肩胛骨は翼のなごり
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肩胛骨は翼のなごりの感想・レビュー(177)
冒険や活劇とは違ったファンタジーなお話。彼は本当に居たのかもしれないし、居なかったのかもしれない。風の又三郎か、それともトトロか。自分にも幼い頃何かが見えていたのかなあ。見えていたらいいなあ。
「何が望みだ?」……そう聞いてきた彼は、望みをかなえるような存在には見えない。不可思議な存在、スケリグ。グロテスクで汚らしい「生きのびる」行為と、翼を広げた彼の力強い、美しい姿。
食べるという行為はなんて生々しいのでしょうか。スケリグが何者なのかはわかりませんが、確かに生きているようです。それはマイケルやミナや猫、鳥も同じで、スケリグが神秘的であるのと同じように鳥の生活や彼らもまた幻想的で「不可思議な存在」なのです。
読み終わった後の、苦しいような幸せのような感じ、好きです。スケリグ、きれい……。何者か分からない感じが、さらにいい。読み終えるのがもったいなかった。
スケリグ。読んでいる間中、ずっと彼の視線を感じた。じっと見られている。奇妙な存在。不可思議な存在。ゴキブリにまみれ、体中を覆っているアオ蠅や蜘蛛の死骸。悪臭。きしむ体。青白い肌。口が悪くチャイニーズとビールが好きでけっこう人間的。それでも、神秘的で子供たちの心を捉えてしまうスケリグ。猫のウィスパーに癒されるスケリグ。アーモンドの他の作品も読んでみたい。
そういえば彼は、物語の始めに、僕に向かってこう訊いた。「なにが望みだ?」
彼の獰猛さ、粗野さの描写が、彼を現実の存在に引き下ろしているようです。神秘さ、美しさだけだったら、単なる不思議な話で終わってしまう。彼が何者なのかわからないままなのも、リアルな存在だから。理由なんてない、ただ存在するもの。
半分は幸福で、半分は怯えているのが私たち。スケリグが、ゆっくりと夜の月明かりの中を飛び立っていくのが目に浮かびます。生と死のはざまで彷徨う自分らを強く意識しました。人がヒトを感じる物語。
少年の屈託のない感性とスケリグの持つ翼のうつくしさが透き通った水面のように心地よい余韻を残す。この世界観なのに、中華っていうのもなんかイイ。邦題が秀逸すぎる。
ホコリだらけのガレージに横たわる蜘蛛の巣と青バエにまみれた天使。リアリティのあるファンタジーなんて、子供の時に出会った借りぐらしの小人たち以来だ。中華のソースを口の端に垂らしたスケリグ。木の上で男の子たちを睨むミナ。マイケルとミナとスケリグが輪になって踊るシーンの美しさ! 全てのシーンが映像として浮かんだ。
短い章をいくつも重ねた構成が斬新で、主人公マイケルの視点で描かれている。よって全ての状況を説明することがなく、それが反って作品に不可思議さを与えていると言える。作品全体が湖面に映った景色のようで、透明感が漂っていて、波紋がおこると消えてしまいそうで、儚さを感じさせる物語。
タイトルが秀逸ですね~。内容は不可思議なファンタジーという所でしょうか。日本では「ガレージ」とか「庭」とかいった単語から想像できる共有イメージがないので物語の底に流れるものを掬いきれなかったような。あとホント個人的な感想になってしまうけど、訳が自分に響いてこなかった。これは言葉の選び方の相性なので訳が悪いとか、そういう事ではないのです。江國香織さんや村上春樹さんが訳せば違う世界が見えたかなと。機会があれば原文で読みたいですw
どこかに「すごくオススメ」とあり、タイトルにも惹かれてリクエスト。手元に届いて表紙裏の紹介を読み、表紙のイラストを見て「??」スケリグの出てくるシーンと、それ以外の学校生活・少女との交流などの雰囲気がまったく違っていて、ちょっとちぐはぐな印象。なんとも不思議な話、としかいえないかも・・・。児童書とはちょっと思えなかった。
「翼をもった生き物」というと鳥とか天使だとか何やらキレイなものを思い浮かべるけれど、翼をもっていた「彼」は、埃まみれで顔色悪くて中華料理とアルコールとアスピリンを摂取する。だけど何て存在感。
邦題に惹かれて読んだ1冊。何故だか分からないけれど、記憶に残っている子どもの時の記憶。ふとしたきっかけでヴェールの向こうが透けるように蘇る思い出。そんな印象を受けた。繊細で、ちょっと不思議で、よかったけど、思ったよりあっさりだったかな。生と死は裏がえしの存在。スケリグも赤ちゃんも本能が生きようとしているのだ。誰がそれを止めることができようか。肩胛骨は翼のなごり。人は空を飛べないけれど、物語の世界では自由に羽ばたく。物語を紡げる人の背中には、きっと翼のなごりの肩胛骨が静かに眠っている。
期待して読みはじめ、意外とあっけなかったなぁ、と思って本を閉じた。数日がたち、私はすでにまったく別の物語に心を奪われていた。わくわくしてドキドキする。そうそうやっぱり物語はこうでなくっちゃね。しかし何かの拍子に手が止まり、ふいに思い出す。ホコリ、中華のにおい、蜘蛛の巣。あれ、これって何だっけ。ホコリ、中華のにおい、蜘蛛の巣、ガレージの床。私は唐突に、あの薄暗く、冷たいガレージに引き戻される。そして再び“彼”と出会う。何というか、私にとって、これはそういう物語だった。
昔読んだ本を読み返したら、不思議なほど描写があっさりしてみえて、自分が思い描いていたあの濃密な世界はどこに行ったのかと思うことがあるよなあ、ということを読みながら考えた。自分にはすごくあっさりしてわかりやすくてシンプルなこの物語が、初めて読んだ子供の中にどのように描き出されるのか、すごく興味がある。
タイトルに惹かれた。児童書的な児童書ではないように思える。たまにきれいな描写がある。ミナは寂しかったんじゃないかなと思った。マイケルもスケリグも寂しさはあるけど、不安とか諦めとかが混じっている。ミナはその点、寂しさだけが痛々しいくらい感じられた。
生きとし生けるものはみんな不可思議な存在かもしれない、そう思わせるストーリー。 妹が病気で母は病院にかかりきり、不登校・・・周りと少しズレていてもそれぞれの親子がとてもいい関係に表現されていて心温まる。
肩胛骨は翼のなごりの
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感想・レビュー:68件














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