夜の蝉 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)
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夜の蝉の感想・レビュー(752)
夜の蝉、お姉ちゃんとの話が切ない。不思議な姉妹だと思っていたが、見え隠れする優しさが妙にリアル。『私』と年も近いので、感傷的に読んでしまったが、なんとも心温まった。
あぁ、これは嫉妬だ。「空飛ぶ馬」を読んだときから、何とも言えない居心地の悪さを感じていたけれど、「夜の蝉」を読んではっきりした。これは、嫉妬だ。主人公に、その環境に嫉妬してるんだ。寄席に行って、コンサートに行って、歌舞伎を見る。日本の古典を読んで、良く覚えている。国外の古典もしっかり読んでるし、現代文学にも目配りが届いている。そうした日常をごく自然に当たり前のものとして受け止めている。しかも、落語の師匠と縁あって、招かれる仲。恵まれてる。その恵まれた環境に東京という都会の匂いがちらつく。あぁ、嫉妬。(笑)
「空飛ぶ馬」を読んでからだいぶあいてしまいましたが、読んでとっても良かったです。前作ももう一度読み直したい。このシリーズはゆっくりじっくり味わうのがいいなあと思う。軽井沢のお話がとても好きです。
もう何度目かわからない再読。『夜の蝉』の私と姉との距離感と緊張感こそが、このシリーズのクライマックスなのかなと思います。この小説は私の宝物です。
読んでいる間は、川のせせらぎに身を委ねるように優しい時間を過ごせました。それにしても、P66の2行目やP69「長い髪が夢のように揺れた」など、まず男性には書けそうにない表現が主人公にぴったりの言葉遣いで書かれていて実に気持ちがいいです。的外れかもしれませんが思ったのは、こういった主人公でそれこそP66の言葉使いなどをみると、なんだか上品な「萌え」の要素もあるのかなぁと(笑)
★4 再読。何度読んでも姉妹の話「夜の蝉」が好き。「私」と自分を姉妹逆にして重ね、しかしもうそれが叶うことはないと分かっているから余計にいつも切なくなる。円紫師匠の謎解きは相変わらず鮮やか。日常生活でそうそう殺人事件に出くわさないけど、ハテナ?案外多く落ちてるのかも。何より北村氏が書く言葉遣いが好きなんだ。「つーゆー」とか大好き(笑)。
テレビでマスターシェフみてたら、食材でルバーブが出てきたので思い出して再読。三度目くらいか。前作は散発的な日常の謎だったのに対し、今作は続編への意識もみられるような、登場人物の成長を眺めるような印象をうける。謎は3つ。それぞれ日常の謎は鮮やかに展開される。まぁ、といってもこの本のなかで何よりも素敵なのは、「水の口紅」のシーンではないだろうか! 誤解をおそれずに言えば、本当にエロティックで透明で大人とかいう階段をことりひとつ上がるようなそんなシーン。それを書いているのが温厚なおじさんというのも面白い。
書店、軽井沢、姉妹関係で3編あったけど、全て僕好みだった♪前作よりも言葉がすんなりと入ってきて、展開も好きな感じです。「夜の蝉」は姉の立場が微妙にわかる感覚だったし、特に蝉突入のシーンは印象に残る。「私」が次第に成長していく様子も気になるので『秋の花』が早く読みたいのだけど、、年末年始で図書館休館。来年に持ち越し…。
日常の謎というのはミステリーを読む上では私のような人間には打ってつけかもしれない、私の脳味噌は残念ながらスペックが低いのかうまく風景などが浮かばなく、複雑なトリックになると「ああなるほど」ではなく、「どういう事だ?」となり何ども読み返すことがあります。しかしこの作品では地味だけど不思議な出来事を倫理的にそして誰にでも解りやすくそして「ああなるほど」と唸らせる作品でした。
「私」と正ちゃん、江美ちゃん、そしてお姉さんの関係が前作よりはっきりしていて面白かったです。「日常の謎」がうまく描かれていて、こういうミステリーもいいなあと思いました。「六月の花嫁」が特に好みでした。
2作目も素晴らしくよかったわー。ミステリー好きにも文学好きにも、もちろん落語好きにもたまらない1冊です。1冊目では「ただの美人」だったお姉ちゃんが主役の回が結構好きです。自分も姉なので。
どれもおもしろかった。『夜の蝉』は、"私"のお姉さんに対する印象が成長するにつれて変化していく、その過程が良いね。
シリーズ二作目。朧夜の底のトリックは似たようなものを読んだことがあった気がしますが、その背景への洞察がとても深い。六月の花嫁での私の話の進め方もいいです。謎解きの胆となる部分で落語や古典の手法を引用しており、受験期に学んだことも出てきて嬉しくなり、学んだ甲斐があったかと俗なことを考えました。
円紫師匠と私シリーズ第二弾。前作同様、実に綺麗な文章で、落語も文学も知識がなくてもとってもオモシロイ。円紫師匠の洞察力はホント凄い。神懸かり的な洞察力ではあるが、そんなの気付かねーよ的な突飛な洞察ではないんだよね。第一、二弾と図書館で借りたがコレは買いだな。手元に置いておきたい良い本^^
再読。本当に大好きなシリーズ。社会人として働く「私」まで見て、また読み直しているので、「私」の思考がまだ幼いのが、逆に「私」の成長を感じさせて、なんか感慨深い。ストーリーや謎解き部分に関しては、ここで述べることはない。文句なしに好きだし、感想述べるには読書メーターではあまりにも短い。朧夜の底の、濃紺のパンフレットに銀の文字、や、六月の花嫁のルバーブのジャムなどのアイテムが妙に印象に残ってた。正ちゃんがまだ「女」になる前だなあというのも凄い感じる。
澄み切った空気のような作品。難しい言葉でなく複雑な世界でもなく日常の中で淡々と進んでいく物語なのに気が付くと結構な印象が残っている不思議な物語・・・・再読なのにねぇ・・・はいはい次々!
ジブリ映画を見ているかのような生活描写のなかで本格推理というのがすごい。そしてこのサイズで一重まぶたに描く高野文子の画力
登場人物の掛け合い。情景描写。スッと文章が頭に染み込んでくる感じがして、とにかく読んでいて心地好い。三編収録されているけど、表題作が一番好きかな。女の恐さと姉妹の微妙な距離感がちょいとほろ苦いけど、締めの「おねえちゃん」で顔がほころぶ。良いものを読ませていただきました。
文章が美しい。言葉から思い浮かべる風景・感情とか、国語がダメだった私には共感には程遠い、新鮮な感動。今回ちらほら姉さん出てくるなあと思っていたら、最後に姉妹間の決着(?)とも言うべきお話が。弟がいるだけなので、ばっちりな服を選んでくれるような素敵なお姉さまには憧れてしまいます。
感情がとても細やかにつづられていて柔らかいトーン。ゆえに、ふと男女の関係に言及した文章が出てくるとなんとも艶めかしくてドキドキしてしまう。いくら円紫さんと「私」の博識ぶりが披露されていても、謎解き重視の物語だと飽きるだろう。しかし、「私」の成長譚として見るとこの先も、もっともっと読みたくなる。今回は表題作の「夜の蝉」が秀逸だった。姉セレクトの服に身を包み、鏡に向かう「私」がとても素敵。そして星座のエピソードで正ちゃんがますます好きになりました。
★★★★ 先日、夜の蝉が部屋に闖入してきたので、いったいこのタイトルでどんな物語になるのか気になって読んでみた。「空飛ぶ馬」の時は『私』をはじめキャラクターたちがあり得ない感が買っていた気もするのだが、こちらは恋心からコンプレックスまでいろいろとリアルに「私」を感じて楽しめた。困ったことに推理はまったくできないのも楽しめた理由。円紫師匠の論理の展開が怖いくらいだ
北村薫「夜の蝉」読了。俄然面白い。完璧な美貌の姉と【私】との間に漂う一筋縄ではいかないわだかまり。それがまた通じ合う様子がとても嬉しい。生き方は違っても聡明な二人。出会いや別れ、すれ違いが人を成長へ導く。姉妹として、大人として、女として、その前進する姿は、在り方はとても綺麗だ。円紫さんもやっぱり魅力的。第44回日本推理作家協会賞授賞作品。
「空飛ぶ馬」の続編。相変わらず主人公の〈私〉は、著者の元教師らしい目を通して理想化された女学生として「きれいすぎる」きらいはあるし、国文学や落語の素養がまったくない自分には全編に散りばめられた蘊蓄を味わいきれないもどかしさも残るが、端正な推理小説というフォーマットの裏で、ここで描かれる人間性の淵を覗き込もうとする著者の目には、ある種の凄みすら感じさせる。謎解きそのものの評価とは別に、「空飛ぶ馬」よりも作品としての深みが一段と増している。表題作は吉田秋生の「海街diary」をちょっと思い起こさせるところも。
前作よりも読みやすかった印象。朧夜の底:アニメ三銃士とか、映画「風の又三郎」とか、懐かしい。どっどどどどうど♪の歌も懐かしかったです。「朧夜の底を行くなり雁の声」読み進むうちに、宇宙がのしかかってくるような暗さで圧倒する、そんな絵が浮かびました。
前作のように澄んだ空気のような文章は心地よく清涼感さえ覚える。それも私と円紫さんのもつ間にとても合っていて、だからこそ私と円紫さんにすごく好感が持てる。人間の影のような悪意に一瞬ゾッとさせられるけど、二人の人柄や夜の蝉の最後のエピソードもあり読み終わりは心穏やかな気持ちになった。
前作『空飛ぶ馬』よりもあっさり読めた気がする(こちらの集中力の問題かもしれないが)。
内容もさることながら、『六月の花嫁』において、会話の運び方をも謎を解く鍵の一つとして構成されている所が、鮮烈で印象に残った。
北村さんの文章はやっぱりいいなあ。心がすーっとおちついて、穏やかな気持ちになれます。 さらに日本の文化芸能の教養を身につけたくなります。
再々読くらいだけど久しぶりに読んで、またすごい良くて、やっぱ好きだなあと再認識した。 高校の図書館で初めて読んで、大学のとき買いなおして、社会人になって読むと、あの頃無かった古典芸能への興味とかが加わっているのでまた違うところが面白く感じたり。 登場人物はちょっと面映ゆいくらいみずみずしいのだけど、たしかに共感できる機微がある。この繊細さにあらためて感嘆。
すごい。「人間が描けていない」という批判がミステリに対してなされることはよくあるけど、これはまさしく「人間が描けている」推理小説。文学の土俵で文学を軽く超えてしまったミステリ。
登場人物の育ちの良さを感じさせる言葉遣いや立ち居振る舞い、容易に脳内イメージできる感情表現や背景描写、そして「うーん」と唸らせる論理的な推理展開 上手いですぅ!! ただ・・・ 「餡ドーナツ」の「あんどーさん」とか「この雨を君にあげよう」、「つー、ゆー」とか、おやじギャグに降参!! <(^_^;
ナイス! ★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★ -
コメント(0)
- 07/19
「夜の蝉」はとてもいい。美人の姉の話。微妙な姉と妹の関係。気のいい弟のみを持つ姉の私としては、女同志というのはこんなにも複雑なものかと思ってしまうけれど。 どの話も恋の香り。素敵素敵。
『空飛ぶ馬』と比べてしっかりと読ませてくれる話だったと思います。今作は「女性の機微」について描かれていたのかな…。普段はおっとりしているけれど芯の強い友人が結婚する話。派手な顔立ちの美人な姉の意外な真実と辛い恋の話。そして「私」の淡い、微かに心が揺れた異性への想いの話。著者は男性なのに何と見事に表現したことか! 唸ってしまいます。また、二十歳の「私」の相変わらずの語彙の多さと、文学などに精緻なところに感心させられました。次作では円紫師匠の出番が増えてる事を願います(笑)。
夜の蝉の
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感想・レビュー:143件
















































