イエメンで鮭釣りを (エクス・リブリス)
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イエメンで鮭釣りをの感想・レビュー(83)
奇想天外なプロジェクトを巡り、人々は様々な思いを交差させる。登場人物たちそれぞれが抱える個の悩みと、宗教や土地が紡いできた信仰の大きさの対比が感じられて、清濁併せ呑むとは、こういうことだなぁと感心してしまった。序盤のプロジェクト始動あたりの窮屈な感じから、イエメンへ飛んでからの静謐な描写への転調が良かった。読む前と読んでからの印象が全然違う本だった。
あらすじだけ読んで期待してなかった一冊、予想してなかった面白さに失礼しました。筋は豪快なのに、細部が変に現実的だったりして(夫婦間メールの一言にこもるイラッと感とか、上司メールのいやみとか!)引き込まれる。鮭泳がせてなにが嬉しいのかと思って読んでたのに最後にぐっとなってる。小説を読む幸せ感じた。
タイトル通り「イエメンで鮭釣りをする」という非常識にも程がある夢に向かって奔走する人々を描いた、ちょっとほろ苦いドタバタコメディ。ニヤニヤしながら楽しく読み、ラストの喪失感にしんみりしてしまう。たとえ夫婦であっても、他人を完全に理解することなどできないが、お互いを信じたり、歩み寄ったりすることはいつかはできるかもしれない。そういうささやかな希望を、軽快なジョークに包みながら読者に抱かせる、清涼感溢れる読後感でした。Eメールや日記、番組のト書き等、構成がユニークで読みやすかったです。映画はまだかしら。
楽しめました。どう考えても非常識な計画に、様々な立場の人間が大真面目に群がる様が滑稽。とりわけ政治が絡むと、どこの国も同じなのねと感じます。多くのお金と労力と犠牲が払われた重みと、フレッドの何事もなかったかのような平穏なラストも面白かったです。
砂漠の国イエメンの川にイギリスから鮭を導入して釣りを楽しめるようにしようというプロジェクトの顛末。メールや手紙、日記、新聞記事、議事録などの文書だけで構成された小説
イエメンで鮭を釣る、というプロジェクトが博士の中で科学的事業から神秘的経験へ昇華?されている課程がまあ、ご愛嬌。マスコミ各団体の反応の仕方とかはイギリスの知識がある人なら爆笑ものなんでしょう。残念。奥さん、離婚すると思ったけどしなかったなあ。ビジネスマンとしたら若干天然で猪突猛進型のように思えるので博士とはなんだかんだで似たもの夫婦だったのかもしれん。 あと、電子メール2通分しか出番がなかったが環境庁水産課長トム‐プライス・ウィリアム氏の言い分がイギリス気質というものなのか。
中東イエメンという宗教世界×西欧イギリスの資本主義社会、物質的なことばかりな妻×考え込む夫…などお互いに理解しあえない他者との関わりみたいなのが根底にあるのですが、そういうことは抜きにしてもユーモアとか皮肉なところがなんかイギリス!って感じでした。ああイギリス。一番のテーマはマジメに「何かを信じる気持ち」です。 映画化されるらしい。
「イエメンの川に鮭を放流して鮭釣りを楽しむというプロジェクトをやります」「えっ」というのが、水産学者ならずとも一般的な反応だろう。壮大なホラ話的シチュエーションを核に、ディティールは政治やビジネス分野での「あるある話」っぽく皮肉を利かせて語るというのが面白かった。ラストも強烈!人間の営為としてある意味神の領域に届いているわけで、ありきたりに納まらないのも納得。
結末は結末として、あまりに鮮烈な収まり方に衝撃!思えば、事情聴取まで出てきた時点で気付くべきだった。事を迎えて初めてこの構成の意味に合点が行くとは!イエメンに鮭を泳がせるという荒技プロジェクトの依頼は、人間関係に影響を及ぼすだけでなく、政治やテロリストの思惑まで絡む緊張感を見せ、嫌な奴には赤裸々な批判の応酬までありと、視点を変えて十二分に楽しませてくれる。不思議と読後感が爽快なのは、面白いに増して、人生の前向きな示唆をも得られたからだろうな。
たまたま砂漠の地形などについて調べたばかりだったので、なかなか面白く読めた。主人公はどこか日本人的とも思える性格。ドキュメント映画のようで、そしてまさかのクライマックス。思えばこの体裁であることからこの結末は予測可能だったのだが、正直衝撃的だった。
中東の砂漠だらけの国イエメンに、冷たく澄んだ水を必要とする鮭を放流しようという荒唐無稽な大プロジェクトが物語りの基礎である。もうこの設定からユーモアというか諧謔味溢れてて楽しいではなないか^^そこに政治やらタリバンなどが絡んできてスラップスティックになりそうな気がするが、そこはしっかりと抑制されたユーモアで魅せるのである。なかなかの大衆文学ではなかろうか。エクス・リブリスは今後もちょっと注目したいなぁ。
愉快で滑稽な悲劇とでも言うか、訳者あとがきにもあるけど。でも博士は幸せになれたんだろうな。こんな狂った計画を真面目にやったらそりゃ楽しいよな。
途中で止められず最後まで一気に読んじゃいました。メールや記事、日記といった文書によって少しずつ明らかになる前代未聞のプロジェクトの物語にハラハラしたり、笑ったり。おもしろかったです。
日記、調書、メールなどさまざまな文書の形態をつなぎ合わせて物語に仕立てる構想力、そして全体を貫くメッセージが素晴らしい! 惜しいのは、そんな文書のつなぎ合わせが物語にリアリティを持たせていたのに、ラストで文字通りすべてを水に流したことでそのリアリティが欠けてしまった点。この主題だったら、ラストが他の展開でも十分に説得力はあったはずだと思うけど……。
原著は2007年刊行…デイヴィッド・ロッジっぽいテイストでアメリカものに食傷気味の時には気分転換になる…発行:2009年4月20日…本体2500円
「私はそれを信じる、なぜならそれが不可能だからだ」。それは弱者の現実逃避や虚栄心でなく、前に進むための手段である。笑いもまた現実に立ち向かうための手段だ。
(中盤までの)ジョーンズ博士かわいそうです(´;ω;`) 『猫のゆりかご』や『鼻行類』のような、寓話的なお話でした。話の展開はだいたい読めるんですが、それでも先が読みたくなる話。ピーター・マックスウェルは『ピューと吹く!ジャガー』のハマーを小柄にするとイメージ通りかも。
日記、書簡、インタビュー、Eメールなど様々なメディアで多様な「声」が交錯する。シャイフのとんでもな夢を共有してゆくことで巻き起こる泣き笑い。中年の危機はほろ苦く清々しい、まるで第二の思春期のよう。
面白かった。信じることで、人は変われる。ユーモアで包まれながらも、人生のほろ苦さが切実に伝わってきて、絶妙な読後感を味わった。
この作品は後年白水社エクス・リブリスの初期の代表作として語り継がれる一冊だと思います。構成・テンポ・視点・すべてにおいて水準の高い作品。面白くてページをめくる手が止まりませんね。ひとりの男の生き方、結婚観なども否応なしに考えさせられます。何が人生において大切なのか、人間らしい生き方を模索されてる方には格好の一冊と言えるでしょうね。小竹さんの滑らかな翻訳も素晴らしく、読みやすい一冊に仕上がってます。
☆☆☆☆ こんなタイトルつけといて面白くない訳がない、と思ったらやっぱり大当たり!日記、メール、インタビューなど、関係者の断片から次第に全貌が明らかになっていくというスタイルがドキドキして楽しく、登場人物たちの溢れすぎる個性も最高。シニカルで毒の効いた笑いの中にとんでもなくピュアなテーマが光っていて、悲劇的であるはずのラストでさえ、なんだか爽やかに感じてしまいます。このあたりは、さすがユーモアを全力で愛するイギリスらしい仕立てですね。
アタリ本です。
突拍子もない話なのに、途中でバカバカしくなったりせず最後まで面白く読めた。
シャリフとフレッド、ハリエットの信頼と情熱に心が温かくなる。
数字だけが結果ではないし、結果が全てでもない。
言葉にすると陳腐になることを、如何に上手く語るかが小説家の腕ですね。
とんでもない大法螺話は、踊リ踊らされる沢山の人々をのせて、洪水のように、わあっと流れていってしまった。だけどあとに残るのは不思議な清清しさ。「私はそれを信じる、なぜならそれが不可能だからだ」という言葉がしみじみといいです。
かなりのブラックユーモアの中に差す一筋の光、というか、「信ずるものは救われる」という物語。正直、主人公夫婦(特に妻)がなんで結婚したのかいまだにわからない。どうでもいいことですが。
イエメンで鮭釣りをの
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感想・レビュー:44件














ナイス!






























