ジーザス・サン (エクス・リブリス)
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ジーザス・サンの感想・レビュー(115)
とてもアメリカらしい小説だな、と思った。ジーザス・サンってところもそうだし、いかに堕落した人間を書けるか、なんて言うのもとてもアメリカチックだ。堕落したところからの思考や浮遊はとても読んでいて驚かされるし、心地良い。ただ、舞台設定にどうしてもついていけない自分がいた。
「なのにあんたらは、あんたら馬鹿らしい人間どもは、俺に助けてもらえると思ってるんだ。」ヒッチハイク中の事故より。こいつら薬やりながら幻想とリアルを行き来してる。その、幻想にもなんか救いがないし、それを見つめる目の凍えている様子、たまらないね。
M.トウェインからはじまり、J.D.サリンジャー、J.ケルアック、J.ロンドン、C.ブコウスキー、R.ブローティガン、R.カーヴァーなど、私が最も愛する「アメリカのミスフィット(不適合者)」たちの系譜に連なるであろう、凄まじくエッジの効いた短編集。カーヴァーのそれと同様、「文学的」からあまりに遠く離れているこの小説の人物たちは徹底的に――まるでそうせずにはいられないかのように――自らの人生に破滅的な揺さぶりをかける。その行為は他者を傷つけ、より自らを傷つけるが、同時に時として現実を跳躍する。(続)
日本でもスラムとか薬中とか貧困が日常に紛れてくるようになると、こういう文学が文学じゃなくなっちゃうのでつまらないのです。でも「緊急」のラスト、きめ台詞は良かったと思う。
ヤクやってる若者の、どこまでが本当なのか分からないミニマム文学短編集。こういうの10年前に流行ったなぁ、と思ったら20年前の小説だった。私小説の伝統があるので、別に無理して翻訳読まなくても、ダメ私小説の日本の古いのを読んでれば十分だと思う。
短編の最初から麻薬とアルコール漬けの人たちばっかり出てくるダメ系な人の荒廃した話です。訳者柴田さんのあとがきによると、作者のデニスジョンソン自身がアル中+ヤク中だった時期があるようです。そのためか、作品にもどことなく幻覚的だったり文章が前後したり支離滅裂な部分も少しあります。でもどの短編も最後の一文に ( ゚д゚) ハッとさせられてすごくかっこいい。最後には希望が持てる形式になっててよかったです。しかしアメリカの田舎の中産階級でない人々を描いた作品は、どうやったってアル中とヤク中が沢山出てきてほんと大変…
読み始めから強い既視感に襲われて「なんだろう」と思ったら『バースデーストーリー』に収録されていた作家の人だった。難儀な内容なんだけど、こうやってまとまった形で読むとこれはこれで趣がある、ように思える。が、同調できるポイントないのが正直なことろ。『煙の樹』はどうなんだろう。
ドラッグと死にまみれた短編集。たまに素面に戻ったかのような言葉が顔をだすのが、より救いがない。印象に残った言葉「こいつは自分がなにを夢にみているのか俺に伝えられないし、俺はこいつに現実はどうなってるのか教えてやれないってことだ。」(『ヒッチハイク中の事故』より)
読んでいるだけで自分もラリっている気分に。「自由の国アメリカ」の「自由」ってドロップアウトの果てにアル中ヤク中になり酒場の隅で死んでいく自由?戦争をする国アメリカの疲れた姿が見えるように思えた。
ダメ男もの、あまりに情けなく笑えます。同じようなダメ男物でも、カーヴァーの物語はヤスリで削られているようなヒリヒリした感じ、ジョンソンのものは水を飲んでも飲んでも喉の渇きがなくならないようなヒリヒリ感があります。
音楽がドラッグのもたらす幸福な夜の刹那的な追体験だとすれば、これはその真逆で薬が無くて、発狂しそうで、うんざりな長い昼間のような趣。もう溺れてはいるのだけれど、溺れたくないと願う切羽詰まった感。昼が夜よりも暗いかのような描写。これが昔のアメリカなんだな・・・。
あとがきにあるようにカーヴァーにも通じる"ダメ人間神秘もの"。ゴミのような世界だからこそ、一瞬の神々しい描写が際立つ。まるでナイフで刺されたような終わり方も素晴らしい。
思いだし思いだしいい加減な記憶を再構成しているといった趣の時間の扱い方が面白い。落ちていくしかない、という強烈な諦観の元で目の前の物を、ただあるものとして受け取る「俺」たちの姿はいっそ宗教的な厳格ささえ感じられる。「俺はたださ、さっさと罰を受けて終わりにしたいんだよ」
無垢の欠片を照明にしてイエスの息子が地獄めぐり。目につくのは堕ちた人間ばかりだが、明かりの範囲のギリギリに天使が時々顔を出す。注意深く見ないと見落としてしまうぞ!
正直、柴田元幸訳だから完読出来た退廃的な世界を描いた一冊。白水社エクス・リブリスの第一回配本作品なので非常に期待したのですが、作者が何を言いたいのか理解し辛い作品集でした。逆にそこがこの本の魅力なんでしょうが。ユニークさ、斬新さにおいては魅力があるのかもしれないが、消化できるのにはやっかいな一冊だと言えるでしょうね。
久々によくわからん、という小説でした、正直なところ。ドラッグって言われてもねえ・・。このかっとび感がいいといえばいいのだろうけれども。短編が連なっていて全部の「俺」が同じようでもあり、違うようでもあり。同じメンバーが出ている作品もあるし、淡々とどん底の生活のダメ人間たちが描かれているのです。印象的だったのは目に差しちゃったのを引っこ抜いた話かなあ・・・時折ここは笑い?と思うところもあるんだけどそれですら笑っていいかもわからないという・・・私、やっぱり「物語性」を求めている人間なのでね・・ぼっそり。
やりきれないほどの空虚感に満ちているのに、何故か生きている実感、そのざらざらした手触りが、リアルに伝わってくる作品だった。新鮮な文学体験でした~。
作者自身かつては薬物常習者だったらしい。やり切れない思いで読んだ。周りもどっぷり荒んでる人ばかりで逃げ場がないように思えた。最後まで読んでよかった。救われた。
人生を投げ捨てているというよりも、持て余してるみたいな主人公。泥まみれで、むき出しの生。あまりのダメさに打ちひしがれたり、行き過ぎてしまった馬鹿ばかしさに笑ったり、暗闇から飛んでくるパンチみたいな言葉に胸を抉られたり。こう忙しいもんで、読むのが意外に大変だったんだけど、絶対にまた読む。
ジーザス・サンの
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感想・レビュー:45件














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