乱れからくり (創元推理文庫)
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乱れからくりの感想・レビュー(151)
小道具やエピソード、出来事がきっちり同じ世界観でまとまっていて、冒頭からラストまではっきりすっきりした読み心地。作者の職人技が光る作品だった。欲を言えば登場人物の背景や心情がもう少し語られると良かったが、そうするとこの軽妙感が削がれてしまうかな。
★★★★ 8 古さなんて気にならない良作。数あるからくりの仕掛けが秀逸なのはもちろんだが、一番気に入っているのは迷路に施された仕掛けだった。図を一目で見て分からないのが見事で、その仕掛けが後に続く物語と絡み合うのも素晴らしかった。本当に泡坂らしい見事な作品。
三読目。泡坂妻夫の物語はいつも一目惚れから始まる。『妖女のねむり』も『湖底のまつり』も『斜光』もそして本書も。恐らくそれは、作者が“運命”を信じていたからではないかと思う。この作品では隕石の墜落という考えられないような“運命”から物語が転がりはじめ、それが最大のトリックとなっている。こんなことをやってのけるのは童心を持った作家にしか出来ないだろう。ただ、その童心がいきすぎか、三歳の子供を平気で殺してしまう件には、ちょっと凹む。いや、必要なのは解るんですけどね…。
降って来た隕石で死ぬという突拍子のなさはなんじゃらほいと思ったが、そこから始まる数々の連続殺人の筋書きは、打って変わってまさにこのタイトル通りの機械仕掛けのミステリ。迷路のトリックは少々頭が痛くなったが、からくり/玩具にまつわる種々の薀蓄も含めて面白かった。
最初の事件?事故か?から終局まで怒涛のように物語が進んでいく。次々と続く殺人、怪しげな人物、怪しげな舞台、玩具、人形に関する薀蓄で、わたしたちは眩暈をおこしそうになる。多少、主人公とヒロインが物語的人物の一種の型にはまりすぎているきらいはあるが、それすらもこの異常かつ、おもしろい作品世界においては演劇的な雰囲気さえ感じられ好ましい。しかし、やはり一番魅力的なのは、探偵役の舞子だろう。事件は陰惨だったが、最後の落ちは読者にほろ苦い苦笑と、救いを与えてくれる。
奇術に精通した著者らしい、企みと稚気に溢れた作品。若干衒学的なシーンの占める割合が多いとも思ったが、持ち前のリーダビリティに優れる文章で躓くことなく読み通すことができた。ひとつひとつのトリックはさほど驚くようなものではないが、全編に細かく張られた伏線の妙、犯人に係る事件全体の構成には思わず溜め息が漏れた。犯人の計画に飽くまで「可能性」の域を出ない部分があることや最初の隕石事件など弱点はあるものの、魅力的な登場人物たちや大がかりでロマン溢れる迷路の秘密など、楽しめる要素が随所に配された秀作だった。
再読。最初の"事件"については賛否両論あると思うけど、掴みとしては良いと思う。あらためて読み直してみると序盤から細かい伏線が張られていて驚かされる。玩具に関する薀蓄も楽しい。
よ、、よくできてるんじゃない!?なんだかラスト、思いがけない方向でおぉっ!となった〜〜。少々マイナ本でしたかね。古い1冊でした♪面白かったー。
最初の隕石は・・・「隕石って」って思ってしまったけど面白かった(笑)ちゃんと最後に(笑)中々面白かった(笑)そしておもちゃやカラクリについての話が良かった(笑)キャラクター達もいい感じで好きですね~(笑)
キャラの描写よりも玩具雑学のほうが多かったような気がするのだが、その雑学の数々がほとんど本編に関係ないのは流石に頂けない。犯人については予想がつくのだが、この緻密なからくりと犯人の妄執には舌を巻く。終盤は二転三転する展開が見ものであり、その目まぐるしさはまさに迷路を歩かされているようだった。
冒頭、登場人物のひとりが隕石の直撃で死亡したので、まさか隕石を意図して落としたとか言い出すバカミスじゃあるまいな、と危惧したけどそんなことはなかった。謎とその解答についてはよく出来てるけど、容疑者が死にすぎで解決編の前に2択になって犯人が解ってしまうのは勿体ない気も。玩具うんちくはページ数稼ぎに思えて個人的にはイマイチ。文章が味気ないのはこの時代のミステリだから仕方ないか。
うんちくの山で玩具やからくりに関する記述は面白く読んだ。とくに金沢の銭屋五兵衛の話など歴史にふれるものは知らないことばかりだったので読み応えあった。謎解きのとっかかりもないまま次々と家中の人が死んでいき最後にまとめて問題解決するから、読んでる最中はただただ暗中模索。作者の細かい道具立てはさすがにすごいと思った。
追悼泡坂妻夫氏。日本推理作家協会賞を受賞し、読んだ人ほとんどが絶賛する本書だが、なぜかそれほど面白いとは思わなかった。多分『11枚のとらんぷ』を先に読んだことで私の中で泡坂氏に対するある種の仕掛けを期待する心持ちがあったのだろう。いつか再読したいと思う。
自動人形(小川洋子最新刊を思い出し)、からくり、迷路、コアなおもちゃ製造。こんなもの全てに興味がある人には死ぬほど面白い。そうじゃない人には普通。そんな作品。そして私はとてつもなく面白かったです。どんどん簡単に人が死んでいって、しかも最初の人の死に方は隕石墜落。な馬鹿な・・・と誰もが思うはず。ここからなのです、真骨頂は。一族の歴史とねじ屋敷の謎が絡み合い一瞬解けてまた絡む。庭の巨大迷路にも眩暈が。そしてラストの参考文献に『夢の宇宙誌』(澁澤龍彦)が。だろうーーだろうーー!!!
トリック三昧ですね。最初の犯罪から、解決編での真相に至るまでトリック、トリック、トリック…まぁタイトルがタイトルですからね。 人形が出てきますが、禁忌に触れるような感じだった乱歩や中井英夫らのそれとは違う人形嗜好で、トリックの為の人形嗜好。一気に読み終えられたので、コレはこれで面白かったかな。
物理トリックを不自然に感じさせないための舞台設定や、男前な女探偵など、いろいろと興味深くはあったのだけれど、なによりも気になったのが序盤のアレ。まさかそのまんまの出来事だったとは……ちょっと驚き。
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