食堂かたつむり (ポプラ文庫)
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食堂かたつむりの感想・レビュー(1822)
久しぶりに再読。やっぱり、おかんの手紙のところは泣いてしまいました。倫子の作った料理はどれも美味しそうで、実際に食べてみたくなるのばかりでした。
前半は美味しそうな料理のある温かい話、後半は少し残酷で切ない話。どんなに確執のある母娘でも親子なんだと、母からの手紙を見て思った。立ち直らせたのもやはり母の力。料理のひとつひとつ、食材のひとつひとつが丁寧に描かれていて、食事の大切さをしみじみと感じる。残酷に感じる場面も普段は見えていない食の本来の姿なのかもしれないなと思う。あんな素敵な食堂に行ってみたいな。
ほんわりとした優しい気持ちになれました。ひとつひとつの料理と、それを食べるひとりひとりと丁寧に向き合っていく倫子さん、素敵です。…後半の展開が少し残念でしたけど。
【ネタバレあり】 美味しそうな料理がいっぱいで途中まではすごくほんわかとした気持ちで読むことができました。だけどおかんの最後のお願いには完全萎えました…。それまで「ペット」として育ててきたのにいきなり「自分が死ぬから残しておくと可哀想」という理由で食すというのは結局人間のエゴだと思います。犬とか猫とかを同じ理由では殺さないですよね…。「豚」だからいくらペットでもそういう運命を辿らせるというのはフィクションだと分かってるけど気分はよくなかったです。
ドタバタしたシーンもあるのに、しんしんと積もる雪のようにストーリーが流れていく、そんな印象を持ちました。昔の人は食材とともに生活していたはずで、当たり前のように食材に感謝し、また食べる人の幸せ(今日一日の無事とか)を祈りながら食事を作っていたのではないかと。その記憶が遺伝子のどこかに残っているので懐かしいような感覚になるのかもしれません。(というのは大げさか?)ところで単行本と文庫本って表紙が間違い探しになってたりしますかね?(^-^)
予想通りの内容で、予想以上に良い作品だった。 料理の描写が細かくて、食材の素晴らしさや美味しそうな雰囲気が伝わってきた。概ね期待通りの内容。欲を言えば短編形式にして、それぞれのエピソードを際立たせた方がよかったかも。美味しいものを食べた幸福感と、とても面白い本に出会えた読後感は似ていると僕は思う。そういう意味でもとても美味しい物語でした。
ほのぼのしたお話だと勝手に思っていましたが、読んでみるとなかなか残酷な部分もあり、その残酷さも淡々と綴られていてちょっと怖い感じのする箇所もありました。とはいえ、食堂かたつむりができる過程や料理の詳細などが丁寧に書かれ、倫子の周りの景色が手に取るようにわかったし、味のある登場人物たちもそれぞれみんな良かった。子供が思う以上に親の愛は深いものなんですね。
食べるということは、"命"をいただくということ。植物の、そして動物の命をいただくことに感謝して、祈りをこめ、命をいただくからには美味しく食べて欲しいと、相手のことを考えながら調理をしていく。祈りの込められた料理の数々は、とても優しく心を溶かしていく。ヒアリングからはじまって、自分のため、そして大切な誰かのために料理を生み出してくれる、生命力あふれる食堂かたつむりに足を運びたくなった。時々、ちょっとした表現の仕方に違和感を感じることはありながらも、最後のくだりにはホロリとさせられました。
静かな、しずかな本。料理を愛して、祖母の生き方を愛して、その正反対の母をどうしても好きになれず、そのことに無意識に後ろめたさを持っている倫子。食堂かたつむりで出される料理はどれも相手のことをまっすぐに思っていて、だからこそ母との距離が痛くて。ネオコンのお茶漬けの辺りから最後まではほとんど泣きっぱなし。この本を読んで、ほんの少しだけ母にやさしくなれた。大好きなお話。
イタリアのバンカレッラ賞という文学賞の受賞作品。というか、文学賞に料理部門があるというのが、さすがイタリア。そしてそれだけ料理を愛する国からの評価というのは、この作品にとっては最大の賞賛なのかも、と思ったり。 全体を通して、料理、食というものの崇高さをじわじわと感じさせられた。 淡白な描写で、感動を押し売りしない書き方が好ましい。だからこそ、胸にすっと浸透するものがある。 祖母の料理には、魔法がかかっている。これは、世界中の人々の実体験なのだろうな。だから遠くイタリアの人々の心にも、この作品が沁みたのだ。
小川さんが同い年と知り、ますます好きになりました。映画も観たのですが【ジュテームスープ】が飲んでみたい!レシピ本も出たんですよね!買おうかな。
そんなにとんとんとうまくいくわけがあるか、と、何年か前の私なら思ったと思うけど。こんなに細かくまっすぐに一生懸命に頑張ってるひとだから、こうやって報われるんだなあって今は思う。料理のことは全然わからないから、そのへんがななめ読みみたいになっちゃったのが少し残念。
倫子の人生って・・・すごくいろんなことを若いうちに経験したぶんきっと料理共々味のある晩年へと向かっていくのだろうな~~なんて思った。
素敵な本に出逢えて嬉しくなりました。毎日、食事をしてるけど倫子のように考えたことがなかった。改めて食について考えてみた。楽しいとき、悲しいとき、怒ってるときなどの感情的側面。体調か良いとき、悪いときなどの身体的側面。1人、友達と、家族と、恋人となどの社会的側面。食べ物、シチュエーション。食だけでも奥深い。読んでて今までの食について反省。読みながらいろんな食事を楽しむことが出来ました。食堂カタツムリのような素敵なお店で食事を楽しみたい。大好きな人や仲間達と
年が始まって早々に、こんな素敵な本に出会えて幸せ。物語の深みと優しさが絶妙に絡み合って、自分を包み込む。とにかくご飯がおいそう。一つ一つ丹精に、思いやりを込めて作る料理の数々。それが奇蹟を呼び起こし、人々の幸せを運ぶ。読んでいて、心があたたかくなった。料理と人の絆がおくるハートフルストーリー。ぜひ、ご堪能あれ。【コメント欄にて別感想】
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
コメント(1)
- 01/14
想像以上に生々しい物語で驚いた。主人公には感情移入云々より、一人の人間の生き方として尊敬できると思った。食へのこだわりや自然への感性、一方で恋人や家族へのもどかしい想い・・・。そして、食べ物に気持ちを込めることの大切さを教えてくれる物語です。
声を失った主人公の一人称という事で、静かで淡々とした語り口。一つ一つの料理の描写が丁寧で食欲をそそります。解体直後の豚から職人のごとくソーセージを作り上げる姿には、ちょっぴり違和感。毎日美味しくご飯を食べられる事に対する、感謝の気持ちを忘れてはいけないですね。私も食堂かたつむりに行ってみたい!
料理の描写は想像を膨らませ楽しませてくれる。一つ一つの食材を慈しみ、感謝の心を忘れずに、美味しく料理をする。主人公の作り手としての心意気は素晴らしく、今の時代に生きる者として大切な気持ちだと思う。田舎での採り立ての野菜や山菜を使った料理は間違いなく美味しいだろうな。ただ、物語としては…強引で、後半は詰め込みすぎた感はあるし、主人公の人物描写も自分勝手で感情移入は出来ない。美味しいものを食べられることは幸せなこと。心も豊かにしてくれる。
料理や食材の描写がきめ細やかでこの辺に興味ある人は読んでいて楽しそう。話としては終盤の主人公の母親のエピソードあたりからやっと面白くなってきたなという印象。ありがちといえばありがちだけど最後は爽やかに前向きな気持で読み終えることができた。
・マタタビ酒を使ったカクテル・林檎のぬか漬け・牡蠣と、甘鯛のカルパッチョ・比内地鶏を丸ごと一羽焼酎で煮込んだサムゲタンスープ・新米を使ったカラスミのリゾット・子羊のローストと野生のキノコのガーリックソテー・柚子のシャーベット・マスカルポーネのティラミス バニラアイスクリームを添えて・濃い目にいれたエスプレッソコーヒー……出てくるご飯が美味しそうな小説にまず大きな外れはないというのが持論です。実際採算がとれるかなんてこの場合瑣末なことなんじゃないかな。
文庫書き下ろしが読みたくて購入。…うーん。BL慣れした脳で読んではいけない気がした。
思ったよりも淡々とした本でした。衝撃的なほとんど詐欺と思われる別れも淡々としていたし、終盤も出会いも淡々としていて、感情移入まではいかなかった。言葉ひとつひとつは丁寧な流れなのに話がぶつりぶつりと切れている感じ?がした。ページもあまりなくて軽いはずの小説だけれどちょこっと時間がかかったのは主人公に読み手の私が置いて行かれた感があったからかもしれないです。好き好き別れる小説かなって思いました。
覚えている料理(もといエピソード)もあれば忘れている料理(というかエピソード)もあり、新鮮な気持ちで再読できた。知っていても、やっぱりエルメスの結末はガツンと衝撃です。「いただきます」に込められる様々な思い、そして祈り。命を頂いて、命を繋いでいるということは忘れてはいけない。フルーツサンドの話は本気で腹立たしく、美味しそうなだけにひたすら悲しい。ザクロカレーは忘れていたけど、ジュテームスープは覚えてたw番外編の「チョコムーン」は可愛らしい!祖母が台所に立つ姿を見て大きくなった倫子。料理は、人を育てるのだ。
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
コメント(0)
- 12/26
1ページ1ページ 一言一句。ゆっくり、ゆっくり読ませていただきました。最後には心が気持ち良く爽やかになる物語。文章の表現というか、登場人物のピュアさというか、透明感があり実に女性的。でもいざ外食産業の「商売」の観点はついつい、コースの値段って幾らにしたんだろ?1つ1つの単価は?自生してるものも利用しているが、手の入りにくい「輸入商材」を使っているため、原価はどのくらいで、儲けは?回転率は1回転。改装費用による減価償却がいくらで、月度の借金返済(利子込)経費率は?と考えてしまうのは仕事の性分なのだろうか…
こんな食堂行ってみたい。日々の忙しさで疎かになってる、食事の大事さを再確認。食材に向き合うことの面白さをおしえてくれました。
食堂かたつむりの
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