ゾティーク幻妖怪異譚 (創元推理文庫)
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ゾティーク幻妖怪異譚の感想・レビュー(103)
「アヴェロワーニュ」を読み終えることができたので、以前に挫折したこの作品に再挑戦。前回はなかなか作品世界に入り込むことができなかったのですが、今回は素直に楽しむことができました。世界最後の大陸ゾティークを描きながらも格別悲壮感はなく、「偉大」とされる皇帝や魔道師が普通に残虐性を持ち背徳的であり魔神を崇め……と、「退廃」とはこういうことなのか、と妙に納得してしまいます。多少の好みの差はあれど、興味深い物語ばかりで、ゾティークの雰囲気を十分に堪能いたしました。
地球最後の大陸ゾティークを舞台にした、スミスの作品集。魔術・妖術が復活した世界で起こる様々な奇怪な出来事が綴られるが、なかにはユーモラスなものもある。人体を植物に接ぎ木するという「アドムファの庭園」、宝物をめぐっての妖術師同士の争いに蟹が不気味にうごめく「蟹の支配者」あたりが印象に残った。できればゾティークの地図を作図して載せてほしかった。
シニカルなユニークさもあるが、全体的に救いようのない退廃と、それに見合った恐怖がある。本作において人類最期の光芒は、ちろちろと燃える妖術師のランプのほのかな灯り程度でしかない。
16編の短編と言うかショートショートかも。 アラビアンナイト的な世界かな。 ちょっとダークだけどね。 巻末の解説がクラーク・アシュトン・スミスについて 詳細に説明されていて面白い。 作品内容の解説でなく、作家についてというのも面白いね。 最初は作家自身が挿絵を描いていたらしい。 ゾティークの地図があったならば、翻訳して付けて欲しかったな。 さて、「ヒュペルボレオス極北神怪譚」どうしようかな・・・
地球最後の大陸であるゾティークを舞台とする短編集。幻想怪奇でなぜかとてもひきつけられます。 暗く退廃的なダークファンタジーですが美しくて妖しい世界が癖になりそうです。スミスさん、女性だとばかり思ってました。
世界最後の大陸に根付く若い文明、というどこかちぐはぐな空気がなんとも言えぬ閉塞感を生み出してて、その息苦しさが心地良い。 個々の話にもその皮肉さが定着してるから退廃的な美に満ちた幻想譚といった風情。 プトゥームのラストはこれといった裏もなく明るく終わってるようなので、ちょうどいい息抜きだった。 解説が妙に力入ってるけど、これは四つの世界全部出してくれると期待していいのか。
暗くて美しいクラーク・アシュトン・スミスの世界にどっぷりはまってしまった。本書を楽しめるかどうかは、この世界観に嵌まれるかどうかにかかっている。短篇が主なので、本屋で何編か立ち読みして買うかどうか決めた方がいいかも。
独特の世界と美文に圧倒されて序盤は手こずったけど、慣れてきた中盤以降はぐいぐい読めた。グロいのに荘厳。中世のゴシック建築のように重厚。そして神話的な話なのに創世記ではなく、退廃へとひた走るサーガ。本を読んでいるのにダークな吟遊詩人になったような気分を味わった。
オドロオドロしい話の中で「プトゥームの黒人の大修道院長」だけが笑えるオチだった。ああ、終末世界になっても女ってやつぁw そのほか全般は陰鬱な滅びの世界。邪悪な神々は決して横暴ではなく、ルールを無視した人間に罰が下る感あり。「死体安置所の神」は明確。
ファンタジーだけあって、人名地名が聞いたことの無いカタカナ造語、世界観なので馴染むまでにちょっと苦労した。この世界の地図とか年表とかあるといいな。耽美なイラストもあったら更に良し。
ゾティークと言う「地球最後の大陸」が舞台の短編ダークファンタジー。地球最後ということで未来の話であるはずなのに、魔術師、神々がわらわらと居る封建的な世界観はゴシック調な雰囲気。「ゾティーク」はアンティークからの造語らしい。残酷な描写も決してグロな下品さは無くかえって妖しさを際立たせているのは、作者が詩人であると知って納得。
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
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- 07/06
地球最後の大陸ゾティークを舞台とした短編集。はっきり連作となっているわけではありませんが、世界観が同じせいかそれぞれ繋がっている部分が多いです。降霊術や魔物、食人族などが普通に登場する世界で、全てが禍々しく荒廃し終焉へと向かっています。ダークファンタジーという言葉がふさわしいかは分かりませんが、短編でありながらどのお話も壮大で長編にしてもおかしくない内容だと思いました。個人的には「死体安置所の神」「クセートゥラ」「ナートの降霊術」が好き。皮肉に満ち滑稽とも思えるゾティークの世界を楽しませていただきました。
独特な世界観。降霊術者によってよみがえった死者が主たる術者を倒したり、術者の死後も関係なく動き続ける死者たち。「イラロタの死」のこの落ちは全く読めなかった。
詩人である著者が紡ぎ創り上げた、地球最後の大陸ゾティークの物語。幻想怪奇の中に妖しく艷めく世界。終末世界で大きく存在し、支配するのは魔術や降霊術。暗黒的退廃的世界をここまで色鮮やかに艶美に感じるのはどうしてでしょう。たまらなく魅了されます。ゾティークへと誘う冒頭の詩から心地良く惹き込まれます。「降霊術師の帝国」「エウウォラン王の航海」「ウルアの妖術」「最後の象形文字」「アドムファの庭園」がお気に入り。解説も読み応えあり。東逸子さんの表紙絵が素敵です。
『ゾティーク』という終末の世界に紡がれる話をまとめた短編集。本当に独特の雰囲気で、修飾語が回りくどく感じないゴシック小説というのは貴重じゃないでしょうか。読んでいるうちに時代が交錯し、ちらほらと共通する話も出てくるのが分かると、より一層読み応えが増します。各々の話は短いので、手の空いた時間に読んで世界観に浸るのもいいかもしれません。個人的には『死体安置所の神』が好きです。救いがあるようで、ないのが。
訳・解説:大滝啓裕/描写のまま絵におこせるだろう。矛盾するようだが、薄闇に覆われた空間が鮮明に目蓋の裏に象を結ぶのだ。と、漢字が多くなるのも仕方がない。「最後の象形文字」「ナートの降霊術」がしみじみと好き。
★★★★★
私には珍しくジャケ買い。名前通りの幻想怪異な短篇集。やっぱファンタジー(?)は世界観だよなー……。初めて読むのに初めてじゃないような……何と言おうか、私の中の“世界の終焉”のイメージとぴったり重なる感じ。恐らく多くの読者がそんな感覚を得るのではないかと。 売り文句に違わぬ、世界観とマッチした美文・研ぎ澄まされた文構造であり、浮いた表現が全くない(訳者の技量か)。美と頽廃は隣り合わせなんですねェ。こんなスミスさんのロマンス小説がとても読んでみたい。
背筋がゾクッとする美しくて醜い話。幻想という言葉が正しく当て嵌まる。ただし、「プロットとアイディアが偏重される」現在の話を読み慣れている身としては、物足りない気分になるのも事実。
『イルーニュの巨人』の時にも感じた言葉の巧みさ、退廃した妖しい世界を綴る修飾語の数々は、もともと詩人として世に出た経歴から成っているんだな。この雰囲気がホントに素晴らしい。だいたいはバッドエンドな話なのだが、たまにコミカルな話や、これってある意味ハッピーエンド?みたいな話もあって面白い。巻末の解説も読み応えがある。
全17編の短編から架空の暗黒世界を語るファンタジー短編集。詩人出身の作者ということで、描き出される世界がとにかく暗くて絵画的で美しい。物語はどことなく神話的で寓話敵でどこまでも退廃的。今時の明るいファンタジー小説に食傷気味な方には是非お勧め。
★★★★★ 正直に書きます…夜、部屋で一人きりで、この本を読んでいる時間がたぶんいちばん幸せです…。収録作おしなべて好きですが、特に挙げれば「降霊術師の帝国」「拷問者の島」「エウウォラン王の航海」「墓の落とし子」「ナートの降霊術」「アドムファの庭園」が好きです。
太陽の衰えた未来の大陸、ゾーディークを舞台とする連作短編ファンタジー。雰囲気は抜群だが「アイディアとプロットだけが偏重される現代」に読むと、雰囲気は良いんだけど……という感想が無いわけでもない。
頽廃した世界に唯一存在する大陸ゾティークで展開される、魔術と死の物語。/収録話数が多いのは本書の利点でもあり欠点でもあるよなぁ、と。美しい文体で綴られる物語は雰囲気たっぷりで素敵なのだけれど、これだけの数があると途中で「お腹いっぱい」になってしまった。ベッドサイドにでも置いて毎日チビチビ読むのが一番楽しいのではなかろうか。
地球最後の大陸ゾティークに溢れる魔術や人ならざる者に纏わる物語。選びぬかれた語彙が美しくも退廃的な世界を描いている。
読みたい気分のときと、そうでもない気分のときによって面白さがかなり変わる。基本的にはものすごく好きなんだけど。ちょっとばかりまとめてお話し風に従兄弟に寝物語してやったらうなされたそうです。ひひひ
格調高い文章が、ダークな世界観を一層高めていますね。偶然、一緒に買った「ベクシンスキー画集」の世界観とマッチしていて、「おおっ!」と。似たような話が多いが、「クセートゥラ」などは、ボルヘスの短編などを思わせる鋭い切れ味でした。
舞台となるゾディークは、メルニボネの由緒正しいご先祖様という感じがした。嘗てTRPGに親しんだ人間にとっては、懐かしい雰囲気なのでは。シリーズが一冊にまとまっているのは嬉しいが、一気読みよりは手元において少しずつ楽しみたい小説。
太陽が老い、死に瀕した地球最後の大陸ゾティーク。禍々しい血染めの儀式、黒い神、光さえのみこむ闇の帝国。言葉は詩のように美しく、妖術師たちの使う魔術、謎めく大陸の有様はおぞましくも甘美な夢のよう。流麗で煌びやかだが、淡々とした描写に想像力を掻き立てられる。幻想怪奇の美しい悪夢。
国名や人物の一覧、地図、年表が欲しくなる1冊。装飾過剰な文章や見慣れない漢字や単語が配された少し固めな文章が、より退廃的で妖しい世界観を醸し出していたように思う。面白みや爽快感を求める読書とは別次元になる作品。
妖しく美しく、禍々しい世界観に引き込まれ、いつまでもこの世界に浸っていたくなる。木乃伊や食屍鬼が跋扈するダークでグロテスクな話が多いのに、格調高い筆致には品すら感じられる。凝った言い回しなのにまわりくどくない、そんな文章。
頽廃に満ちた陰鬱な背徳感が魅力的な雰囲気ある短編集です。幻想的で静謐な恐怖感が奇妙に心地よい。翻訳からでも容易に想像できる流麗な文章も楽しめます。原語で読めば,更に詩的な印象を抱くのでしょうか。全篇収録と言うことでこれ以上は物語が存在しないことが惜しく感じる素敵に官能的な短編集でした。
昔懐かしい感じのダークファンタジー短編集。救いのない重い話ばかりでもなく、ちょっといい話が混ざってたりするのもいい。「降霊術師の帝国」「エウウォラン王の航海」「最後の象形文字」「モルテュッラ」あたりが印象に残った。ゾティークの地図欲しいな。
ゾティーク幻妖怪異譚の
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感想・レビュー:54件


















































