結晶世界 (創元SF文庫)
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結晶世界の感想・レビュー(177)
SFなのだけれど、内面的というか精神的なつながりが色濃い物語でした。主人公とその周りにいる登場人物はけっこう魅力的で引き込まれます。物語の中盤から何故結晶世界が出来上がるのか、そしてそれはどういう意味なのかが描かれてくる当たりからぐいぐいと読者を引き込む感じでした。 お薦めの一冊です。
訳者あとがきに書かれている内容が非常に的確なので、特別に語り得る事を持ち得ないでいる事は否定出来ないが、個人的に『たったひとつの~』等に代表される、所謂“普段SFを読まない読者層にこそお勧めしたいという評価が多い作品”に分類されるのではないだろうかと強く感じた。表紙やタイトルで如何にもファンダム向けな感じがするし、作者を調べればニューウェーブSF云々という功績は直ぐに判明するだろうが、キーワード・作品傾向として退廃、男女関係、幻想小説辺りが挙げられるので、それらに惹かれる方へ是非お勧めしたい1作。
かつてのニューウェーブ志向、思弁的小説志向に大きく舵を切った作品(?)。オールラウンダーな読書家でなければ、少し辛い傾向の作品、作者かもしれない。自ら大きく動く事は無く、存在する状況を受け入れ、描写する。その観念的、内観的思考は、SF を読むというより、バラードを読むと表現しても良いのかも。1970 年 第 1 回星雲賞海外長編賞受賞作品。
あとがきのデカダンスに納得。どいつもこいつも思いっきり滅びの結末にまっしぐら。どんどん広がって行く水晶化現象が人々を惹き付け、最終的に世界中が水晶化……なんていう世界滅亡的な結末を想像してしまう。人類補完計画みたいな。
訳者あとがきの最終ページ、「心身ともに健全なのは、マックスとスザンヌ」は「マックスとルイーズ」の間違いかな。スザンヌが心身ともに健全だったら主人公も健全になっちゃう。
水晶に覆われたイメージや、光と闇の対比は良い。しかし肝心の物語が終始退屈だったのは否めない。これ、短編にしたほうが良かったんじゃないだろうか。
微妙。 主人公が不倫相手をおっかけくというあたりで個人的にアウト。 「新しい波」は純文学に近づきつつあるというアシモフの批判(?)は納得。表現が美しいとかは、ありなんだろうけれど、私がSFに求めるのは、ワクワクであり、夢であり、ロマンなのだ。じゃなきゃ純文学読むよ。デカダンスを否定するわけじゃないですが、現実世界がこんなにやなことばっかなんだからさ、ちょっとは明るい話が読みたい。 登場人物を黒と白に分ける表現は見事だと思う。ちなみに、ベントレスとバルザス神父がごっちゃになって最初から読み直しました(泣)。
執拗なまでの描写と、異様な人びとの振る舞い、そしてSFならではの科学的背景が補完しあって、この結晶化された世界のイメージを揺るぎないものにしている。だから読者は安心して、この出口のない美しい森を好きなだけさまよい続けることができるのだ。
オーソドックスなSF小説かというと、そうではない。延々と続く風景描写といまいちキャラのつかめない登場人物になじめず、読むのに苦労した。訳文もやや硬い。謎の解明が主題ではないにしても、結晶化の原因についてもう少し掘り下げても良さそうなもんだが。
世界が結晶化していく中で繰り広げられる人間ドラマ。主人公らは結晶化の原因の究明といったところに関心はなく、職業意識や愛する女性の行方といった非常に個人的な動機で動き回る。アフリカのマタール港に愛人を追って医師が到着したところからストーリーは始まるが、物語のほとんどは愛人とその夫が向かったというモント・ロイアルとその周辺を、ぐるぐるまわるように展開していく。しかしこの作品の目を引く点は、第二部冒頭の主人公の手紙で明かされる哲学的な記述だろう。バラード最高傑作とされるゆえんは、ここに端的に現れている気がする。
所々わからない部分もあったが、イメージできる範囲では美しい箇所がたくさんあって良かった。終盤の傷口が結晶化するところなど。あと、最後が最初に循環する構造!! あれ好きなんだなー。
とりあえずは読了までこぎつけたけれど、いまひとつそぞろめいて乗りきれなかった。本に失礼な読み方をしてしまった気がする。あとがきから人の言葉を引用するのは気が引けるけれど、「永遠の死場所」がきらきらと輝いているのならそれは幸福な風景に違いないのだろうという憧れも感じないではない。
薄い本にも関わらず、読むのに時間がかかったので自分には合わなかったと思われます。結晶化した森の描写は好き。あと十字架を運ぶサンダースをキリストと重ねてしまった。
具合の悪い時期に読んだこともありいまいち楽しめず。勿体無いのでいずれ再読したい。原文の高評価を各所で見るので、機会があればそっちもありか。
終わりよければすべて良し。ハードボイルド的な結末において真に傑作。結晶化する世界とその狭間の「正常」な街。結晶世界がプラトンの言う「イデア」の現実化した世界だとするなら、この物語の設定はSFというジャンルを利用した西欧的な思考形態そのものではないか。SFはバラードにおいて完全に手段だ。
ひたすら繰り返される、幻想的な結晶化した世界の描写。河の遡上を主とした弛緩したストーリー展開や、未開のアフリカの描写(原住民への視点含め)等はやはり『闇の奥』を思わせるのだけど、社会と言うより世界を見た小説なので、一概には言えない。残酷ながらも美しい滅びのイメージには翻弄された。でも終盤のアレには「オクトパシーかよ!」と突っ込んでしまった。すいませんつい。
アフリカの森に広まっていく結晶化した世界に人々は心惑わせる。丹念にイメージを編んでいるとは思う反面、訳の生硬さが気になる一冊。特に「どえらく」の多用はいただけない。
キレイな描写でした。黒人への視線がやたら差別的なのはまぁこの時代の白人だからしかたないのでしょうね。時間云々のところは、論理的な説明がチラッとなされたくらいでしょうか。よくわかりませんでしたね。
徐々に結晶化する世界。終末感と相まって、実に美しいイメージを喚起されます。ただ、バラードの長編を4冊ほど読んだところでは、物語自体の美しさというものは感じられない。アフリカが舞台なのに、ほとんど登場人物が白人ばかりというのもなんだかな。ならば大英帝国を舞台にすればいいのに、大英帝国じゃ○○病は似合いませんか。245ページ
バラードの美しい世界。大好き。でもたしかにそろそろ新訳が出てほしい気がします。
SFというよりも幻想文学というほうがしっくりとくる。美しいとは思うが、物語がいまいち面白くなかった…。
結晶化した世界、打ち捨てられたコロニアル様式の廃墟の情景描写が美しい。生きながら死に、死にながら生きるのに魅せられていた主人公。白も黒もなく、ただ色の存在する永遠の結晶。両腕をもがれたヴィーナス像の調和と、不具者の結晶の安らかさ。ある人々にとっての原始の楽園の森と搾りかすのような森の外が、不気味な石ころの森と安住できる社会であること。
こういう不気味な世界観は好きだ。60年代の作品とは思えない。文学っぽいところを批判されたようだが今の視点で読むとこれはこれでいいやんと思う。
読むのが苦痛でした。正直僕には合わなかった。恥ずかしながら、執拗に繰り返される「結晶化した世界」の描写が、まったく僕には映像として想像できなかった。翻訳や文体の相性もあるのかな?ともかくバラードはもう何冊か読んでみなくては。
結晶世界の
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感想・レビュー:51件














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