亜愛一郎の狼狽 (創元推理文庫)
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亜愛一郎の狼狽の感想・レビュー(298)
初泡坂。夢中になってしまった。短編集である。前半は珍妙な事件に粗忽で惚けたカメラマン、亜愛一郎が遭遇する。あんまり彼が狼狽するので警察は彼が犯人かと疑うのだが、花のかんばせの彼の唇から漏れるのは詳細な観察に基づいた推理の数々なのであった。
カメラマン亜愛一郎が活躍するミステリ短編集。 読むのが楽しくて仕方ない。伏線フェチとしては痺れに痺れました。「G線上の鼬」とかほんと凄すぎ。
どの話もどんな結末があるのかと思って楽しく読めた。普段は頼りない感じの探偵役が鮮やかな推理をしてくれるので、すっきりして面白かった。自分は「ホロボの神」が一番好きかな。まぁ、どれも順番の付けがたいオススメできる短編ばかりだけれど。
亜/愛一郎って何とも人を食ったような主人公の名前ですが、単なるインパクト勝負ではなく、きちんと推理小説として練られた作品ばかりの傑作です。江戸川乱歩後から綾辻行人らの新本格の登場まで、本格派不毛の時代が続きましたが、泡坂氏はその間を埋める貴重な存在でしょう。昭和40‐50年代という高度成長期の「乱雑さ」を色濃く映しつつ、一見不可思議と思えるシチュエーション下で起こる事件を、愛一郎が明快な推理で看破するところが醍醐味です。
いつもあわあわしていて頼りなさげなカメラマン亜愛一郎が難事件、怪事件を解決していく。謎解きは亜の一見突拍子もない一言から始まるのだけれど、着地点が初めはさっぱり分からない。周りの登場人物も皆「?」な状態の中、そこから状況や仮定をひとつずつ論理的に組み立てて、真相まで持って行く過程が読んでいて楽しい。
普通、雲は飛行機の背景でしかない。ところが、カメラマン・亜愛一郎にとっての主役は雲。つまり彼は常に全体像を観察しているのであり、その優れた観察眼をもって事件の謎をすらすら解くのである。ダメダメな普段の姿とのギャップも印象的。第一話「DL2号機事件」は泡坂妻夫のデビュー作でもあり、その持ち味がすでに示されている。
事件が起こってさて…というところで謎が全て解けている名探偵。このスタイルだからいいけど実際にいたら妄想というか誤爆もしてそうだわ。古典としてずっと読みたかった作品ですが、さらに古典へのリスペクトも感じる作品もあったりして面白かったです。三角形の顔の洋装の老婦人は愛一郎のストーカー?(^^;)愛一郎の注意力なら彼女を覚えてないはずがないような…。三角形の向きがどっちなのか気になって仕方なかったです。
★★★☆☆ ::: ゆるキャラなゆるゆる探偵が事件を解く、亜愛一郎三部作の一作目。作者は和製チェスタトンと呼ばれるだけあって、逆説的な発想が光ります。事件における設定も独創的なので、ちょっとイジってドラマ化すれば面白いかも。
再読。短編ミステリのお手本。ただし『九成宮』『蘭亭序』みたいなもんで、真似することはできても、超えることはできないだろう。初読では著者ならではの着想が光る「DL2号機事件」「ホロボの神」が印象に残っていたが、再読では「曲った部屋」「掘り出された童話」の完成度に唸る。コミカルな(少々やりすぎだけど(苦笑)「黒い霧」も捨てがたいし、「右腕山上空」「掌上の黄金仮面」のような人を喰った展開も素晴らしい。「G線上の鼬」なんて全編これ伏線で…あぁもう全部イィよ!
姓は「亜愛」、名は「一郎」だと、ずっと思っていた。自分だけではないはず。俺だけ…?? 名作、古典の名に恥じないアイデアとロジカルな謎解きは秀逸。★
★★★☆「曲がった部屋」と「G線上の鼬」が面白かったかな。 関係者の話だけで謎を解くとことは一種の”安楽椅子探偵”みたいですね。 だた、読者が謎を解くには難しそうな作品も若干あったきがするけどね。 8編の短編集だったけど、色々なパターンがあって楽しめました。
和製チェスタトン、さすが。亜愛一郎の独特の論理が冴え、トリックや時代背景の古さを感じさせない短編集で十分に楽しめました。連城三紀彦も輩出した雑誌『幻影城』は偉大すぎる。
この作者はぴかぴかという表現がお気に入りのようで。セリフの口調の古さに時代だなあと感じつつ頁をめくってたら、最終話にいくまでにすっかりハマッて読んでる私がいました。亜のへたれっぷりはクセになるなあ。
このミスで巧舟さんが勧めていたので読んでみた。他の方も書いているけど、初出から35年経っているとは驚き。でも楽しんで読めるし、タイムラグも感じない。スゴイ作品だ。作品を読む前は名字が「亜愛」だと思っていた。
眉目秀麗にもかかわらず驚くほど間の抜けた男、亜愛一郎は、ひとたび事件に遭遇すると優れた推理力を発揮し、周囲を驚かす。そのキャラクターの魅力に惹きつけられながら、夢中になってページを捲っていた。また、謎解きに至るまでの思考のプロセスが極めて論理的で、本格ミステリファンにはたまらない。それぞれの謎はとても奇想天外で味わい深く、ユーモアに溢れている。ひとつひとつの作品から作家の愛情が透けて見えるかのような短篇集であった。
泡坂妻夫の処女作「DL2号機事件」他7編を集めた短編集。DL2号機は1975年の作品だから、35年前ということになるが、それ程時代を感じさせない。多分技術的要素を含むような機械、設備系の細かい記述を避けているからだろう。ただし、ヨギガンジーでも感じたことだが、結構まどろっこしい記述が多く、スピード感には欠ける。その点、流行の現代ミステリーとは一線を隔している。亜のキャラクターについては、結構楽しめるので、続きも読んでみようと思う。
今風ではないですが、謎は風化しないので、楽しみました。人物名と地名が変な名前で、妙に気になります。発表日が後になる作品ほどおもしろかった。成長?
泡坂妻夫最初の一冊が、確か本書だったと思う。その後、いくつかの作品で度肝を抜かれ、コレクション作家の一人としてわたしの本棚の一隅に座を占めるようになった作家である。何はともあれ本書の魅力は、妙に説得力のあるアクロバティックな論理の跳躍と、喜劇的な登場人物にある。心に余裕があって、心地よく騙されたい人にお勧めです。あ、これ前にも書いたな。
楽しめました。全作品「幻影城」に掲載されてたんですね。「幻影城」懐かしいです。しかし、なんで亜に白目をむかせるんだろ・・・。主人公がなんでここで気絶するんだろうと最初は不思議に思いました(笑)。単なる事件解決のシグナルだったんですね。
亜愛一郎の狼狽の
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感想・レビュー:87件















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