囚人のジレンマ

囚人のジレンマ
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囚人のジレンマの感想・レビュー(53)

この本によく出て来るフレーズを一つ。「われわれはときに、自分の意志で行動するよう他人にけしかけてもらう必要がある」

「結局のところ、父の病とは、人を、彼らが愛されるにふさわしいかどうかも知らぬまま愛したいという欲求だった。拡大する一方の、報復を旨とする脅威、それを肯定した世界にけっして愛想を尽かさなかったことから父の狂気は生まれていた。自分を解放するために自分を閉じ込めるという、現代史の特別な時間を父は生きた。」

09/03:Yoshi
個人と家族と世界の関わりを俯瞰しながら描いたパワーズの2作目。素晴らしかった!完全につかめてはないけども、3つのストーリーがあたかも円環するかのようにわかってくる終わりの方は読んでいてゾクゾクしました。舞踏会~と同じく一度挫折し暫く積ん読でしたが最後まで読んでやっぱり大満足。そして読んだのが今年の日本であることも意味があると思えました。パワーズはいいですねぇ。引用や注釈が多くてとっつきにくいような感じなのに、読み終わると最終的に優しい感じがするのがすごく好きです。
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 08/28

4年ぶりの再読。「一個人の決定が世界にどれだけ影響を与え得るか?」という問いとその変奏が随所で投げかけられ、作中人物たちは息苦しいほど真剣にこの問いと格闘する。決して読みやすくはないし、展開される議論も複雑で、一足飛びに安易な結論に飛びつくことも周到に避けられているが、作家の真摯さ、切実さ、そして誠実さがにじみ出ているような語りの力に導かれて、後半は食い入るように読んだ。特に作中映画のシーンは圧巻(憂い顔のミッキー!)。ラスト近くでさりげなく明かされる「語りの趣向」も鮮やか。やっぱ、パワーズはいいなぁ。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 08/16

家族の物語でもあるし個人+個人+…の物語でもある。 家族間の優しくて不器用な交流が描かれれば描かれるほど、 どうしようもなく個人を意識せずにはいられない。 そして全体に対する個人の物語でもある。 全体に対した個人が磨り減りながら、それでも知的に奔放に周りと接する様を見ていると、 また翻って家族の結びつきを強く感じさせる。 ストレートで且つ複雑、あとがきにあるように「あらゆる問題を多面的に考えることを促す」小説だと思う。「肛門科の先生が言ったよ、『ぢっとして』」原文がどうなってるのか気になった。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 07/18

家族を扱った小説は少し苦手だったけど途中からからグイグイ引きこまれて、やっぱりパワーズは面白い、そしてもう少しで終わり...というところで愕然とした。兄と弟?真ん中?えええ...となってもう一度読み直している。実は最初から提示されていた。彼の小説はやはり一筋縄ではいかない。

06/29:
03/25:Slave
02/06:こにょ
3ヶ月かけて読了。スタート時は非常に読みにくいものの、だんだん一つに収束していき次第にすーっと読めるようになる。

10/27:my_you
100ページ読んだところで挫折しそうになったけれど我慢して読み続けていたらウォルト・ディズニーの話が出てきて俄然面白くなってきた。3つの章は混じり合いそうで最後まで混じり合わず?「カラマイン」の章の書体が数字の章と同じだったのはなぜ?あの章がなければ全てが混じり合うのに。でも「僕」の章では僕の姉や妹が出てきているから、すでに数字の章の世界とは食い違いが、いやでも姉も妹も英語ではsisterじゃないか?等々、色々考えてもすっきりとした答えが出ない。
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 09/16

08/13:Tochi
07/01:metheny39inori
06/01:Ong
難しい!クライマックスあたりの話では、なんとなくグラウンド・ゼロを思い起こさせるような描写で、これまで進んできた道は果たしてよかったのだろうか、これから別の考えに目を向けていくべきではないのか、歩いていくべきではないのか、等々、なんとも前に進んでいくような感じがして非常に好きです。「私たちは」から「私は」へと、個人がどう行動していくのか、ということが大切なんでしょうね。難しいことですけれども。訳のわからない部分もありますが、最後はなんとなく爽やかな感じ。長かったからかな。

01/21:キルケ
処女作執筆時には著者自身「だれも読まないと思った」そうだが、本作でも見事にそのスタイルを貫いている。歴史的事実に連想を広げ、一見つながりのない地点を想像力でつなぎ合わせて、個人的な想いと社会全体への憂いを重ね合わせていく。とんでもなく饒舌で、ストーリーよりも膨大な「言葉」を読む感覚は変わらないが、無数の知性の枝葉の根本には熱いエモーションを感じる。かなり好きな世界です。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​ - コメント(0) - 12/22

家族の物語を戦争の縮図として見ると、戦争が無くならないのは誰にも分かっているんだけど、状況は良くなるんじゃないのっていう楽観的な気持ちに落ち着かせてくれる。世界終末時計が6分前だとか言われてたけど、そんな無駄な危機感より断然正しいんじゃないかと思います。
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 11/17

tom
なんとか読み終えた。8月から,長距離移動の時に重い本を持ち運んで,ボツリボツリと。「われらが歌うとき」のおもしろさが未だに残っていて,この本もという期待から。しかし,疲れた。コメントをみると,みなさん,傑作と褒め称えているけれど,複雑すぎて,わたしにはとても楽しめる世界ではありません。しかし,これまでのいきさつもあるから,次の作品も買ってみよう。それでも楽しめなかったら,ギブアップかなあ。少し残念だけど。
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 10/17

fig
章毎の関わりとキャラクターの言動を順序立てて理解しようという、いつもの何気ない習性に従って読み始めてしまい、途中で挫折しかけた・・。が、まずは感覚で捉えようとすれば、1家族と1個人でしかない彼らがその場で或いはずっと、苛まれ続けており、多分自分も落ち込んだことのあるもどかしさ、人と人の世への希望とそれ信じきれないときに取る逃避の態度、もしくは逃げられない絶望の感触を得る。それにしても、キャラクターのあまりにも明らかなその言動や考え方には時々「むきーっ!!」となる(笑)。それだけ豊かな人間像ということですね
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​ - コメント(0) - 10/11

一気読み推奨

09/15:HAMSUKE
バラバラに進行する物語がだんだんと収束するにつれて父親の狂っているかのような言動の真意が明らかになっていく。まずまずの家族でいられそうな主人公たちはとりあえずハッピーエンドか。ジョークを読むための前提条件がこちらにほとんどなかったため序盤は読みにくかったが、ストーリーが見えてくればなんて事はない。家族から様々なものに発展しつつも基本的には家族のかかわりあいの話。
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 09/04

段々と一点に収束していく、ある種のカタルシスを往々にして、こうした訳本に感じることが多い。話が可能な限り発散していき、しかし何時の間にか収束、つまり、終わりを向かえている、という体験の中で、人間の思考への挑戦と関係すること、そして論理的な、無機的な空間がそこに広がり、新たなる知に解放されていく。囚人のジレンマが解かれた時に、きっとそうした「関係性」の新種が発見されるのだろう。興味深く読めた。快作。
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 09/02

囚人のジレンマ。人は他者を信頼することが出来ずに、明らかに最良と思われるはずの行動を選択できない。また囚人を解放することは、同じ数の囚人を新たに収監することでしかない。世界は得体の知れない病で悪くなるばかり。膨大な数のジレンマのバリエーションが登場し、読者はいかなる行動にも移れない、何の選択もできない状態に追い込まれる。そんな中現れるミッキーマウス。ミッキーの想像力に導かれた人間は囚人のジレンマを乗り越えることができるのか。他者は信頼に値するか。個人は世界の病を治せるか。政治学的、社会学的にも優れた傑作。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 06/02

信じること、その可能性、そしてその困難さ。絶望の中の小さな小さな光はわたしたちに捕らえられる日を待ち続けている。
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 05/09

フクザツ。柴田さんのあとがきがなければ消化不良だったかも。まぁでも読み終えてみれば、どうしようもない世界に生きている自分たちのことを少しは認めてあげてもいいかも、という気持ちになる。
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 05/02

絶望の中でなお理想を語り続けるのは正気の沙汰ではないかも知れないが、「正気」を裏付けているこの社会では誰もが(家族でさえ!)猜疑の檻に分断されている。『it's a small world』を理想として掲げつつも、やはり口をついて出るのは『It's only a paper moon.』なのだよなぁ。ただ、それでも、もしも…という微かな希望を捨てきれないままで。

どーしょもない世界と、どーしょうもない家族。救うのは、知恵なのか、信頼なのか、はたまた表紙の鼠耳男なのか! そのどれかではなくて全てだった。そんなお話。

03/09:FACE
「少年はにわかに、その世界を実現したいという思いにとり憑かれた。自分を可動式のふるいにつくり変え、混沌から秩序を抜き出し、ものごとをあるべき場所に導いてエントロピーを減少させたいと思った。僕の知る限り、父さんは信じることをけっしてやめなかった------もし自分自身のミニチュア展示を最後まで追いつづければ、いつかは館の外に出て、究極の実物大展示にたどり着くのではないかと信じることを。」(p92)あるべきことを、もう少しだけあるべき場所に。コメントでネタばれ含みの追記。
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(4) - 03/02
相楽(twitter:sagara1)
交響曲「アメリカ」、交響曲「新世界より」、交響曲「ファンタジア」。
ナイス!ナイス! - 03/03 09:06

相楽(twitter:sagara1)
「人といふ 人のこころに 一人ずつ 囚人がゐて うめくかなしさ」(石川啄木)
ナイス!ナイス! - 03/03 09:13


誰だって、硬直した網目なんて破りたいに決まっているよ! そのくらい、わかってるよ! ちょっとは察しなさいよ、バカヤロー! (cv.茅原実里)
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 02/26

前半はなかなかペースがつかめず苦労した。が、バラバラな物語が徐々につながりだすと一気に読了。やっぱりパワーズ。いいねぇ。

10/18:たいさ
07/22:crysalis
07/16:cowley
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囚人のジレンマの 評価:100 感想・レビュー:28
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