フロム・ヘル 下
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フロム・ヘル 下の感想・レビュー(198)
「すべての時間は途方もなく巨大な永遠のなかに同時に存在する…見えざる曲線が幾世紀ものあいだ昇りつづける」 時間軸を超越して顕現する魔術的イコン、“切り裂きジャック”。「卑物質」は「精製」され神となったのか?我々にできるのは拒絶することだけだ。「地獄に帰れ。二度と戻ってくんな!」
この上下巻あるいは1888年のロンドンあるいは切り裂きジャック事件に詰め込まれた宇宙の広さよ。註解さえも、読むのに本編と同じくらいの時間が掛かった(見直しながらだけど)ほどの圧倒的な情報量。それに埋もれながら佇立する「真相」の説得力自体もものすごい。ただ日本の漫画に慣れた身としては、説明の少なさやらコマ割りやら荒い絵(顔の区別が難しい…)やらがとっつき難かったのは確か。(稲)
アルツハイマーを発症して幾年か経ったような者によって描かれた絵でありながら、圧倒的な描写力。アジア圏には無いセンスである。当時のイギリスの暗黒面を歴史的な側面のみならず風俗的な意味ででも描ききった稀有なる作品である。イギリスに興味ある人は是非ご一読お!!
「きみは本当に見たことがあるのかね?本当の啓示を?ない?そうだろうな…だが、わしはあるぞ」 殺人を重ねる中で理性が崩れてていくガルが、最後の殺人において、「前兆→徘徊→求愛→儀式」のループから幻視により狂気に堕ちる第十章の迫力の凄まじさ。 そして彼が死ぬ間際に時空を越え未来の殺人者達に種を植えたという恐怖幻想。 膨大な資料から抽出した濃密な情報を紡ぎ創作部分で補い矛盾ない形で作品に昇華されたアラン・ムーア。恐るべし。 リッパロロジスト達の奔走をオマケマンガにするサービスっぷり。 カモメはまだ飛んでいる。
うーん。。。つらいまま、下巻に突入したが、結果、つらいまま読了となる。 正直、よくわかりませんでした。 時間をおいて、再読するか? うーん。。。しないだろう予感がひしひしとします。。。
上巻の途中から恐ろしく凄いものを読んでるという実感がジワジワ湧いてきた。巻末解説をサブテキストに何度も読み直したい。しかし、普通に蔵書としてるとは何と信頼できる市立図書館よ。
本編も解説も読みごたえがある。なのにまたすぐに解説と見比べながら読み直したくなる。しかも、今までに味わった事のない後味にまだ私の胃がついていけてない。
最後に残るのは読み物と、墓碑銘。虚構ではあっても、ありえたかもしれないと信じるに足る過去に、すっかり魅了された。補遺がまた素晴らしい。長いけれど読ませる註解のおかげで、本編を見る目も歴史を見る目も変わった。
モノクロで鮮やかに描かれた世紀末のロンドン。虚実も時も超えた惨劇が濃厚かつ猥雑に語られる。読む人を選ぶ、と書いていいものか。読んでおいてアレですが、私はどうもアラン・ムーア読後は気分が落ちるので。いや、好きなんですけども。
「ここに描かれているのはあの夜起こったかもしれないことのあたうかぎり正確な描写である。あの夜。あの部屋で。あの心の中で。」圧倒的な情報量を詰め込むことで神話的な構造を形作っていく(補遺が長い長い…)。日本の「漫画」とは全く違う方向への進化。「わしを見よ!目を覚ましてわしを見るのだ!わしはそなたらの中にいる。いつもそなたらの中にいる!」
これも「ウォッチメン」同様、一回読んだくらいでは咀嚼できない。巻末にものすごく詳しい各章ごとの解説がついており、それも頼りつつ理解していきたい。
補遺も含め、すごい情報量に圧倒された。その半分も味わえていない気がするので、そのうちゆっくり再読したい。ヴィクトリア朝やフリーメイソンなどに関する本も読んでみたくなった。
ちりばめられた様々なモチーフ。そのひとつひとつをモザイクのように敷き詰めていくと、ひとつの像が浮かび上がる。見る人によって違って見えるその像は、切り裂きジャックとして人々を幻惑する。あまりにも見事な技に、茫然とするばかり。
細部までとにかく生々しく描かれたヴィクトリア朝イギリスの描写に圧倒された。この緻密な設定と描き込みにより、状況証拠に頼った推論が非常な説得力をもっていた。要再読。
ジョニーデップ主演で映画化もされた(内容は若干異なるものの)切り裂きジャックに関する大胆な推理。切り裂きジャックは個人的に興味深い歴史的事件であり、フリーメイソンを絡ませてあるあたりもなかなか面白い。緻密な付録に作者の意気込みが感じられる。
怒濤の展開で一気にラストまで…これは凄いぞ。特に第十章の壮絶さといったら!(なぜだか「アキラ」を連想しちまった)…全部は理解できてないのだが、傑作だというのはわかる(そんな気持ちわかるでしょう♪)。再読必至だな〜。しかし、ジョニデの映画版は観たはずだが、よく覚えてなかったのが情けない…。
下巻に来て、ようやくグラフィックノベルそのものに慣れてきてノリノリ!流れるような絵が映画を見ているような幻視感すらありました。怒涛の最終段階まで強烈に伏線が張り巡らされ、最後の補遺を読み込むとまた色合いが違ってくるという・・・狂気、暴力、暗黒。小説にひけを取らないかもね、これだったら。
兎に角、最後の殺人の現場を描いた十章が圧巻。外側から見た描写だけではなく、殺人者の内側が壮絶に描かれている点で。そして、これまで随所に織り込まれていたものが一気に噴出す最終章への、静かながらも怒涛の展開も。また、補遺を読むと、それぞれのコマに、当時の生活や残されている事実などが反映されているのかに眩暈がする。またこれまでの仮説をすべて取り込んだ上でそれをうまく描き、更にその上へと至らせることに成功している。切り裂きジャックに取り憑かれ、踊って、脅さされてきた人々について淡々と示した補遺IIも非常に興味深か
下巻の末尾に解説が載っており、これを読むと再読したくなるという感想もネット上にはあるが、私は再読する気にはなれなかった。上下巻で5,460円。読む時間もかなりかかったのに・・・残念。
「これははじまりだ、ネトリー。単なるはじまりにすぎん。良いか悪いかは知らず、二十世紀のな。わしがそれをもたらした」。ガル博士の魔性は、19世紀末のロンドンから、やがて20世紀へと伝播していく。呑まれ、振り回され、押しつぶされてしまうがごとく、圧倒的な物語。フラフラになりながらも、恍惚の読後感が全身を震えさせる。唯一無二の読書体験。アラン・ムーアの偉業にひれ伏す。
読み応えがありすぎて困る。 すべての要素を組み合わせれば、これ以外無いという「真実」を語っていて、それがとても素晴らしい。たとえ要素を関連付ける証拠がなくても。
第10章の壮絶さ!言葉に尽くせぬ(だから絵なのかも)、ものすごい表現だ。補遺が面白く読めた。これはすごい。帯のうたい文句、これほど本質に迫ったものはないだろう。深夜、見知らぬ紳士からブドウを勧められても食べてはいけません。
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感想・レビュー:69件














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