ずっとお城で暮らしてる (創元推理文庫)
ずっとお城で暮らしてるを追加
ずっとお城で暮らしてるの感想・レビュー(431)
病んでる話だった。絶賛するほど面白いとは思わないが、 非常に癖がある話なので、好みの人には受けるだろうと思った。結局、 メリキャットってなんだったんだろう?
なんてこった。表紙とタイトルから、DWJのようなファンタジーだと思ってた。まさに、なんてこった。姉妹二人の世界は美しいが居心地が悪い。読みながらもぞもぞ、ぞわり。メリキャットの空想世界は小さい頃、私が思い描いていたものと似ていて、懐かしくもあったのだけど…。その辺りもまた、「なんてこった」だ。
タイトル通りのメリキャットの徹底したお城引きこもりライフを追っているだけで不思議な楽しさがあるし、見ようによってはそれらすべてが反転してしまう様が見事。群集心理と少数の閉鎖的世界の二つの狂気が信頼できない語り手によって螺旋的な物語に化す。そのなかで少女の夢想が覗かせる浮遊感が美しい。おじさんが一瞬だけ言ってそれ以外では触れられない「姪は孤児院で死んでしまった」という台詞のもしかして感が後を引く引く。
何度読んでも色褪せない傑作中の傑作。描かれる悪意の圧倒的な説得力。健常域の人間たちがこんなにも恐ろしい。返ってメリキャットの空想と魔法はノスタルジックな共感を呼び起こし、それがまた不安を掻き立てる。おまじないに動物との会話、秘密の隠れ家などなど。小さい頃こんなことしてたよな考えてたよなぁって。死んだ家族に褒めそやされる下りさえも。
妹の狂いを知りながら、庇う姉。妹を守るための行為が、本当に妹の救いになっていうか、という迷いが全編に感じられた。しかし、姉の手段は、世界からの遮断・・・妹は、お城で幸せだと思うが、姉はどうだろうか?自分の選択の是非を問いながら暮らすことだろう。姉に感情移入してしまったら、辛くなってしまった。狂った本人よりも、その人を愛する周囲が悲しくなるという本だった。
家族は毒殺され、残った姉妹は生き残った叔父と屋敷でひっそり暮らしていた。一家殺しの犯人だと思われている姉は心ない村人から揶揄され、買い出しに町へ降りる度好機の目を向けられる妹。それでも屋敷の中は、いつも穏やかで暖かく幸せなのだった。しかし従兄の来訪により姉妹の生活は綻び始める。ホラーだというが少しも怖いと感じる描写はなかった。秘密の花園のようにも感じた。美しくいとおしい日々の暮らしの描写は女性作家ならでは。穏やかな、微かに狂った引きこもり生活は私の憧れでもある。
毒殺事件によって家族が死に、残された広大な屋敷で財産を抱えながら生きているメリキャットとコニー。そこに従兄弟のチャールズが現れ、その静かな生活は破綻していく。日常が破綻していく恐怖がじわじわときた。
この本好き!いちおうホラーらしいのだけれど、私は主人公が可哀相で、村人たちが憎くて、お姉さんが愛しくて、ぜんぜんコワいとは思えませんでした。むしろ、村人たちのほうがコワい。
初・ジャクスン作品。自らが望み、閉ざされた世界で幸せに暮らしていた姉妹に突然訪れた兆し。美しく歪んだ、それでも居心地のいい場所が少しずつ壊れていく様子にメリキャットと同じように私も辛く胸が痛かった。皆、狂っているのかもしれない。でもメリキャットの気持ちがわかる様な気がしました。お姉さんが妹に言うたくさんの愛情が籠もった“おばかさんね”と歌が好き。お互いがいればそれでいい。だれにも邪魔されずに月の上で、お城でずっと幸せに暮らしていくんだろうな。狂気の中にある幸せと心地好い雰囲気がとても素敵な一冊でした。
桜庭一樹はジャクスンの小説を読むたびに虫酸が走るような不快感を感じると言ったけど、思ったほど気持ち悪くなかった。メリキャットに感じる異様な親近感は何だろう。海外小説なのに大変読みやすかった。
おもしろかった(・v・)メリキャットお茶でもいかがとコニー姉さん/とんでもない 毒入りでしょうとメリキャット恐怖小説って解説の桜庭一樹はかいとるけど、不気味なファンタジーのようでウットリ。だから、も、なので、も、というわけで、もなくメリキャットの動機が鮮明に伝えられてそこがとにかくすごかった!!
一人称で語られる。主人公はメアリ・キャサリン・ブラックウッド。通称メリキャット。彼女は美しい姉と体が不自由でぼけ気味な伯父との三人(あと猫のジョナスと)で、ブラックウッド家のお屋敷に住んでいる。ほかの家族は、この屋敷で毒殺された。屋敷の外の人々は主人公に悪意をもって接してくる。だけどお屋敷の中は本当に幸福で……という話。好き! なのだけど、ちょっと不安になったり厭な感じがしたり。不思議な話。一人称だからこそ、だろうか。三人称だと、多分ただのホラーになる。
メアリがよく解っちゃう人と、外から見てる人と、ふた種類居るんだな、と解説を読んで理解した。私はメアリが狂っているとはちっとも思わないんだ。困ったことに(と書くべきかな?/笑)。
シャーリイ・ジャクスンの傑作ホラー「丘の屋敷(たたり)」は全く救いのない話でしたが、この物語はハッピーエンドと言っていいのかどうかは疑問を感じるものの、一応心安まる結末です。 逞しくも現実逃避と少女趣味を貫徹しようとするメリキャット、見方によってはかなり不気味なエンディングだけれども、私は彼女の生き方、あり方にとっても共感します。
小川洋子が尾崎翠を知り合いのおばさんのようだ、と言っていたが、この作品を読むと桜庭一樹の作品との「血筋」が見えてくるようだ。文体といい、ストーリーの不気味さといい……。
最初のページから疑心暗鬼。あんなにたくさん食べ物が出てくるのに全く食べたくならんかった。毒されちゃってる。結局誰が一番狂ってるのかね?ニヤリ。海外文学に苦手意識があるけど(名前と地名が頭にはいらないから)桜庭先生の推薦文に強く後押しされて何となく購入。作者の短編集は機会があれば手にとってみたいです。
村外れの大きな屋敷に住む若い姉妹と体に不自由を抱えた老人がひっそりと脅えながら、しかし幸せに暮らしているが……。何とも不気味で歪で、しかし何故か羨ましさを覚える読後感が癖になりそう。そして解説にもあるが、多くの人々が奥底にしまい込んでしまっているような醜い感情や記憶を射抜かれそうになる恐怖感には震える。
閉じた充足感と、外からの圧迫感をありありと感じながら読みました。面白かった!好みです。この作者の他の著作も読みたくなりました。
メリキャットとコンスタンスの姉妹、叔父のジュリアンは、他の家族がみんな毒殺された屋敷で暮らしている。村人たちからたくさんの悪意を向けられるけれど、お屋敷の中ではとても幸せ。そんなある日、幸せな日常に、ついに変化が……。厭な感じがクセになりそうです。宮木あや子さんの「太陽の庭」を連想しました。
ぴゅん氏本。モダンホラーの息詰まるような傑作。学研版で読んだけれど、解説を稲生平太郎が書いてた。カバーは文庫版の方がイメージに合ってる。
幽霊も祟りも呪いも怖いけれど、一番怖いのはやっぱり人間なのだと痛感しました。愛情も執着も、ある一線を越えたら、それは狂気になります。また得体の知れない人や出来事に対する恐怖や猜疑心は、強い悪意へと変容します。本書には、狂気と悪意に冒された人びとばかりが登場し、噛み合わなくなる歯車が生々しく、暗い影を読者の心に残すのです。
もう何度も読み返している作品。世間とズレのある一家、でも相対する外の人間もどこかおかしい…登場人物全員にちょっとした違和感を感じるのが、一種の魅力。穏やかに狂ったブラックウッド家の空気が好き。
某所から鬱小説と聞いて読んでみました。この段々とくるいやな感じは本当に癖になりますね。確かに最初から最後までかわいそうな話でしたが、そこまで後味は悪くありませんでした。
『桜庭一樹読書日記』から。歴史ある洋館に住む姉妹と伯父。三人には他の家族全員が毒殺されたという過去があり、村人ほとんどから嫌われている…。ホラー文庫とあるので、ずっといつ怖くなるのかと思って読んでいた。思っていた恐怖とは違うけれど、館に二人だけで暮らす情景は不気味。でも幸福感も伝わるので、読後はそれほど悪くない。二人の今後は心配だけど…
☆×4.0…「たたり」よりもかなり強烈な恐怖を感じる作品。人間の狂気が強くにじみ出ています。姉妹二人もそうですが、彼女らを冷たくあしらうほかの人たちも同様。人と言うものは…と言うのを思い知らせてくれます。面白いのはメリキャットが狂気へと変貌していくところから…ぞっとさせられることでしょうね。あの従兄に関しては…見捨てられていい気味だったかも…くれぐれも夜の読書には選んじゃダメだから!
すんごく的はずれなの承知で言うと、なんとなくアダムスファミリーを連想する小説。コニー姉さん、メリキャット、ジュリアンおじさんの三人が徹底的に外部を排除してるっつーか、決定的にズレてるって言うか。そのさまがアダムスファミリーみたいにコミカルじゃないだけで、なんか、すんごくアダムスファミリーだなぁ、と。自分もメリキャットみたいに人の凄惨な死に様を想像するのが好きなので、まぁ、変な共感覚えながら読んでしまった。
読んでて不快でイライラするし読後感も気持ち悪い。 だがページをめくる手が止まらない。 なんだこれは。 この作者の他の本が気になってきた。
一言で言うと"不快な小説"なのですが、その不快さがとても不思議です。何だかよく分からないけど嫌で、何だかよく分からないけど先が気になる。この感情は何だろうと考えていましたが、解説で桜庭さんが書かれていた「苛立ち」という言葉が一番しっくりくると思います。姉コンスタンスとジュリアン伯父さん以外は全て敵、悪いやつらの侵入を防ぐため魔除けにさまざまな物を埋めていく。そんな妹メリキャットの行動にはなぜか苛立ってしまい不快なのだけど、忘れられずにまたこの本を手に取ってしまう。そう思わせられるような印象深い作品でした。
姉ちゃんは美人設定らしいけど、妹は髪もぼさぼさらしいじゃん。あんなにメリキャットメリキャットしてんのに髪くらい梳いてあげなよ…。チャールズはクソ野郎だけど、鬼畜野郎じゃなくて良かった…。もし鬼畜野郎なら俺に大ダメージだった…。
ずっとお城で暮らしてるの
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ナイス!






























