半身 (創元推理文庫)
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半身の感想・レビュー(234)
翻訳でここまで熱中して読んだ本は初めて。それにしても、後味の悪い終り方・・優雅な雰囲気は素敵。どんでん返しというのか微妙だが、驚くことは驚く。
☆5 読み終わった直後は「なんだこれ?」って感じだったけど、よく検討してみると巧さがみえた。提示されるのは、監獄にいる女性霊媒師と語り手で三十手前の独身女性(作中の時代、1870年代だとかなりの負け組?)がお互いを半身だと認め、愛を育む物語。その霊媒師は超常的な現象をみせたりする。そして、その力で脱獄をして語り手と暮らす、と言う。途中までは何か静かに狂うような耽美的な物語なのだが、ただでは終わらない。ドンデン返しはある程度想定内だけど、話に入り込む程驚かされると思う。問題は入り込みにくいということ…。
ミステリというより恋愛小説みたいな感じ? なんかスカッとしない終わり方だったので自分には向いてなかったみたい…(;´Д`)でもこの人の他の本も読んでみたいです。
荊の城が面白かったので、期待して読み始めたら…ラスト数ページのどんでん返しはさすがサラ・ウォーターズだなぁとは思った。 いき遅れの女性と囚人の話なので話全体が暗く、読後感もよろしくない。好みで別れそう。でもお話としては良作だと思います。
つねに悲壮感が付きまとう。良作ではあるのだけれど、そこまでひねりがあるようには思えない。手記のかたちをとっているので、主人公の心の弱さ、感情、自己中心的な考えが見て取れ不安になる。そして最後。愛に恋したら人はここまで溺れるのかな。
良作。最後まで読んで、手記風にしないといけない理由もわかった。とても上手い語り口だった。 少し気になったのが「老嬢」ということばだった。今の日本では結婚していなくても当たり前の年齢なので。それが、当時の抑圧された空気を描くのによかったかもしれない。育ちやイタリアの記述もそうだが、主人公の現実感のなさがうかがわれた。(そうでなければ、狙われることもなかっただろう) そういう意味では、あとになって思えばだが、霊媒師にとっては都合が良すぎるようにも感じたところもあった。
しとしと、静かで陰鬱な雰囲気から始まる、罪人と監獄での物語。感受性の高い豊かな表現で、まるで監獄の通路を歩いてるように、話が進んでいく。どこに行き着くのか分からなくて、結末がとても不安になってくる…そんな小説。
悔しい、悔しい、悔しい!まんまと騙された!騙されたのとは違う。そう、裏切られたの!作者にしてやられた感が凄まじい!決して幸せではなく、むしろ惨めすぎる話なのに不思議と不快感はない……多分他人事だからだろうな。
割と素直に読んでいたのだけど、どんでん返しって…?見落としているだけかな。騙されたという感覚も皆無。よってミステリとは思えませんでした。恋愛小説かな。表紙が凄く良くて、雰囲気を盛り上げている。
途中から、この本がミステリーだということを忘れて熟読。監獄の描写の怖さ、感情移入してしまう主人公の頼りなさ等にやられた。最後の展開は驚愕。あらゆるものを信じて読んでいた…。騙された。凄い話だ。
いつもミステリを読むときは、騙されたい騙されたいと思いながらページをめくるけど、本作ほど「どうか騙さないでくれ」と思ったのは今までなかった。それほど主人公に感情移入してしまったのか、ヒロインに恋してしまったのか。あーあ。(ローウェル嬢)
騙されるという事前情報を得ていたので注意して読んだが、あと一歩及ばず。途中までは何となく感づいたんだけどなぁ…。作者の力量に完敗です。面白かった!
約400ページを使ってじわじわと盛り上げた上でのカタルシス。確かに前半はかったるいが、濃い描写の積み重ねで雰囲気を造るのには必要なのかな。解説はさすが上手い。(稲)
おいおい、あんた騙されてるよ……と思いながら読んでしまった。翻訳のせい、というよりマーガレット嬢の日記が読みにくくて辛かった。こういうのは短編のがすっきりしてて好き。こんだけ陰鬱なのを延々続けた挙句にそんなしょぼいオチかい、というのがなんとも。ところで黒幕の性別は結局どっちだったんだろう。
だ・・・騙された・・・!!薄々そうなんだろうとは思ったけれども、やっぱり、ほら、感情移入が!驚くほどの筆力に引き込まれてグイグイ読みました。翻訳モノって、どうしても表現の壁を感じるけれど、それをものともしない面白さでした。私の中ではオースティンの「自負と偏見」を超えるぐらいはまった!と、途中までは思っていたほどです。要約すると、「ミステリだった」って事なのでしょう。しばらく呆然としそうな一冊です。
奥まったところにある真実の為に一つ一つ薄いベールを捲ったが、残り香が残っているだけで消え失せていた。そんな感じ?なんだかもやもやした終わり方。でも謎は謎のままでも良い気がする。展開遅いし、オカルトチック、GL…どうなるのか心配してたらちゃんとミステリだった!!長いようでスッキリ。きっと、それは作者の文才のお陰。
ヴィクトリア朝の社会、そして監獄の描写を楽しめないとラストの急展開まで読み進めるのは困難だろう。そして、読み終わってから表紙の絵が何回か作中に出てきていることに気づいた。
装丁、あらすじから伝わってくる雰囲気が尋常じゃないので非常に期待しておりました。案の定読み進めてみたらガッチリロックオンされました。でも、ラストがちょっと……。
19世紀、英国、監獄、何とも息の詰まる舞台だ。監獄の慰問に訪れた「私」の日記という形で、引きずり込まれるように読んだ。日記は最初から陰鬱で重苦しいのに先へ読み進めてしまう。これ以上はネタバレしてしまうから書けない。読み応えたっぷりで面白かった。
なんだこれは……、読み終わった時そう呟きました。とんでもなく面白かったことは事実。しかし、ここのコメント欄はこの本を語るには短すぎます。だから未読の方へ対して、当たり障りのないことを書いておきます。お嬢様日記で語られる物語は取り留めがなく極めて冗長です。女の子同士の恋愛話が嫌い・興味がない人は退屈すると思います。けれども断じてこれは百合小説などではなく、もっとわけのわからないものです。
2作読んでサラ・ウォーターズのパターンは分かった。お嬢様の日記形式というのは波に乗れれば一気読みできるけど気が乗らない時は全くページが進まない。最後のオチで作品の評価が跳ね上がるかな。そこにたどり着くまでが長いが…。
最初のうちは、たるーい語り口にウンザリ、、これだからお嬢様日記は困るよなあ、要点を言えよ要点を、、と思いながら読んだ。途中から知らず知らず、おい、あんた、ダメだよ騙されているよと心配しながら読み、最後はあーあーやっぱりだまされちゃったあ、、、と気づかぬうちにズルズル引きずり込まれた感があります。著者の語りの巧みさに脱帽です。
監獄や人物の精細な描写に唸らせられる。しかし、ここが長かったので、ちょっとつらかった。ラストありきの小説。この小説の醍醐味はラストに収斂されている。
「荊の城」のドラマを見て面白かったので買ってみました。前半はなんかだらだらしてて読むの辛かった…後半は面白かったです。最後まで読んでよかった。救いが無くて鬱になりますが。
冒頭で死んだ貴婦人の真の死因を突き止める話かと思ったら、まさかあんな展開に繋がるとは……。以前読んだ『荊の城』とは異なり、こちらは読んでいる方まで鬱になるほどの悲惨な終わりかたなので、主人公に感情移入しすぎると、少し辛いかもしれません。でも、百合作品としては日本人がしゃしゃり出ない数少ない物語なので美味しく堪能させていただきました。主人公が相手を想う心理描写の巧みさは、女性作家ならではの深みがあります。
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感想・レビュー:67件






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