利休にたずねよ
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利休にたずねよの感想・レビュー(825)
利休が切腹の日から時を遡っていくフィクション。信長、家康、光成そしてもちろん秀吉など歴史好きに楽しめる面々の人物像が利休をとおして浮かび上がってきます。そして何故に利休は切腹しなくてはならなかったのか?突出した才能への嫉妬?何者にも媚びない美意識。読んだ人それぞれに全く違った感想を持たせる本だと思う、そして読み返すたびに考えさせる小説だろう。深い~。
茶聖・千利休の生涯を、切腹の時から十九歳の頃まで時系列を遡りながら、様々な人の立場から描いているフィクション。利休の美に対する執着心は想像を遥かに超え圧倒されるものがあった。2009年直木賞。
究極の様式美のあり方を識りました。入り乱れる彼らの思惑はいつしか疑心暗鬼に陥り、緑釉の香合に秘められた死をも司る魅力に毒されていたかのようでした。時を遡るエピソードもまた、美を窮めんとする彼が血の通う一人の人間だったことを詳らかに教えてくれました。
2009年の直木賞受賞作品。 かつて茶道を習っていた。お茶、それは所作のひとつひとつが定められ、余分な動きがなく、一つも無駄がない。炭をつぐのも、形があり、香をたくと、ほのかに香りが漂い、はりつめた空気がやわらいでくる。 シュンシュンと沸くお湯の音を聞き、香りを聞き、器の色、形、お茶の色を見、その上で、お茶の味を感じ取る。 この本を読んでいて、その音、香り、味をまざまざと思い出した。 利休の美の追求の鋭さには圧倒される。それ故に秀吉から疎まれ、死を賜ることになる。物語はそこから始まり、時空を遡って進んでい
美へのすさまじいまでの執着が、鋭敏な感性を育むのでしょうね。利を休めという名前は至極納得。私は執着しない生き方がしたいです。
史上最も有名な茶人・千利休。
そんな彼の切腹から遡り、彼を取り巻く人々から見た千利休像。
千利休の求める「美」とは何だったのか、そもそも千利休とはどんな人だったのか…
茶道をやってる自分から見ても、やってない人にも茶の湯の持つ美しさ、なぜここまで惹かれるのかの魅力がよく書けている。
最後の65ページは非常に面白かった。そこまでの部分は3分の1ぐらいに圧縮してもなんら差支えないでしょう。 利休と言えば朝顔の逸話が有名だけど、この本はまさにそんな感じ。最後の三章を際立たせるために(なのか単に話が長いのか)そこまでの話はなんの驚きもない展開になっている。ついでに言うと、利休を目立たせるために他の人物を単純に描きすぎていて、読むべき部分が本当に少ない。「いつ面白くなるのかな?」と思いながら最終盤まで読み進めるのは苦痛で、利休が死んで正直せいせいしたぐらいだった。
日本人にしかわからない侘びさびを形に表し頑なに美を追求した結果また日本独自の妬みひがみブランド嗜好があだとなる…
凄くわかる半面頑固だなぁ…
山本兼一作品のベースを残しながら変わった書き方をしてもやっぱり面白い!
利休という人物に興味をもったので読んでみましたた。とても面白い作品でした。利休の美に対する恐ろしいまでの執着心。もう少し、利休について知りたいなぁ。と思わせられました。
利休の生涯を本人や周りの人々が語る。 秀吉によって自害させられる最後が周知の事実であることを逆手にとり、 徐々に過去に遡るストーリー展開になっている。 利休がそこまで美を追求する原点は何だったのか、最後まで読み飽きない。
表題に惹かれて読んだ。面白い。謎が、ある意味、最後まで謎なあたり、芸術(茶の湯)のとらえかた一つなのではと思う。 ほかの山本兼一さんのものも読んでみたい。
美はいつの時代も人を惹きつけ、時に狂気を生む。初めての時代小説だったが、そういった美意識への共感もあってすんなり読めた。美に絶対などない。自らの美を追い求めること、それが重要。利久に教えてもらった。
利休の切腹前から始まって、過去(なぜ美に執着するのかがわかるとこまで)にさかのぼって、切腹した後に進む。 利休の「美」への執着の具合がよくわかるように書いてある。利休だけでなく、他の人の美意識(?)(考え方)のようなものも書いてあって、非常に面白かったし、何か学べた気もする。。あと、わび茶だけで(お茶を飲むものや、場所も関係するけど)人の心を動かしたりするのが面白い。 ただ、利休が「美」に執着する原因となる女性が、美しく書いてあるにはあるけど、そこまで美しいのかが自分にはあんまし伝わってこんやった。
絶対的な「美」に執着するがあまり、人のこころを蹂躙し続けた偏執狂おやじ利休。己の「美」で、人の心を自在に操るほどの超人。人間らしいこころの機微を垣間見せるのが、香合のやりとりがあったときのみ。はたして、香合にはいかなる謎があるのか。ページをめくる手が止まらなかった。
物語の端々に出てくる緑釉の香合と、その見事な作りに魅せられて心を奪われる秀吉を始めとする茶人たち。その香合の元持ち主である高麗のお姫様と、若き利休の出奔騒ぎこそ、茶人利休の美意識を支えるものであった。歴史もので、登場人物も実在の人物、利休の切腹もそれに至る秀吉との確執も歴史本にある通りだけれども、香合に物語をつけたのは山本兼一さんのフィクション。若い頃の利休が悪党で、利休の美の原点が美しい女性にあるのであれば、利休がとても近くに感じられる。
★★★★/5 利休居士が嫌われたり好かれたるする理由が分かる本。「へうげもの」を読んだので、別視点の利休をどうしても読みたかった。この本では、千利休が、あくまでも中心。古田織部は存在感なし。 この世に或る美の基準を決める利休居士と、それを嫉妬する秀吉の確執が延々と描かれる。タフでなく、繊細な利休の姿に迫る。
権力者が嗜好をこらした食事をとるシーンはすごく腹が減ります。自然に対しても人工物に対しても、描写が生き生きとしていて、まさに耽美。
描写がとてもきれいだなぁと感じる一冊でした。小指の爪…桜色…ずっと大事に懐に忍ばせていた利休。美学を感じました。
利休のルーツやエピソードをたどりながら、少しずつ利休の内面に近づいていく感じが心地よかった。この近づくテンポと各登場人物の利休への印象の表現がとても淡々としていた。自分の仕事にこれだけこだわりと執念を持てるのは、それなりの理由があることが理解できるが、死を目の前にしてそれを曲げない強さがすごいな。オレなら客先に対して「分かりました!」の世界なんだがなぁ。
バイオリズムが合わなかったのだろうか、読み終わるのに2週間近くかかってしまった。武将や関係が深い人を脇役に美を追求する利休が描かれてるのだが、もう一つ心にひっかかるものがなかった気がする。各パートはいいけど、利休そのものに興味が持てない。肝心なものが足りないような感じ(ん)?
昨年に茶道体験をしましたが、この本を読んで改めて、もう一度体験したいと思いました。豊臣秀吉の激しい嫉妬心と利休の奥深く隠れた美に対しての欲望の描写が面白かったです。
「美しさ」にとりつかれる利休にぞっとさえしました。時間がさかのぼっていくのは効果的ですが、私にとっては慣れない手法。もう一度読み返したいし、いろんな視点から読めそう。再読必至です。
評価4.5。利休の一生を切腹の日から遡り19歳の時点まで描くという手法はとても斬新。1章づつ秀吉や家康、古田織部などとのやりとりを味わい深く、また、茶の湯の所作や名物道具などの細かい描写もきっちり情景がイメージできるように書かれており、まるで自分もその豊潤な時間を共有しているかのような気分を味わえた。今まであまり興味を持っていなかったが、強烈な美意識を持ち、最後まで秀吉に迎合せず死を選んだ利休という人物に惹かれた。他の利休本も読んでみたくなった。
読みすすめていくうちに時間がさかのぼっていく不思議な構成。千利休という人物がなぜ秀吉に嫌われていたのか今までわからなかったのですが、とてもよくわかりました。私はとてもおもしろかったです。
千利休の切腹から始まる、茶の湯と歴史が絡み合う情熱的な恋の物語。時間を遡って、その度に視点が変わるので慣れるのに少し時間がかかりました。それを差し引いても、とても魅力的な物語でした。不器用な人ですよね、この利休は。もっと生きやすい道もあっただろうに、才がありすぎるのもまた身を滅ぼす一因。そんなに美を追求しても、より生きるのが窮屈になるんじゃないかなと思えて仕方がないのです。そういう意味で、1番感情移入できたのは宗恩でした。利休のような鋭い人の奥さんになるということは、幸せだけど辛そう・・。
利休が死を賜ってから過去を遡っていく。この形式にあっと言う間に引き込まれた。利休が如何にして利休となったか、利休を取り巻く時代の流れがよく解る。侘び寂びに情熱というか執念というかドロドロしたものを覆い隠して静かにお茶を点てるというのはなんとも凄味があるなぁ。その恐ろしいまでの美の原点が女性、というのはちょっと思ったより俗物なんだなと感じたが、俗物じゃなきゃ黄金の茶室なんて思いつかないかなと考え直した。
話の構成と、美へすべて向けられる欲望っていうテーマはすごかった。ただ女性の描き方があんまり好きじゃない。司馬遼太郎もそうだけど、どうもなんか玄人の女性がモデルぽいというか、愛がない感じ。。
利休と秀吉のやりとりが熱い.2人とも平民から知力で出世したところが似ている.それにしても,いい大人が陶器の奪い合いをするのが本当に分からない.どこがそんなに所有欲を喚起するものなのか.
利休と利休に関わった人々を利休の死の場面から時間軸を遡る形式を取りながら描いています。それぞれの立場で多少の善悪の違いを含めながら、当時の有名人が出てきて楽しませてくれます。個性豊かなそれぞれの人物が魅力的です。歴史物でもありながら恋物語でもある奥深さと、一つ一つの風景描写や茶道の世界の表現方法、言葉遣いが素晴らしく、つぼにはまりました。
利休にたずねよの
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