薔薇の名前〈下〉

薔薇の名前〈下〉
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薔薇の名前〈下〉の感想・レビュー(333)

正統と異端,神職と平民,悲劇と喜劇,その他にも種種雑多な対立がある。中でも書物を通して対立し,また交わるのは観念と実在。これはエーコが記号論の顕学だということにも関連する。この迷宮構造すらも記号にした書物はこれだけで完結するものではなく,書物から書物への迷宮へとまた誘う。
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 01/25

上巻終盤から下巻序盤にかけての語り手アドソの童貞力爆発ぶりがすばらしかった。好きだ、当然のことながら。

たぶんこれはある程度知識がある人じゃないと面白さが分からないと思う。私はいまいちわからなかった。
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 01/02

世評に違わぬ名作という感想。舞台設定、テーマ設定、衒学ぶりともに素晴らしい。三十年前の作品だけど色褪せた感がない。/でも主人公(語り手ではなく)は中世人ではないよなあ。あまりにも明晰すぎる。まあ中世人ではない、といことなんだろうけど。
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 01/02

難しい本だよね。読み終わると頭が良くなった気がする! 不思議!な本。神様に関する議論は大変だ。言いたいこと言えばいいってもんでもないからね、ハハ。語り部のドキドキっぷりが、なんか可愛かった。
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 12/29

HAZ
やはり下巻も神学談義。肝心の殺人事件の犯人の動機も神学の意味に絡むもので、私にはよく理解できなかったところがある。ただ下巻の中で一番印象深かったのは、空腹を満たす為に、僧院で修道士たちに身体を任せていた少女が魔女だと切り捨てられていったこと。中世においては、貧しさも罪になる。アドソに告げたウィリアムの一言があの時代の現実だったのだろうな。「忘れるのだ。彼女は失われたのだ。」

「薔薇の名前」とはなんだったのか?「いままでに存在しなかったからといって、疑いを抱くには当たらない。将来にも存在しないとは限らないからだ。そこで、おまえに言っておくが、神は何よりもそのような事物の存在を望んでおられるのだ」《名辞は事物の結果である》という言葉を思い出しておこう。神に望まれた「そのような事物」の結果として、薔薇の「名前」が実現したのだ。

殺人事件の謎解きの筋を追うだけでももちろん面白いけれど、この小説の白眉はむしろ、丁々発止のディベートや名探偵の鮮やかな推理の中に織り込まれた、難解な神学論議と、その背景にあるキリスト教会の政治的駆け引きに関する部分(もちろんすべてを理解するのは無理でしたが)。これはフィクションとはいえ、「暗黒時代」と呼ばれた中世にも透徹した合理的精神の持ち主は少なからずいたはず、と気付かされる。彼らにとっては「神」の存在とどう折り合いをつけるかが難題だったのかも。隅々まで示唆に満ちた、ページ数以上に読みごたえのある本。
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 12/10

読んだけど…もう三回くらい読まないと…読めてない…
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 11/22

「修道院で起こった殺人事件の解明」「異端論争」「アヴィニョン大分裂」「愛について」「キリストの清貧」そして「書物をめぐる世界燃焼」…さりげなく描写されていることが伏線であったり、論法が非常に研ぎ澄まされていたり、そして結果(トリック)があれですよ!これはノート一冊使って考察するに値する…。読んでいる間に私たちは迷い込む。どこへ?中世だ、当然のことながら。ウンベルト・エーコに嫉妬する。ものすごく嫉妬する。悔しいので勉学に励むことにする。この書物は別の多くの書物へ語りかける。私はただ圧倒されて頭をたれる。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 10/18

難解というより、本筋から脇道にそれることが多い。また各修道会の思想・理念、中世ヨーロッパの時代背景、宗教知識がさらっとでもないと情報の整理が大変になる。とはいえ、大筋はそこそこ面白かった。ミステリとしての娯楽作と割り切れるものではないのは確か。
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 09/28

途中までは小説として読んでいたが、最後の方は書物を巡る哲学書として読んだ気がする。それが必要であれ不要であれ、神聖であれ愚劣であれ、知識を記す書物は確かに存在し、真理へと至る道を照らすと同時に、愚かな人間を幻惑の暗闇へと引きずり込む。その書物自体もまたわずかな火によって灰燼に帰し、それでもなお、人間はその断片から書物と書庫を再構成することを想像する(断片すら残っていない著作の内容までも)。その営みの深遠さと喜びと裏返しの残酷さのようなものを、本当の意味で理解できる日が来るのだろうか。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​ - コメント(1) - 09/18
Shin
図書館で借りてきたのだけれど、是非とも購入して手元に置いておきたいと思う。それにしても、こんな本を街の小さな図書館で借りてきて読んでいることの不思議さといったら。
ナイス!ナイス! - 09/18 12:48


★★★★☆ これはミステリというより哲学書? 何度も繰り返される異端という言葉。この時代の敬虔なキリスト教信者から見た異端の多くの部分が、今となっては普通のことなのに。たとえば男女の交わりが修道士にとってはタブーでも、じゃああなたは交わりによって種をまかれ、穢れとされる女の股間から出てきたのではないの?と。まぁなにせ14世紀のカトリック修道院が舞台だから、難解であっても仕方ない。オビにある『今世紀最大の問題小説』とされるのは、やはり読み手がキリスト教信者という前提だろうな。興味深かったが正直難しかった。

本筋のミステリ、異端論争、そして一番筆が乗ってたような(あるいは一番読みやすかったからかわからないが)アドソの娘への想いについてなど、素材数冊分を一本にしたような小説だ。チーズカリーバーグディッシュ2000gみたいな、何目当てかわかんないけど凄い食べ応え。すごいです。ごちそうさまでした。
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 08/17

「人間の知に対する抑えがたい欲望」vs「キリスト教の教理」といったところでしょうか。キリスト教のみならず、宗教ってものについて考えさせられました。もちろんミステリー小説としても面白いです。本作品は噛めば噛むほど、いい味が出そう。今よりも知識を増やして再読するとさらに楽しめそうです。
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 08/08

本当に長い長いおはなしでした…。宗教、哲学、薬学、思想、歴史、あらゆる分野がぎゅうぎゅうに詰め込まれた、ミステリーとしてもちょっとした雑学的にしても楽しめる名作。前知識無しでも楽しめるのは確かだし、当時の歴史や宗教的な背景を知ればなお楽しめる一冊です。
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 07/10

上巻で丹念に描いていた、この時代のキリスト教ならではの想念、価値観が集約する解決篇は圧巻。それまでだらだら時間を費やして読んでいても、最後は勢いに巻き込まれ、“崩壊”の名に相応しい結末を体感できる。……しかし、キリスト教を巡る一連の流れが、現在の日本の世論の変遷のみならず、色んなことを象徴しているようで、様々な感慨を味わうと共に、非常に刺激を受ける作品です。疑うべくもなく歴史的傑作。
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 06/21

著者がこの作品に込めた数々の記号のすべてを読み解くことが理想なのだろうが、多くを読みとれない読者にも、この小説は優しい。個々の読者の技量によって読みこなすことが可能であり、どんな読み方も受け入れてくれる寛容さがある。...とは言っても、織り込まれたテクスト群を知れば知るほど、この作品をより楽しめることは間違いない。読書経験を積んでから、また必ず読み返します。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 06/17

ついに読了!哲学、キリスト教神学、ミステリー、世界史、記号論…あらゆる知を総合して始めて100%楽しめるであろう物語。次の読書を大いに刺激される良書! 長い感想は「たなぞう」にて。http://review.webdoku.jp/note/5347/16052/1?id=256677
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 06/10

圧倒的な知識に裏打ちされた小宇宙である僧院の描写とそれが崩れ落ちる様は何か象徴的。読み終わった後、「手記だ。当然のことながら」を読んでみると、作者がこの作品で読者をも巻き込んでこの世界を形作ろうとしたことがよくわかる。
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(1) - 06/06
クランチ
ナイスありがとうございます。この人の本は他にも持っているんですが、読み終わるのはいつだろう?
ナイス!ナイス! - 06/18 16:28


やっと読み終わる。ミステリー云々よりも、宗教もやっぱり人が大勢関わる以上は派閥争いやら何やらあって大変!って話に思えた。

上・下巻を通じてアドソとウィリアムのやり取りが面白かったです。私もキリスト教圏の文化に詳しいわけではないので「あ、これってこういうことかな」と思えるものはいくつかあった程度でしたが、古典などにもっと読書経験があればさらに楽しめたと思います。またいつか読みたい本です。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 05/22

非常に面白かった……一方、結末は、まぁこうならざるを得ないとはいえ、むなしすぎましたね。宗教に留まらず膨大な知識をこの一冊(二冊だけど)につぎ込んだエーコにただただ感心。ミステリとしての素晴らしさはもとより、当時の修道僧・教皇の考えをまさに身近に感じられるような描写の数々にうならされます。膨大な「知」により満足感が与えられるという貴重な読書体験。ウィリアムの言葉は何と多くのことを教えてくれるのでしょうか。筆者とこいつを訳してしまった河島英昭さんに、素敵な2週間の読書を与えてくれたことを感謝したいです。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 04/28

長かったな…。アドソが夢に見た饗宴のシーンが笑えたけれど、上巻のインパクトのほうが強かったので下巻はあまり心に残らなかったかも。解説が異常に長くて下手をすれば興ざめになるかも。ただ、少女をキリストに置き換えてもいいのかもしれない、という説には非常に驚いた。その読み方を考えてもいなかったので、最後の最後でびっくりしたという…。
ナイス!ナイス! ★​★​★​ - コメント(0) - 04/20

幾重にも楽しめるのであろうこの小説の、推理部分の大筋しか追えなかった自分の知識の少なさが残念。もっと教養を深めてまた読もう。読む度に注目したい点が変わって何度も楽しめる本だと思う。中世絵画しかり小説しかり、楽しむにはキリスト教とその時代における宗教観は必須だなあと何度目かの実感。“書物の書物″。読書は楽しい。小見出しが好き。
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 04/18

ミステリとして読んだものの、その枠に収まらない凄い小説だった…。想定してたほどとっつきにくい本ではなかったが、宗教の小難しい話は消化できなかった感がある。再読にはもっと<豊かな読書経験>を積んでから臨みたい。長いので伏線を忘れている所もあったが、解決編~結末には夢中になって読ませる緊張感があった。私のような知識の薄弱な読者には、ウィリアムとアドソのミステリの記号らしい魅力的な主従が、壮大な物語世界への案内役を務めてくれたために読了出来たようなもの。結末へ辿り着く栄誉を得られたことに彼らに多いに感謝したい。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 03/28

殺される数の多さやその過程、そしてラストに『金田一少年の事件簿』を連想してしまいました。あと話に書物が絡んでくるところは『鉄鼠の檻』も思い出します。上巻よりは早く読めた気が。宗教について考えさせられました。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​ - コメント(0) - 01/02

舞台はアヴィニョン教皇庁の時代、フリードリヒ美王の特使としてバスカヴィルのウィリアム修道士が北イタリアの某所にあるベネディクト会修道院を訪れる。ウィリアムはかつて異端審問官としてそのバランスのとれた判断が高く評価されていた。物語の語り手である修練士メルクのアドソは、見聞を広めてほしいという父親メルク男爵の意向によってこのウィリアムと共に旅をしている。 ウィリアムの本来の目的は、当時「清貧論争」と呼ばれた、フランシスコ会とアヴィニョン教皇庁のあいだの論争に決着を付ける会談を調停し、手配することにあった。と
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​★​ - コメント(4) - 12/06
junkty@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)
この本はショーンコネリーが出てる映画の原作ですか?
ナイス!ナイス! - 12/07 19:51

こやま
junktyさん コメントありがとうございます。映画は見た事ないのですが、そうみたいです。映画も是非見てみたいです。
ナイス!ナイス! - 12/07 20:08


この小説を楽しむための知識が圧倒的に不足していた。もちろん面白いことは面白かったし、結末も最初と呼応してておぉーってなったけど、楽しみきれたとはいえないです。
ナイス!ナイス! ★​★​★​ - コメント(0) - 11/12

心の芯から興奮した。自分の読書経験では味わえない楽しみがまだまだ残されているのだろうと感じる。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​ - コメント(0) - 10/15

やっと読み終わりました。 たしかにホームズが宗教者だったらこんな感じかもと想像できて面白かったし、この時代の、この閉鎖的な世界を舞台にミステリイが実現可能という点はすばらしい。 しかし登場人物の名前は覚えにくいし、宗教的な描写とか話し方が何とも読みづらかった‥‥もうっちょっと親しみやすい文面だったらなあ、と思ってしまう。もっと教養を身につけて再チャレンジしたいです。
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 09/05

修道院、特に古今の文献を収めた偉大な図書館つきのそれであるにもかかわらず、あるいはだからこそ、繰り広げられる生臭く俗っぽい事件。その終わりは修道院そのものの終わりでもある。こういうのも、「人間模様」などと陳腐な呼び名が逆にふさわしいんじゃなかろうか
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 08/23

ある意味スッキリできない終わり方でした。ミステリ的な面での犯人の動機や被害者らの死因についてではなく、全ての結末について無力感というのか、切なさのようなものが残ります。どれだけ権威のある僧であってもただの人間であり、欲望に支配された儚く弱い存在なんですよね。この巻でも宗教的な難しい用語がたくさん出てきますが、中世ヨーロッパにおける歴史を知っている方なら大半は分かるのではないでしょうか。知識の深さや登場人物らの関係とその最期、それら全てを含めてこの『薔薇の名前』は宗教ミステリの最高傑作であると思います。
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​★​★​★​★​★​ - コメント(0) - 08/19

はぁーやっと読み終わりました。 ワールドカップ寝不足とも戦いつつ、やはり2週間程かかりましたね。 色々な要素が重層的に絡み合う内容なので、「こうでした、あーでした」とはあっさり言えない本ですね。 確か作者を知ったきっかけは、ダン・ブラウンの「天使と悪魔」のあとがきの中にエーコの名前と本書のタイトルがあって、タイトルの方に「そう言えば昔、ショーンコネリー主演でそんな映画があったなー」と思い、調べてみたのがそうでした。作中の表現にもあるように、まさに「書物は他の書物についても語る」という所でしょうか?
ナイス!ナイス! ★​★​★​★​ - コメント(0) - 07/01

CT
またしても書庫室に入る。 「敵から身を守るには、「敵」の文化を良く知らなくちゃあならないって考え方だってあるんだ」(SBR1巻) キリストは財布を持っていたのか? そんなキリスト教の派閥会議の最中。 補佐の持ち物を見つけた薬学僧が殺された。 会議が閉会し、朝の会で皆で聖歌を歌うことになった。 聖歌を歌っている最中に立ちくらみをおこした文書館長。 彼の身に起きたこととは? そして盲目の修道僧がついに語りだす。 ○○○の罠とは? 「laugh can(not) advance」 何かを好きで、好き
ナイス!ナイス! ★​ - コメント(0) - 06/24

『知識の砦』の結末にもう圧巻された…!崩れ落ちていく最後のスピード感半端ないです、容易に想像できる場面だし上巻下巻含めてこれだけ『知識の砦』の貴重性を語られてたらね…本の中の話とはいえ、もどかしかった…うあああ…!ラストの為に全て用意されてたような気がしなくもない。キリスト教の知識があればもっと深く読み解くことが出来たんだろうなあと、ちょっと後悔。関連書籍読んで「?」なところを補完したい。てか、再読必須だわこれー。
ナイス!ナイス! ★​★​ - コメント(0) - 05/17

熱狂的信仰者であるがゆえに反キリストなのか…宗教は難しい。混沌としたキリスト教世界に赤々と燃えあがる炎。印象的な終わり方でした。面白かった。しばらくしたら読み返したい本。
ナイス!ナイス! ★​★​★​ - コメント(0) - 05/10

ようやく読了。今にして思えば、以前挫折した際に、もう少し頑張って読んでおくべきものだったと後悔。内容については古い本であるし、解説も多数出ているので今更コメントする必要もないが、当時映画を見ただけで判ったつもりになっていた事が悔やまれる。子供の頃、エンデの「はてしない物語」を読んで読書の楽しみを知った者として、何故に早くにこの本に取り掛からなかったろうか。暫くしたら再読する予定。また一つ楽しみが増えた。
ナイス!ナイス! ★​★​★​ - コメント(0) - 05/03

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薔薇の名前〈下〉の 評価:50 感想・レビュー:83
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