよかった。高校生の頃のちょっと危ういかんじとか、辛さとかに共感。落ち着いたしっとりとしたお話に、ぱっと清々しい江藤君のキャラクターが素敵です。
青春を過ごしている頃は不安定でギリギリのところで成り立っている。そして、そのことを当事者は気づいていない。まさにこの表紙のようだと思う。短い間にたくさんのことを経験して、また吸収力もある。だからなのか、青春という言葉から濃密なキラキラ感をイメージする。みんなが高校生活を通じてどんな大人になったか、夏郎とおひいさんの後日談が知りたい、そんな終わり方。
勾玉の人のだーと思って手に取った。呼んでたら、あまりにも地元の某高校をモチーフにしてるなぁと(実際そうなのだけど)、そちらに気をとられるばかりに物語に入り込めず。
王国のかぎの続編だけど、まったく違う作品。主人公はひろみちゃんですが、向こうの世界に飛んでしまうということもなく、男子が多すぎ・やたらと生徒の自主性が尊重されている高校に通っている。学祭や体育祭は異常に楽しそう!あの前準備段階のざわざわとした落ち着かない空気感はたまりません!今回は女子の愛憎の深さからくる、行動や思考の怖さをみせられた感があります。有理さん友達かなり少ないだろうな〜。
樹上のゆりかごの
%
感想・レビュー:88件














ナイス!






























